豪ドルのFXデイトレードを行ううえで、インプットしておきたいトレードシナリオなどをギュッとまとめました。
執筆:外為どっとコム総合研究所 中村 勉
Twitter:@gaitamesk_naka
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目次
今日の豪ドル トレードシナリオ
ここまでの相場
・WTI原油価格は反落。米週間在庫統計で原油在庫が取り崩された(減少)ことがわかると、一時1バレル=114ドル台まで上昇した。その後は、先週後半から大きく値を上げた反動で109ドル台まで値を下げた(6月29日)。
・習近平中国国家主席はゼロコロナ政策の堅持を表明した(6月29日)。
・5月分の豪雇用者数は6.06万人増と予想の2.5万人増を大幅に上回る。失業率は前月とおなじ3.9%に留まったが、労働参加率が66.7%(前月66.3%)へ上昇。過去最高となった(6月16日)。
・2022年1‐3月期の豪賃金指数(前年比)は+2.4%と前期(+2.3%)を上回る。しかしRBAの目標とする3%には届かず。6月15日に公正労働委員会が最低賃金の5.2%引き上げを発表。これにより賃金指数の伸びも加速しそうだ。
・6月7日の豪準備銀行(RBA)理事会で政策金利を市場予想(0.25%~0.40%)を上回る0.50%の利上げを実施。今後も大幅利上げの可能性がある。
・4月27日発表の豪2022年1‐3月期 消費者物価指数(CPI)は前年比+3.7%(トリム平均)とRBAの目標レンジ(2~3%)を突破。市場の予想(+3.4%)を大きく上回る結果となった。
今日のメインシナリオ
豪ドル/円は中国と米国の経済指標が改善なら買い?
「米国の金融引き締めは加速」といった思惑が強まり、米国経済の減速懸念が強まっている。それにより、資源国通貨である豪ドルは上値が重い状況だ。一方、中国では習近平・中国国家主席がゼロコロナ政策の堅持を表明した。これにより「中国は今後もロックダウンと解除を繰り返す」との見方が強まったことが中国と交易関係の強い豪ドルにとってネガティブ材料となった。本日は中国国家統計局が6月製造業購買担当者景気指数(PMI)と6月非製造業PMIを発表する。ともに前月より改善、さらに好不況の境目と言われる50.0を超えると予想されている。予想通り50.0を超える結果となれば、素直に豪ドル買いで反応しそうだ(ゼロコロナ政策堅持への先行き不安は残るが…)。
ただし、前述の通り米経済の減速懸念が根底にあるため、当面の間、豪ドルは対米ドルでは上値が重くなりそうだ。これを払しょくするには、米国の経済指標が強い結果となり、「金融引き締めにも負けず米経済は前進する」と市場の意識が変わることが必要となる。本日の一連の米経済指標に要注目だ。
個別の想定シナリオ
■米国経済指標の強い結果
⇒米国経済は急速な金融引き締めに負けないと市場が意識
⇒資源の旺盛な需要
⇒豪ドル/円は買われる
チャート分析
今後の注目材料
中国の経済指標
米国の経済指標
「ぴたんこテクニカル」の「お天気シグナル」
外為どっとコムのテクニカル分析ツール「ぴたんこテクニカル」の「お天気シグナル」では豪ドル/円は曇り空に雨がぱらつき、豪ドル/米ドルは快晴。6時に豪ドル/円の移動平均で買いシグナルが点灯。
【情報提供:外為どっとコム】
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中村 勉(なかむら・つとむ)
米国の大学で学び、帰国後に上田ハーロー(株)へ入社。 8年間カバーディーラーに従事し、顧客サービス開発にも携わる。 2021年10月から(株)外為どっとコム総合研究所へ入社。 優れた英語力とカバーディーラー時代の経験を活かし、レポート、X(Twitter)を通してFX個人投資家向けの情報発信を担当している。
経済番組専門放送局ストックボイスTV『東京マーケットワイド』、ニッポン放送『飯田浩司のOK! Cozy up!』などレギュラー出演。マスメディアからの取材多数。
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