豪ドルのFXデイトレードを行ううえで、インプットしておきたいトレードシナリオなどをギュッとまとめました。
執筆:外為どっとコム総合研究所 中村 勉
Twitter:@gaitamesk_naka
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目次
今日の豪ドル トレードシナリオ
ここまでの相場
・WTI原油価格は、主要国(日本以外)が軒並み利上げをしたことで、世界経済の冷え込みへの警戒感が強まる。リスクオフ懸念による米ドル買いが強まり原油相場も売りが先行。一時、1バレル=108ドル台へ大きく値を下げた(6月17日)。
・中国当局の新型コロナ対策(ゼロコロナ政策)は当分変わりそうもないとの見通しが出ている。そのため当面は封鎖と解除が繰り返されそうだ。市場は軽度の封鎖については織り込んだ模様。(6月17日)。
・5月分の豪雇用者数は6.06万人増と予想の2.5万人増を大幅に上回る。失業率は前月とおなじ3.9%に留まったが、労働参加率が66.7%(前月66.3%)へ上昇。史上最高値を記録した(6月16日)。
・2022年1‐3月期の豪賃金指数(前年比)は+2.4%と前期(+2.3%)を上回る。しかしRBAの目標とする3%には届かず。6月15日に公正労働委員会が最低賃金の5.2%引き上げを発表。これにより賃金指数の伸びも加速しそうだ。
・6月7日の豪準備銀行(RBA)理事会で政策金利を市場予想(0.25%~0.40%)を上回る0.50%の利上げを実施。今後も大幅利上げの可能性がある。
・4月27日発表の豪2022年1‐3月期 消費者物価指数(CPI)は前年比+3.7%(トリム平均)とRBAの目標レンジ(2~3%)を突破。市場の予想(+3.4%)を大きく上回る結果となった。
今日のメインシナリオ
主要国の利上げが経済減速警戒を強め、豪ドル/円の上値は抑えられそう
17日(金)の日銀金融政策決定会合では政策金利は据え置き。前日にスイス中銀が利上げを実施した。これまで、日銀同様にマイナス金利政策を採っていただけにサプライズだった。これにより、「主要国では日銀だけが頑なに金融緩和を維持」ということが明確となった。そのため、低金利の日本円が売られやすいという大前提が確立された。そういった中で、①主要国が軒並み利上げを実施した(近々実施する)、②世界的にインフレが収まる気配が見られていないので今後も利上げサイクル継続、といった見通しから世界的に景気が冷やされる懸念が台頭している。ウクライナ情勢を発端とした世界的な資源不足懸念が根強いこともあり、資源価格が大崩れすることは想定していない。ただ、世界的な景気減速懸念による資源需要減退への警戒から資源価格の上値が抑えられることで、豪ドル/円の上値は限定的となりそうだ。
個別の想定シナリオ
■世界的な経済減速懸念
⇒資源価格は需要減退警戒で上値が重い
⇒相対的にリスクオフの米ドル買いが入りやすい
⇒豪ドル/円は上値が重い
チャート分析
今後の注目材料
資源価格動向
「ぴたんこテクニカル」の「お天気シグナル」
外為どっとコムのテクニカル分析ツール「ぴたんこテクニカル」の「お天気シグナル」では豪ドル/円は曇り、豪ドル/米ドルは雲間から太陽が覗いている。7時に豪ドル/円RSIで買いシグナルが点灯。
【情報提供:外為どっとコム】
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- ※ なお「ぴたんこテクニカル」の「お天気シグナル」や、「外為注文情報」は情報提供を目的としており、投資の最終判断は投資家ご自身でなさるようお願い致します。
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中村 勉(なかむら・つとむ)
米国の大学で学び、帰国後に上田ハーロー(株)へ入社。 8年間カバーディーラーに従事し、顧客サービス開発にも携わる。 2021年10月から(株)外為どっとコム総合研究所へ入社。 優れた英語力とカバーディーラー時代の経験を活かし、レポート、X(Twitter)を通してFX個人投資家向けの情報発信を担当している。
経済番組専門放送局ストックボイスTV『東京マーケットワイド』、ニッポン放送『飯田浩司のOK! Cozy up!』などレギュラー出演。マスメディアからの取材多数。
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