FX/為替「円安進むもFX個人投資家は『日銀の利上げ』見込まず。一方で豪欧中銀は年内利上げを予想」外為短観 第154回

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<第154回調査>2022年3月25日

外為どっとコムの口座開設者のお客様を対象とした投資動向等に関するアンケート調査です。

分析・レポート作成
外為どっとコム総合研究所

調査実施期間
2022年3月18日(金)13:00~2022年3月22日(火)24:00

調査対象
外為どっとコムの『外貨ネクストネオ』に口座を開設のお客様層。

調査方法
外為どっとコムの口座開設者にメールでアンケート回答URLを送付。
今回の有効回答数は711件。
※必要項目を全て入力して回答して頂いたお客様を「有効回答数」としました。

問1:今後1カ月間の米ドル/円相場の見通しについてお答えください
問2:今後1カ月間のユーロ/円相場の見通しについてお答えください
問3:今後1カ月間の豪ドル/円相場の見通しについてお答えください
問4:今後1カ月間のポンド/円相場の見通しについてお答えください
問5:今後3カ月程度の期間で買いたい、もしくは強くなると思う通貨はどれですか
問6:今後3カ月程度の期間で売りたい、もしくは弱くなると思う通貨はどれですか
問7-a:ニュージーランド、英国、カナダ、米国などで政策金利を引き上げる動きが相次いでいます。欧州中銀(ECB)の利上げ時期はいつになると予想しますか
問7-b:豪中銀(RBA)の利上げ時期はいつになると予想しますか
問7-c:日銀の利上げ時期はいつになると予想しますか
今後の調査実施計画及び公表方針

問1:今後1カ月間の米ドル/円相場の見通しについてお答えください

今後1カ月間の米ドル/円相場の見通し

 「今後1カ月間の米ドル/円相場の見通し」については、「米ドル高・円安方向」と答えた割合が71.7%であったのに対し「円高・米ドル安方向」と答えた割合は15.2%であった。この結果「米ドル/円予想DI」は△56.5%ポイントとなり、2013年1月以来の高水準を記録。前月の△19.4%ポイントからプラス幅が大幅に拡大した。調査期間前後の米ドル/円相場は、日米金融政策の方向性の違いが意識され長期金利の格差が拡大する中、6年1カ月ぶりに121円前後までドル高・円安が進んだ。米連邦準備制度理事会(FRB)が早ければ5月にも利上げペースを加速させるとの見方も出る中で、個人投資家の米ドル/円相場に対する強気度合いが一段と上昇したようだ。
 今後1カ月の米ドル/円相場の高値と安値の予想については、最高値が180.00円、最安値が98.00円となり、高値の平均値は120.24円、安値の平均値は116.10円であった。高値の中央値は120.00円、安値の中央値は116.50円で、前月より米ドル高・円安方向へシフトした。米ドル/円相場の「上値のメド」は120.00円と想定していた個人投資家が多かったが、相場は比較的あっさりとこの水準を上抜ける格好となった。多くは米ドル/円相場が118-119円台で推移していた調査期間の前半に回答していたと見られる。

今後1カ月間の米ドル/円予想レート

問2:今後1カ月間のユーロ/円相場の見通しについてお答えください

今後1カ月間のユーロ/円相場の見通し

 「今後1カ月間のユーロ/円相場の見通し」については、「ユーロ高・円安方向」と答えた割合が43.7%であったのに対し、「円高・ユーロ安方向」と答えた割合は26.3%であった。この結果、「ユーロ/円予想DI」は△17.4%ポイントとなり、前月の▼7.7%ポイントからプラス(強気)に転じた。調査期間前後のユーロ/円相場は、131円台から133円台へと急伸。ウクライナ情勢を巡る懸念がいくぶん和らぐ中、欧州中銀(ECB)の金融政策正常化が意識された事で個人投資家の見通しが強気化したようだ。
 今後1カ月のユーロ/円相場の高値と安値の予想については、最高値が170.00円、最安値が100.00円となり、高値の平均値は133.95円、安値の平均値は127.13円であった。なお、高値の中央値は133.50円、安値の中央値は128.00円だった。こちらも、調査期間の前半に相場が131円台で推移していた時点で回答した向きが多かったと見られる。なお、調査終了翌日の23日には133.89円前後までユーロ高・円安が進み、2021年6月以来約9カ月ぶりの高値を付けた。

今後1カ月間のユーロ/円予想レート

問3:今後1カ月間の豪ドル/円相場の見通しについてお答えください

今後1カ月間の豪ドル/円相場の見通し

 「今後1カ月間の豪ドル/円相場の見通し」については、「豪ドル高・円安方向」と答えた割合が58.1%であったのに対し、「円高・豪ドル安方向」と答えた割合は13.5%であった。この結果、「豪ドル/円予想DI」は△44.6%ポイントとなり、前月の△9.5%ポイントからプラス幅が大幅に拡大した。調査期間前後の豪ドル/円相場は、引き続き資源価格の上昇が追い風となり87円台から90円台へと上昇した。豪中銀(RBA)の早期利上げへの期待も相まって個人投資家の豪ドル強気・円弱気姿勢が一層強まったと見られる。
 今後1カ月の豪ドル/円相場の高値と安値の予想については、最高値が157.00円、最安値が67.00円となり、高値の平均値は89.56円、安値の平均値は83.73円であった。なお、高値の中央値は89.00円、安値の中央値は85.00円だった。調査期間最終日に一気に2円超急伸した影響がここにでも出たと考えられる。この急騰は多くの個人投資家にとって「想定外」だったようだ。

豪ドル/円予想レート

問4:今後1カ月間のポンド/円相場の見通しについてお答えください

今後1カ月間のポンド/円相場の見通し

 「今後1カ月間の英ポンド/円相場の見通し」については、「英ポンド高・円安方向」と答えた割合が47.3%であったのに対し、「円高・英ポンド安方向」と答えた割合は17.9%であった。この結果、「ポンド/円予想DI」は△29.4%ポイントとなり、前回の△4.6%ポイントからプラス幅が大幅に拡大した。調査期間前後の英ポンド/円相場は、155円台後半から160円台前半へと急上昇。日銀が大規模緩和を維持する方針を強調した一方で、英中銀(BOE)は調査期間前に追加利上げに動いた。こうした金融政策の方向性の違いが個人投資家の英ポンド強気・円弱気見通しに拍車をかけたと考えられる。
 今後1カ月の英ポンド/円相場の高値と安値の予想については、最高値が200.50円、最安値が100.00円となり、高値の平均値は160.18円、安値の平均値は152.33円であった。なお、高値の中央値は160.00円、安値の中央値は153.00円だった。個人投資家の英ポンド/円相場に対する見通しは強気度合いが急上昇したものの、相場の急上昇には追い付けなかった格好だ。どの通貨ペアにも言える事だが、多くの個人投資家が上値のメドとしていた水準を僅かの時間で突破している。それほど相場の上昇ピッチが速かったという事だろう。

ポンド/円予想レート

問5:今後3カ月程度の期間で買いたい、もしくは強くなると思う通貨はどれですか

今後3カ月程度の期間で買いたい、もしくは強くなると思う通貨

今後3カ月程度の期間で買いたい、もしくは強くなると思う通貨はどれですか(ひとつだけ)と尋ねたところ、「米ドル」と答えた割合が53.4%と最も多かった。次いで「円」が13.2%、「豪ドル」が11.5%と続き、さらに「英ポンド(4.6%)」、「ユーロ(4.5%)」、「メキシコペソ(2.7%)」などと続いた。前回調査から順位に変化はなかったが、「米ドル」の回答割合が46.3%から53.4%に増加したのが目立った。ドルが最も強くなる理由を尋ねたところ、「FOMCの継続的な利上げ」や「ウクライナ情勢(有事のドル買い)」を挙げる向きが多かった。「豪ドル」も前回から回答割合が増加した数少ない通貨のひとつだった。その理由として「資源価格の上昇による貿易黒字」との声や「ウクライナから地理的に遠い資源国」との声が挙がっていた。

問6:今後3カ月程度の期間で売りたい、もしくは弱くなると思う通貨はどれですか

今後3カ月程度の期間で売りたい、もしくは弱くなると思う通貨

今後3カ月程度の期間で売りたい、もしくは弱くなると思う通貨はどれですか(ひとつだけ)と尋ねたところ、「円」と答えた割合が40.9%と最も多かった。次いで「ユーロ」が21.8%、「米ドル(11.1%)」、「トルコリラ(7.5%)」、「中国人民元(6.9%)」、「英ポンド(3.9%)」、などと続いた。こちらも順位に変動はなかったが、「円」の回答割合が32.5%から40.9%へと上昇した。「円」が最も弱くなる理由を尋ねたところ「(日銀の)ゼロ金利政策」、「金利格差」、「資源高で貿易赤字拡大」などの声が挙がったほか、「4-6月は海外投資が増える」との指摘や「円高になる要素がない」との見方も出ていた。

問7-a:ニュージーランド、英国、カナダ、米国などで政策金利を引き上げる動きが相次いでいます。欧州中銀(ECB)の利上げ時期はいつになると予想しますか

ECBの利上げ時期予想

今回の特別質問aとして、「欧州中銀(ECB)の利上げ時期はいつになると予想しますか」と尋ねたところ、「2022年7-9月」との回答が25.7%で最も多かった。次いで「22年4-6月(18.4%)」となり、以下「22年10-12月(14.5%)」、「当面利上げしない(11.1%)」、「23年1-3月(5.1%)」、「23年4月以降(4.6%)」と続いた。2022年内にECBが利上げを開始するとの見通しが多かった(合算58.6%)一方、当面利上げはしないとの見方や、利上げは2023年にずれ込むとの見方(合算9.7%)は比較的少ない事がわかった。こうしたECBの利上げに対する期待が、個人投資家のユーロ/円相場の見通しを強気化させた理由のひとつと考えられる。

問7-b:豪中銀(RBA)の利上げ時期はいつになると予想しますか

RBAの利上げ時期予想

今回の特別質問bとして、「豪中銀(RBA)の利上げ時期はいつになると予想しますか」と尋ねたところ、「2022年7-9月」との回答が25.3%で最も多かった。次いで「22年4-6月(21.7%)」となり、以下「22年10-12月(14.2%)」、「当面利上げしない(7.9%)」、「23年1-3月(4.5%)」、「23年4月以降(2.4%)」と続いた。2022年内にRBAが利上げを開始するとの予想は合算で61.2%に上り、ECBの58.6%を上回った。また、RBAが「当面利上げしない」の割合はECBより低かった。個人投資家のRBAに対する利上げ期待は、ECBへの期待を上回っていると言えるだろう。

問7-c:日銀の利上げ時期はいつになると予想しますか

日銀の利上げ予想時期

今回の特別質問cとして、「日銀の利上げ時期はいつになると予想しますか」と尋ねたところ、「当面利上げしない」が52.3%に上り過半数を占めた。次いで「2022年10-12月(8.2%)」、「23年4月以降(7.3%)」、「23年1-3月(6.9%)」、「22年7-9月(6.2%)」、「22年4-6月(4.4%)」と続いた。個人投資家の日銀に対する利上げ期待は、他中銀に比べきわめて低い事が改めてわかった。日銀が「政策金利は現在の水準またはそれを下回る水準で推移すると想定している」として金融緩和を維持する姿勢を示している事が個人投資家にも浸透している事がわかる。問1~4で示された米ドル/円やクロス円の強気見通しは、円に対する弱気見通しでもあると言えそうだ。

今後の調査実施計画及び公表方針

本調査も第154回目となりました。調査開始から12年が経過し、データの蓄積が進んできました。今後については、毎月定点観測で実施する調査結果を基に、予想DIの時系列比較から見出せるFX投資家の相場観の変化やその傾向などのほか、中長期的な視点に基づいたFX投資家の投資スタイルの変化などの考察も進めて行きたいと考えています。なお、毎月の本調査においては、公表扱いとしている質問項目及び回答結果の他に、「投資家の属性」、「取引頻度」、「取引規模」、「取引時間帯」、「投資選好」など、投資家実態を把握するために必要な各種の質問項目も設けて集計しています。それらの回答結果を用いた投資家の実態報告や属性別のクロス・セクション分析等については、当研究所が1年に1回、毎年年央以降に公表する「外為白書」で紹介する予定です。

主要3通貨ペア予想DIの推移

主要通貨ペアのレートとDI

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