総括
FX「長い上ヒゲでも底堅い。好材料続く。3月28日の高値8.619が上値抵抗」南アランド見通し
通貨首位、株価5位
予想レンジ 南アランド円 8.2-8.7
(ポイント)
*先週は月28日の高値8.619には届かず
*ラマポーザ大統領が「国家的災害事態」宣言の終了を発表
*好材料続く(格付け見通し引き上げ、貿易黒字継続、アブサ製造業PMI改善に続き、先週のS&Pの3月PMIや2月企業信頼感指数も改善)
*南アへの投資は順調に進む
*中国・南ア首脳会議が行われた
*失業率は35%と高い
*内閣不信任案は否決
*平均月収は約20万円
*政策金利は3対2で0.25%利上げ(反対派は0.5%利上げ)
*ランドが強い遠因は中国、近因はウクライナ危機
*インフレは3-6%のインフレ目標に収まっている
(3月28日の高値8.619には届かず)
3月28日に長い上ヒゲ、3月28日週も長い上ヒゲを出し、売り圧力がかかると思ったが、意外とこじっかり推移した。ランドは対ドルでは小動きであったが、円が安いため週間では上昇した。ただ3月28日の高値8.619までは届かなかった。
(好材料続く、懸念は35%の失業率)
格付け見通し引き上げ、貿易黒字継続、アブサ製造業PMI改善に続き、先週のS&Pの3月PMIや2月企業信頼感指数も改善し好調さを示している。ラマポーザ大統領が「国家的災害事態」宣言の終了を発表したことで、さらに経済活動は正常化していくだろう。世界的な資源価格の高騰が資源国南アを支えている。また「第4回南アフリカ投資会議」を開催し5年間で1兆2,000億ランドの新規投資を国内外から呼び込むことを目標としている。ANCの支持率は低下しているが、ラマポーザ大統領はよくやっているのではないか。懸念材料は35%となった高失業率だ。金融政策はやや引き締め気味で信頼感がある。
(南アで投資会議を開催、80社が投資を約束)
3月24日にヨハネスブルクで「第4回南アフリカ投資会議」を開催した。招待客約1,000人が会場に集まった。ラマポーザ大統領は、5年間で1兆2,000億ランドの新規投資を国内外から呼び込むことを目標としており、民間によるこれまでの投資実績や政府による経済改革の進捗について発表した。
過去3回の会議で総額7,740億ランドに上る152社が投資を約束している。新型コロナウイルス感染の影響で延期された案件があるものの、既に45件は投資が完了し、57件が現在進行中だ。投資済み案件の代表例の1つとして、同国初のハイブリッド車「カローラ クロス」を製造するトヨタが挙げられていた。
今回の投資会議では80社が投資を約束し、新規投資予定額は3,320億ランドと、2020年会議での1,096億ランドの約3倍になった。
(国家的災害事態宣言の終了)
ラマポーザ大統領は4月4日の国民演説で、「国家的災害事態」宣言を同日付で終了するとした。本宣言は、新型コロナウイルス感染拡大防止への迅速な対応や救援措置を実施するために、2020年3月15日から約2年にわたり適用されてきた。
(今週は)
今週は2月小売売上の発表があるが予想は減速気味だ。
テクニカル分析(ランド/円)
ボリバン2σ上限から反落も8.40あたりで横ばい推移
日足、ボリバン2σ上限から反落。5日線上向き、20日線上向き。4月7日-8日の上昇ラインがサポート。3月28日-4月8日の下降ラインが上値抵抗。
週足、ボリバン3σ上限に達す。3月28日週-4月4日週の上昇ラインがサポート。3月28日週-4月4日週の下降ラインが上値抵抗。
月足、雲の上に上昇、一気にボリバン2σ上限越える。21年10月-22年2月の下降ラインを上抜く。1月-3月の上昇ラインがサポート。
年足、21年はかろうじて陽線。22年も陽線スタート。18年-21年の下降ラインを上抜く。20年-21年の上昇ラインがサポート。
喜望峰
国連総会決議への投票を棄権
南アは、ウクライナの侵略に対する罰としてロシアを国連人権理事会から一時停止する国連総会決議への投票を棄権した58カ国の1つであった。
ラマポーザ大統領は、強力な国が時には壊滅的な決定を下すために国連安全保障理事会を鋭く批判した。「国連安全保障理事会の現在の形成は時代遅れで代表的ではない」と発言した。「それは発展途上国のある国々に不利益をもたらす」とした。南アは、ウクライナでの紛争に対して非同盟の立場を維持しており、国際的な怒りと非難にもかかわらず、紛争を終わらせるための最良の選択肢として交渉を促している。
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