※本日(3/1)の動画 FX/為替予想「ウクライナ侵攻ショック消化済み?ユーロは一旦底打ちか ドル/円週足で113円割れたら円高リスクに注意」2022/3/1(火)川合美智子より一部抜粋
目次
▼短期はウクライナ情勢 停戦協議の行方を睨んで不安定な動き
▼中期は米金融政策・インフレ動向が最大の焦点
▼株式相場のさらなる下落には注意
▼まとめ
短期はウクライナ情勢 停戦協議の行方を睨んで不安定な動き
ウクライナ情勢について、短期的にはここ1~2週間が勝負であり、ウクライナ情勢が停戦協議に発展する、またはウクライナが中立化の意思を表明する、もしくはロシアがウクライナが無力化するまで攻め込む可能性が高い。「すぐにウクライナに進攻しない」との見方が覆されたショックは、市場では消化された可能性が高いと見る。引き続き停戦協議の行方をにらんで不安定な動き、特にユーロは上下動を繰り返す可能性が高い。
ロシアに対する経済制裁、銀行との取引(SWIFT)を使用できないようにする、資産の凍結について、欧米と日本は発表済みでサプライズは低い。
欧米についても、NATO加盟国でないウクライナを武力で守るとはならないので、軍事行動を起こす可能性はない。ウクライナも武器供与は受けて反攻の意思は示しているものの戦力が限られており、停戦合意で折り合いをつける展開を見込む。
中期は米金融政策・インフレ動向が最大の焦点
1~2週間後以降は、米金融政策でインフレが押さえられるかが焦点。3月FOMCでの利上げ幅が注目されるが、もし利上げが決定されれば、材料消化でこれまでの「ドル高」「金利上昇」の流れがが落ち着く可能性と共に、有事のドル買いも落ち着くのでは。
株式相場のさらなる下落には注意
その後は、株式相場が底打ち反転できるか、つまり、好調な企業業績を背景に下落前の水準に戻せるか、米経済がしっかりしているかが焦点。
今のところ消費もしっかりしており、雇用市場も労働賃金がインフレに応じて上昇している。FRBの金融政策も正常化に向けて動き出すというスタート時点にたっており、7月までに1%まで利上げする可能性も排除せずと、好調な経済と金融政策でインフレを何とか抑え込めるとのシナリオが描ける状況である。
しかし、株式市場が下落トレンドを覆せない、インフレ率が高止まりとなるようだと、経済への影響が懸念される。
ロシアに対する経済制裁を行うが、ロシアは欧州、特にドイツに天然ガスを輸出していることから、欧州経済にも注意が必要。制裁によりロシア経済が一段と苦しくなると、債務不履行がクローズアップされる恐れもある。そうなると、有事のドル買いか、米経済・消費の落ち込みがドル売りにつながる、と言った可能性も出てくる。
まとめ
・短期(1-2週間)ではでユーロは底を打った可能性がある
・それより先は、米金融政策と景気・インフレ動向に注意
【ドル/円(USD/JPY)】
ドル円 為替チャート・FXチャート | 外為どっとコムのFX |
【ユーロ/円(EUR/JPY)】
ユーロ/円 為替チャート・FXチャート | 外為どっとコムのFX |
外国為替ストラテジスト
旧東京銀行(現、三菱UFJ銀行)在勤の1980年より、テクニカル分析の第一人者、若林栄四氏の下でテクニカル分析を研究、習得する。同行退職後、1998年まで在日米銀などでカスタマー・ディーラーや外国為替ストラテジスト、資金為替部長を歴任。現在は外国為替ストラテジストとして、テクニカル分析に基づく為替相場レポートを発信中。各種メディアへの出演も多数。
本サイトに掲載する情報には充分に注意を払っていますが、その内容について保証するものではありません。また本サービスは、投資判断の参考となる情報の提供を目的としたものであって、投資勧誘を目的として提供するものではありません。投資方針や時期選択等の最終決定はご自身で判断されますようお願いいたします。なお、本サービスの閲覧によって生じたいかなる損害につきましても、株式会社外為どっとコムは一切の責任を負いかねますことをご了承ください。