<第155回調査>2022年4月28日
外為どっとコムの口座開設者のお客様を対象とした投資動向等に関するアンケート調査です。
分析・レポート監修
株式会社外為どっとコム総合研究所 調査部長 神田卓也
調査実施期間
2022年4月22日(金)13:00~2022年4月26日(火)24:00
調査対象
外為どっとコムの『外貨ネクストネオ』に口座を開設のお客様層。
調査方法
外為どっとコムの口座開設者にメールでアンケート回答URLを送付。
今回の有効回答数は737件。
※必要項目を全て入力して回答して頂いたお客様を「有効回答数」としました。
問1:今後1カ月間の米ドル/円相場の見通しについてお答えください
問2:今後1カ月間のユーロ/円相場の予想レートについてお答えください
問3:今後1カ月間の豪ドル/円相場の見通しについてお答えください
問4:今後1カ月間のポンド/円相場の見通しについてお答えください
問5:今後3カ月程度の期間で買いたい、もしくは強くなると思う通貨はどれですか
問6:今後3カ月程度の期間で売りたい、もしくは弱くなると思う通貨はどれですか
問7:米ドル高・円安が進んでいますが、米ドル/円相場は今年中にどこまで上昇すると思いますか
問8:仮に、今年中に米ドル高・円安の流れが反転するとしたら、そのきっかけは何だと思いますか?
今後の調査実施計画及び公表方針
問1:今後1カ月間の米ドル/円相場の見通しについてお答えください
「今後1カ月間の米ドル/円相場の見通し」については、「米ドル高・円安方向」と答えた割合が74.2%であったのに対し「円高・米ドル安方向」と答えた割合は13.2%であった。この結果「米ドル/円予想DI」は△61.0%ポイントとなり、2013年1月以来の高水準だった前月の△56.5%ポイントからプラス幅が拡大。2013年5月に記録した57.8%を上回り過去最高値を更新した。調査期間前後の米ドル/円相場は、127円台前半まで弱含む場面があったとはいえ20年ぶりの高値圏で高止まりした。3月以降1カ月半ほどの間に114円台から129円台へと急上昇したにも関わらず「押し目」が浅い事が、かえって個人投資家の先高期待を強めたようだ。
今後1カ月の米ドル/円相場の高値と安値の予想については、最高値が140.00円、最安値が117.00円となり、高値の平均値は131.84円、安値の平均値は124.93円であった。高値の中央値は131.00円、安値の中央値は125.00円で、前月から10円前後米ドル高・円安方向へシフトした。4月後半に入り、米ドル/円相場は調整含みの動きとなっているが、125円付近では下げ止まると見ている個人投資家が多いようだ。
※高値と安値が逆の回答や片方だけの回答などを無効とした上で、上位3%と下位3%の回答をカットしてデータを処理
問2:今後1カ月間のユーロ/円相場の予想レートについてお答えください
「今後1カ月間のユーロ/円相場の見通し」については、「ユーロ高・円安方向」と答えた割合が56.9%であったのに対し、「円高・ユーロ安方向」と答えた割合は15.7%であった。この結果、「ユーロ/円予想DI」は△41.2%ポイントとなり、前月の△17.4%ポイントからプラス幅が拡大した。調査期間前後のユーロ/円相場は、約7年ぶりの高値圏である139円台から135円台へと下落した。世界景気の減速を巡る懸念で主要国の株価が下落する中ではあったが、個人投資家はユーロ強気・円弱気の見通しを強めた事になる。
今後1カ月のユーロ/円相場の高値と安値の予想については、最高値が150.00円、最安値が125.00円となり、高値の平均値は142.17円、安値の平均値は134.27円であった。なお、高値の中央値は142.00円、安値の中央値は135.00円で、先月から8円前後ユーロ高・円安方向へシフトした。ユーロ/円相場は調査期間終了直後に135円台を割り込む場面があったが、この水準を当面の底値と見ている個人投資家は少なくないようだ。
※高値と安値が逆の回答や片方だけの回答などを無効とした上で、上位3%と下位3%の回答をカットしてデータを処理
問3:今後1カ月間の豪ドル/円相場の見通しについてお答えください
「今後1カ月間の豪ドル/円相場の見通し」については、「豪ドル高・円安方向」と答えた割合が58.1%であったのに対し、「円高・豪ドル安方向」と答えた割合は13.3%であった。この結果、「豪ドル/円予想DI」は△44.8%ポイントとなり、前月の△44.6%ポイントからほぼ横ばいだった。調査期間前後の豪ドル/円相場は、中国のロックダウン(都市封鎖)による景気減速懸念などが重しとなり高値圏から急落。94円台後半から90円台半ばへと下落した。
今後1カ月の豪ドル/円相場の高値と安値の予想については、最高値が110.00円、最安値が80.00円となり、高値の平均値は98.26円、安値の平均値は90.86円であった。なお、高値の中央値は98.00円、安値の中央値は91.00円だった。調査期間当初に回答した向きが多かったと見られ、最終日(26日)の急落によって、多くの個人投資家が想定していた下値を一時割り込む格好となった。ただ、その後は豪中銀(RBA)の早期利上げ期待で反発しており、当面は個人投資家の豪ドル強気スタンスが崩れる可能性は低そうだ。
※高値と安値が逆の回答や片方だけの回答などを無効とした上で、上位3%と下位3%の回答をカットしてデータを処理
問4:今後1カ月間のポンド/円相場の見通しについてお答えください
「今後1カ月間の英ポンド/円相場の見通し」については、「英ポンド高・円安方向」と答えた割合が54.4%であったのに対し、「円高・英ポンド安方向」と答えた割合は13.4%であった。この結果、「ポンド/円予想DI」は△41.0%ポイントとなり、前回の△29.4%ポイントからプラス幅が拡大した。調査期間前後の英ポンド/円相場は、167円台から160円前後へと急落。世界景気減速への懸念からリスク回避の動きが鮮明化した。そうした相場展開とは逆に、個人投資家の英ポンド強気見通しは強まった格好だ。
今後1カ月の英ポンド/円相場の高値と安値の予想については、最高値が180.00円、最安値が150.00円となり、高値の平均値は171.24円、安値の平均値は161.45円であった。なお、高値の中央値は170.00円、安値の中央値は160.40円だった。調査開始当初に回答した個人投資家が多かったと見られ、最終日の26日にはその多くが見込んでいた下値をあっさり下回る形となった。調査期間中の営業日はわずか3日だったが、その3日の間に7円以上もポンド安・円高に振れる動きは、さすがに想定外だったようだ。
※高値と安値が逆の回答や片方だけの回答などを無効とした上で、上位3%と下位3%の回答をカットしてデータを処理
問5:今後3カ月程度の期間で買いたい、もしくは強くなると思う通貨はどれですか
今後3カ月程度の期間で買いたい、もしくは強くなると思う通貨はどれですか(ひとつだけ)と尋ねたところ、「米ドル」と答えた割合が62.3%と最も多かった。次いで「円」が13.3%、「豪ドル」が6.0%と続き、さらに「ユーロ(3.3%)」、「英ポンド(3.0%)」、「トルコリラ(3.0%)」などと続いた。「米ドル」の回答割合は前回の53.4%からさらに上昇した。2位の「円」の割合はほぼ横ばいだったが、3位以下の通貨は軒並み低下した。ドルを選んだ理由を自由回答形式で尋ねたところ、今回も「FOMCの継続的な利上げ」や「ウクライナ情勢(有事のドル買い)」を挙げる向きが多かった。2位の「円」については「円安が進み過ぎたのでその反動」、「(日銀の)金融緩和に終わりが見えそう」などとする回答が目立った。
問6:今後3カ月程度の期間で売りたい、もしくは弱くなると思う通貨はどれですか
今後3カ月程度の期間で売りたい、もしくは弱くなると思う通貨はどれですか(ひとつだけ)と尋ねたところ、「円」と答えた割合が62.0%と最も多かった。次いで「米ドル」が11.4%、「ユーロ」が8.7%で、「豪ドル(4.5%)」、「トルコリラ(3.7%)」、「英ポンド(3.1%)」、などと続いた。「円」の回答割合は前月の40.9%から20ポイント超上昇した。「円」を選んだ理由について自由回答形式で尋ねたところ「日米金利差拡大」、「日本だけが金融緩和を継続している」、「(政府・日銀が)なんの対策もとる予兆がない」などとの声が挙がっていた。「(円安)トレンドは変えられない」、「要らない通貨」、「円が買われる理由がない」との回答もあった。
問7:米ドル高・円安が進んでいますが、米ドル/円相場は今年中にどこまで上昇すると思いますか
今回の特別質問として、「米ドル高・円安が進んでいますが、米ドル/円相場は今年中にどこまで上昇すると思いますか」と尋ねたところ、「130-132円」との回答が27.1%で最も多かった。次いで「134-136円」が20.8%で、以下「128-130円」が16.3%、「132-134円」が14.4%と続いた。「140円以上」とした向きも10.7%いた。調査期間直前に付けた約20年ぶりの高値129.40円前後は通過点に過ぎないとの見方が8割以上を占めている。最も買いたい通貨が「米ドル」で、最も売りたい通貨が「円」であるとする問5および問6の回答と整合的な結果であろう。
問8:仮に、今年中に米ドル高・円安の流れが反転するとしたら、そのきっかけは何だと思いますか?
今回のもうひとつの特別質問として、「仮に、今年中に米ドル高・円安の流れが反転するとしたら、そのきっかけは何だと思いますか?」と尋ねたところ、「政府・日銀の為替介入」が26.3%で最も多く、僅差で「日銀の金融政策正常化(26.2%)」が続いた。以下、「ウクライナ紛争による世界的なリスク回避(18.5%)」、「FRBの利上げ打ち止め(18.0%)」「米国の財政赤字を巡る懸念(6.4%)」の順になった。「その他(自由回答)(4.6%)」については「ウクライナ紛争終結による欧州通貨買い・ドル売り」、「急速なコロナ減少によってインバウンドが再開すれば」、「日米による協調為替介入」などが示された。
今後の調査実施計画及び公表方針
本調査も第155回目となりました。調査開始から11年が経過し、データの蓄積が進んできました。今後については、毎月定点観測で実施する調査結果を基に、予想DIの時系列比較から見出せるFX投資家の相場観の変化やその傾向などのほか、中長期的な視点に基づいたFX投資家の投資スタイルの変化などの考察も進めて行きたいと考えています。なお、毎月の本調査においては、公表扱いとしている質問項目及び回答結果の他に、「投資家の属性」、「取引頻度」、「取引規模」、「取引時間帯」、「投資選好」など、投資家実態を把握するために必要な各種の質問項目も設けて集計しています。それらの回答結果を用いた投資家の実態報告や属性別のクロス・セクション分析等については、当研究所が1年に1回、毎年年央以降に公表する「外為白書」で紹介する予定です。
神田 卓也(かんだ・たくや)
1991年9月、4年半の証券会社勤務を経て株式会社メイタン・トラディションに入社。 為替(ドル/円スポットデスク)を皮切りに、資金(デポジット)、金利デリバティブ等、各種金融商品の国際取引仲介業務を担当。 その後、2009年7月に外為どっとコム総合研究所の創業に参画し、為替相場・市場の調査に携わる。2011年12月より現職。 現在、個人FX投資家に向けた為替情報の配信を主業務とする傍ら、相場動向などについて、経済番組専門放送局の日経CNBC「朝エクスプレス」や、ストックボイスTV「東京マーケットワイド」、ニッポン放送「飯田浩司のOK! Cozy up!」などレギュラー出演。マスメディアからの取材多数。WEB・新聞・雑誌等にコメントを発信。
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