ポンドのFXデイトレードを行ううえで、インプットしておきたいトレードシナリオなどをギュッとまとめました。
執筆:外為どっとコム総合研究所 中村 勉
Twitter:@gaitamesk_naka
目次
今日のポンド トレードシナリオ
ここまでの相場
・北アイルランド議定書を巡り1月24日にシェフチョビッチEU副委員長とトラス英外相が面談をし、建設的な協議が出来たとのこと。今後も問題解決に向け協議を続けることになった。
・3月17日にイングランド中銀(BOE)は政策金利を0.75%に利上げ。
・金融政策委員会(MPC)メンバーの9人中1人は据え置きを支持。
・英1月失業率(ILO方式)は3.9%と前回(4.1%)から改善。賃金上昇率も3.8%と予想、前回(ともに3.7%)を上回った。
・英2月消費者物価指数(CPI)は前年比+6.2%と予想の同+6.0%と前回の英1月消費者物価指数(前年比+5.5%)からインフレは更に加速となった。
・英2月小売売上高(除自動車)は前年比+4.6%と前言つの同7.2%から減速。
・ロシアのウクライナ情勢への侵攻を受けて英国などの主要国はロシアをSWIFT(国際銀行間通信協会)から排除。
・英国は3月7日に、プーチン大統領を支えるロシアの新興財閥などをロンドンの金融市場から締め出すことを念頭に置いた経済犯罪法を導入。
・日銀2022年2月14日以来の指値オペを通告(3月28日)。
今日のメインシナリオ
日銀指値オペにより円安加速。ポンド円は約6年ぶりの162円台間近。
28日の東京時間は日銀が連続指値オペの実施と3月29日-31日にも指値オペ実施する通知をしたことで円全面安の展開に。ポンド/円は2016年5月31日以来、約5年10カ月りとなり162.82円付近まで円売り、ポンド高となった。本日はベイリーBOE総裁の発言が予定されている。前回のBOE会合(3月17日)ではMPCメンバー内の意見も若干だがハト派に傾きつつあることが確認された。その後、英国内でのインフレがさらに加速していることが確認されたため、ベイリー総裁の発言内容がハト派的と市場が認識すればポンド売り要因となる。ただし日銀が連続指値オペの実施を通知している現状ではポンド/円は下落しても買い場となりそうだ。
個別の想定シナリオ
■ベイリーBOE総裁が英国内のインフレ加速を警戒してハト派的発言
⇒BOEの利上げペース減速警戒でポンド売り
⇒日銀は31日まで連続指値オペを通知
⇒強い円売り(円安)要因
⇒ポンド/円の下落は限定的
チャート分析
注目材料
ベイリーBOE総裁、発言(20:00)
日銀の連続指値オペ通知(3月29日-31日)
「ぴたんこテクニカル」の「お天気シグナル」
外為どっとコムのテクニカル分析ツール「ぴたんこテクニカル」の「お天気シグナル」ではポンド/円は雨、ポンド/米ドルは晴れとなっている。ポンド/米ドルのストキャスティクスは17時に買いサインが点灯。
【情報提供:外為どっとコム】
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中村 勉(なかむら・つとむ)
米国の大学で学び、帰国後に上田ハーロー(株)へ入社。 8年間カバーディーラーに従事し、顧客サービス開発にも携わる。 2021年10月から(株)外為どっとコム総合研究所へ入社。 優れた英語力とカバーディーラー時代の経験を活かし、レポート、X(Twitter)を通してFX個人投資家向けの情報発信を担当している。
経済番組専門放送局ストックボイスTV『東京マーケットワイド』、ニッポン放送『飯田浩司のOK! Cozy up!』などレギュラー出演。マスメディアからの取材多数。
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