▼今週の振り返り
▼来週、再来週の見通し-勝負は29日から?
▼ざっくり2022年の見通し
▼テクニカル的には…
▼12/27、1/3 週のイベント
▼一言コメント
豪雇用統計が良くても、米ドル1強!?
今週の振り返り
今週は新型コロナオミクロン株に対して「重症率は従来のものより低い」、「ワクチンの有効性を示すデータ」など楽観的な見解が広がり、リスクオフが後退。リスクセンチメントの改善を受け株価や資源価格が反発し、豪ドルやNZドルは大きく買い戻される結果となりました。また、連日のように史上最安値を更新していたトルコリラがトルコ政府の奇策を受けて対トルコリラで米ドル売りが持ち込まれたことも豪ドルを支える要因となりました。
来週、再来週の見通し-勝負は29日から?
日本ではクリスマスが終わり世間は年末ムードが漂い始めます。ただ、それはあくまでも日本での話。海外勢は1月1日こそNewYearsDayと言うものの、日本の様などこかまったりした特別感はありません。むしろ、外国為替市場ではクリスマス休暇から帰ってきた外国勢はやる気満々。しかも来年は1月1日が土曜日なので海外勢からするとただの土日同然です。特に英連邦勢が休暇から戻ってくる29日からは通常通りと考えてよいでしょう。ただ、3日の東京時間は東京勢のほかに、中国、豪、NZが祝日休場で市場参加者が激減しています。2019年のフラッシュクラッシュの再来なんてこともあり得ますので要注意です。
来週、再来週は豪、NZ、そして中国と主要な経済指標の発表はほぼなし。オミクロン株やウクライナ情勢を主眼としたリスクセンチメントのオンオフがオセアニア通貨の動きを主導することとなりそうです。
ざっくり2022年の見通し
9月から掲載を開始した週刊ハロンズ。年内は今号が最終号となりますので、少し早いですがざっくりとした来年の見通しです。原油価格は既に落ち着きを取り戻していますので、今年の後半にあったような供給懸念が台頭する可能性は低いと思います。ただ、ウクライナ情勢が気になります。西欧諸国とロシアとの間で緊張が高まる、もしくは事が起こってしまうと原油価格も跳ね上がる可能性があります。理由としては、①OPECプラス加盟のロシアの産油量は世界3位(2019年)主な輸出先は欧州と中国。②ドイツでは現在6基の原子力発電所が操業しているが、今年3基来年に残りの3基が操業を停止する予定となっています(操業停止を延期する気配もなし)。必然的にドイツではロシア産の天然ガスへの依存度が高まっていますが、状況次第ではドイツでのエネルギー不足問題が原油価格に飛び火ということも考えられます。そういった観点からもウクライナ情勢は警戒しておいた方が良いと思います。
デルタ株、オミクロン株と今年(特に下半期)は新型コロナの変異株が何かと話題になりました。また新たな変異株の出現もあるかもしれません。こういったリスク要因が台頭しなければ、世界経済の回復や豪経済の力強い回復を支えに豪準備銀行(RBA)の利上げ期待も膨らむのではないでしょうか。現時点でRBAは「2022年に利上げの条件を満たすことはない」との姿勢を崩していませんが、市場では8月利上げ観測が強まっています。先日の豪雇用統計の強い結果もあり、豪の労働市場の回復速度もRBAの予想を上回っています。労働市場が逼迫するにつれて、賃金上昇圧力も強まりますので、利上げ時開始時期の前倒し予想は理にかなっているのではないでしょうか。
テクニカル的には…
日足一目・雲下限、200日移動平均線を上抜けました。10/21高値と12/3安値を繋いだフィボナッチリトレースメントの61.8%戻しの83.40円や、雲上限が次の上値目途となります。この雲の上限が12/30以降に急降下しています。仮に現在の水準(82円台後半)で推移していくと、すでに達成している①転換線が基準線の上のほかに、②遅行線がローソク足を上抜け、③ローソク足が雲の上。と三役好転、買いサインが年末年始に点灯する可能性が高いです。その場合、雲のねじれも手伝って買いが加速する可能性有です。ただし、市場参加者が減少しているこの時期のねじれなので相場急変の可能性もありますので要注意です。一方で下値は今週安値の80.27円や12/3安値の78.78円。この水準には9/22安値の78.85円もありますので、かなり意識されていそうです。ここを下抜けられれば8/20の77.89円を目指す展開となりそうです。
【豪ドル/円 日足チャート 一目均衡表、200MA】
予想レンジ:
AUD/JPY:80.00-85.00、NZD/JPY:76.00-81.00
12/27、1/3 週のイベント:
12/27 (月)、28(火) 豪、NZ 祝日
12/31 (金) 10:00 中国 12月製造業購買担当者景気指数(PMI)
01/03 (月) 豪、NZ、中 祝日
01/04 (火) NZ 祝日
執筆:中村 勉
Twitter:@gaitamesk_naka
一言コメント:
今年は新型コロナ感染拡大の影響からNYのカウントダウンも規模を縮小して行われるようです。2000年と2001年に現地に行きましたが、15時頃から並んでも催し物も何もなし。ある程度人数が入ったらブロックが封鎖されてしまうのでトイレにも行けず…5分くらい前から少し催し物があり、カウントダウンして、花火バーン、はい終わり!って感じでした。年末年始は日本の雰囲気の方が良いです。ハロンズは今号が年内最終号です。次回は1月8日号となりますのでお楽しみに!年内は29日にストックボイスに出演します。何話そう…
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