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FX/為替見通し「ユーロ調整は未完了、ポンドはインフレ指標がかえって下押し材料に」週刊為替レポート ハロンズ増刊号 ユーロ&ポンド 2022年04月10日

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執筆:外為どっとコム総合研究所 小野 直人

目次

執筆日時 2022年04月08日 15時00分

ユーロ調整は未完了、ポンドはインフレ指標がかえって下押し材料に

04月04日週のユーロ/円とポンド/円は小動き

欧米の対ロ追加制裁が域内の成長を圧迫するとの不安がユーロ/円の上値を抑えた一方で、ドル/円が124円台へ切り返したほか、ECB(欧州中央銀行)の金融緩和解消への期待が交錯して、ユーロ/円は134.294-135.678円と比較的限られた値幅で振幅しました。ポンド/円は円安を手掛かりに162.353円(執筆時点)まで切り返しましたが、先行き不安から上昇の勢いは限定されました。

ロシア制裁強化は諸刃の剣

欧州は、ロシア軍によるウクライナでの残虐行為に対し、ロシア産の石炭輸入禁止などを含め200億ユーロ(約2兆7000億円)規模の追加制裁を決定しました。石炭については、実質的開始が8月半ば見込まれるため、直ちに影響が広がるか判断は難しいのですが、制裁が今後のエネルギーコスト上昇や成長への向かい風になるのは必至で、見通しへの不確実性は増大しています。かたや、こうした状況下で開催される、14日のECB理事会でこれまでのAPP(従来の資産購入プログラム)の終了時期(7-9月期)についてどのような判断が下されるのか注目です。ECBのタカ派化が進めば、ユーロは下げ渋りから戻りを試す期待はあります。

しかし、関係各所から現時点でタカ派なメッセージは経済を崩壊させると危惧する声も聞かれるなど、行き過ぎたタカ派メッセージは成長減速から、ユーロ売りを促す危険もあります。逆に成長への配慮がにじみ出れば直近のサポート材料が剥落してユーロ調整がもう一段進むことも想定されます。もっとも、この場合は成長見通しへの安堵感から次第にユーロが持ち直しそうです。ECB直後の動きはあえて無視して、その後の動向をしっかりと見極めた上でエントリーポイントを設定すべきでしょう。

また、10日に1回目の投票を迎える仏大統領選挙では、極右のルペン氏が追い上げてきています。依然として、マクロン氏がリードしている状況に変わりはありませんが、ロシア寄りとされるルペン氏躍進がNATO(北大西洋条約機構)の結束に亀裂を生む危険もあり、一応、注意したいです。

BOEへの期待は盛り上がりづらそう

BOE の3 月会合を受けて、市場では積極的に利上げを進めるとの見方は後退しているものの、英国のインフレ圧力は収束する気配がありません。4月から公共料金の値上げも始まったなかで3月の物価動向が想定上に上振れすれば、BOEが5月も利上げに踏み切るとの見方が進みそうです。来週発表されるインフレ指標の上振れには注意が必要です。もっとも、英国の実質賃金の伸びが限定的で物価の上振れは成長鈍化に直結する環境に陥りやすいため、大幅なリバウンドは想定しにくいです。その点では、BOEへの継続的なタカ派期待は高まりづらそうです。跳ね上げたところは冷静に売りで対処する局面ではないでしょうか。

ユーロ/円は下向き方向、ポンド円は162.200円レベルの動向注視

ユーロ/円は134.300円付近で下げ渋り戻りを試す格好になっていますが、上向きの勢いはそれほど感じられず、3月の上昇トレンドの調整が済んだようには見受けられません。3月値幅(13.134円)の61.8%となる132.510円レベルまでの調整があっても不思議はありません。
かたやポンド/円も、戻りを試す形になっていますが、3月28・29日の終値レベル162.200円で上値がキャップされ始めているのが気になります。このまま押し戻されれば、ダブルトップ形成が意識されて、21日線が推移する159.134円(執筆時点)近辺まで調整が進む可能性はあります。162.200円付近の動向に注目です。

【ユーロ/円チャート 日足】

ユーロ/円チャート 日足

出所:外為どっとコム「外貨ネクストネオ」
予想レンジ:EUR/JPY:132.500-136.000

【ポンド/円チャート 日足】

ポンド/円チャート 日足

出所:外為どっとコム「外貨ネクストネオ」
予想レンジ:GBP/JPY:159.000-164.000

04/11 週のイベント

04/11(月) 15:00 イギリス 2月月次国内総生産(GDP)
04/11(月) 15:00 イギリス 2月鉱工業生産
04/11(月) 15:00 イギリス 2月製造業生産指数
04/12(火) -ドイツ 2年債入札
04/12(火) 15:00 ドイツ 3月消費者物価指数(CPI、改定値)
04/12(火) 15:00 イギリス 3月失業率
04/12(火) 15:00 イギリス 2月失業率(ILO方式)
04/12(火) 18:00 ドイツ 4月ZEW景況感調査
04/12(火) 18:00 ユーロ 4月ZEW景況感調査
04/13(水) -ドイツ10年債入札
04/13(水) 15:00 イギリス 3月消費者物価指数(CPI)
04/13(水) 18:00 ユーロ 2月鉱工業生産
04/14(木) 20:45 ユーロ 欧州中央銀行(ECB)政策金利
04/14(木) 21:30 ユーロ ラガルド欧州中央銀行(ECB)総裁、定例記者会見

一言コメント

今年に入って各地で震度4以上の地震が頻発しています。しかも、東日本では日高地方東部、岩手沖、福島沖、東京とほぼ一直線上に震源が並んでいます。こればっかりは、注意しても防ぎようはないのですが、せめて慌てずに行動できるように心がけたいです。

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