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FX/為替予想「ペソは高値を付けたか」メキシコペソ/円 5月見通し YEN蔵

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▼物価高が続くメキシコ
▼中銀のタカ派姿勢は継続か
▼メキシコペソは売りに転換か

物価高が続くメキシコ

INEGI(メキシコ国立統計地理情報院)が4月7日に発表した3月の消費者物価指数は、前月比0.99%、コア指数が0.72%の上昇となりました。前年比では7.45%の上昇で2月の7.28%、予想の7.36%を上回りました。コア指数は6.78%となり2001年4月以来の高水準となりました。
食糧費の一部が10%以上の上昇となり、LPGは7.48%の上昇となりました。
4月22日に発表された4月前半の消費者物価指数は前年同月比で7.72%と3月の7.45%、予想の7.6%を上回りました。

中銀のタカ派姿勢は継続か

メキシコ中央銀行は3月24日に政策金利を0.5%引き上げて6.5%としました。0.5%利上げは3会合連続となりました。
ロドリゲス・メキシコ中銀総裁は3月25日にロイターのインタビューに応じて「メキシコ中銀にとって同国のインフレが一番重要な金融政策の決定要因」「FRBの金融政策は重要な変数であるが唯一の要因ではない」「FRBの利上げの動きにいちいち合わせてあらかじめ予想して利上げしているわけではない」と述べました。
そのうえ今後の利上げに関しては「3%±1%のインフレ目標を守るためのペースになり、現状ではまだ決めていない」と発言しました。
インフレ率に関してはこの時点では今後のインフレ率は、今年前半にピークをつけた後に低下傾向になり、2024年第1四半期に目標に達すると述べていました。
しかし4月21日には5月12日の会合で今年のインフレ率予想を上方修正する可能性があると述べました。直近の消費者物価指数の数字を考慮すると上方修正は妥当なところでしょう。そうなると5月12日に金融政策会合で再び利上げする可能性も否定できないでしょう。

メキシコペソは売りに転換か

ドルメキシコペソは3月8日の高値21.4685ペソ付近からドル安ペソ高の流れとなり4月4日に19.7260ペソまで下落しペソの高値となりました。
19.73付近がサポートとなり20.20ペソのレンジでしばらく推移していました。4月20~21日にパウエルFRB議長が0.5%の利上げともう少し早いペースでの利上げが必要かもしれないと発言したことで米長期金利が上昇するとレジスタンスになっていた20.20ペソ付近を上抜けして20.4865ペソ付近まで上昇しました。
一方でメキシコ10年国債は直近で9.24%まで上昇しメキシコ国債は下落しています。
メキシコの代表的な株価指数であるボルサ指数は4月1日に57,000付近まで上昇しましたが、その後は下落トレンドとなり52,500付近まで下落しています。
すでにメキシコ国債、メキシコ株価指数は4月初めから下落していましたが、ペソも 中盤から下落傾向にあります。
ペソ円は3月8日の安値5.376円から上昇し4月19日に6.486円まで上昇しました。その後6.258円まで下落しています。
6.47円付近は2014年の高値8.7円付近から2020年の安値4.2円付近の半値戻しであり、2017年の高値圏です。このレベルが一旦高値となる可能性が高く25日移動平均線が位置する6.205円付近が短期的なサポート、ここを抜けると上昇前の押し目6.08円、節目の6円付近がサポートと思われます。6~6.5円のレンジを予想します。

【メキシコペソ/円 月足チャート】
MXN/JPY 月足

【メキシコペソ/円 日足チャート】
MXN/JPY 日足

メキシコペソ 特設サイト:
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新興国通貨が高金利である理由について
新興国に分類される国々は概して政治リスクや財政リスクが先進国よりも高く、したがってその経済的信用度は相対的に低い水準にあります。こうした条件下では海外投資家の資金を呼び寄せられず、経済発展の支障となるため、金利を上げたり税金を安くしたりすることで、信用度の低さを補いうる投資環境を構築しようとします。そのため新興国通貨は一般に先進国通貨よりも高金利となる傾向にありますが、前述したように各種リスクが高い水準にあることから、長期的には先進国通貨に比べて価値が下がる(=通貨が下落する)条件を備えているともいえます。
YEN蔵
株式会社ADVANCE代表取締役 米系のシティバンク、英系のスタンダード・チャータード銀行で、20年以上にわたり、為替ディーラーとして活躍。現在は投資情報配信を主業務とする株式会社ADVANCE代表取締役。ドル、ユーロなどメジャー通貨のみならず、アジア通貨をはじめとするエマージング通貨でのディーリングについても造詣が深い。また、海外のトレーダー、ファンド関係者との親交も深い。ブログ「YEN蔵のFX投資術」、メルマガ「YEN蔵の市場便り」で個人投資家に対して為替に関する情報を発信しており、人気を博している。
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