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FX「豪はロックダウン解除で大リバウンド!?」週刊為替レポート ハロンズ 豪、NZ 2021年10月16日

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豪はロックダウン解除で大リバウンド!?

今週の振り返り

前週金曜日(8日)に発表された米雇用統計の結果から、11月のFOMCでのテーパリング開始への思惑が強まり金利先高観から米長期金利利回りが上昇したことでドル円が2018年12月以来の113円台後半まで上値を伸ばした影響から、クロス円も上昇。また、欧州やアジアでのエネルギー供給懸念からエネルギー価格が上昇していることで、資源国通貨である豪ドル、NZドルは対ドル、対円で上昇。週後半はスタグフレーション懸念が和らぎ株価が上昇。豪ドル円は一時6月17日以来の84円台半ばまで、NZドル円は5月27日の高値80.18円を上抜け年初来高値となる80.40円まで上値を伸ばしました(執筆時)。

ロックダウン解除で期待先行

経済指標では、5日に行われた豪準備銀行(RBA)理事会の議事要旨公表が19日に予定されているのみです。今月の理事会では前月の理事会で債券買い入れ期間を延長したことから“様子見”姿勢となりましたので、議事要旨も目新しいものはないかと思われます。豪国内を見ますと、14日に発表された9月豪雇用統計では、雇用者数が-13.8万人(予想:-11.00万人)、失業率は4.6%(前回4.5%)に上昇し、労働参加率が64.5%に低下。ただ、今回の調査期間中は豪国内ではロックダウン中の地域が多かったことから悪化することは織り込み済みとネガティブ材料にはなりませんでした。そのなかでも正規労働者数は増加していた(+2.67万人)ことやロックダウンの続くニューサウスウェールズ(NSW)州での労働時間が増加していたことは予想外のポジティブ材料となりました。そのNSW州のロックダウンも今週11日に解除されました。残るは18日にロックダウンが解除される予定のビクトリア州メルボルン。成人のワクチン接種率が14日時点で62.6%と目安の70%に近付いているため厳しいロックダウンは解除されるようですが、ここにきて州内の1日の新規感染者数が2,000人を超えて過去最高を記録しています。そのため解除に向けて懐疑心もうまれているようですが、NSW州は解除後も新規感染者数の減少傾向が続いていることから、豪全体としては期待値が警戒感を大幅に上回っています。これまでもロックダウン解除後には力強い回復力を見せてきた豪経済ですので、国内経済の観点から見ると豪ドルの支えになると思われます。

エネルギー価格の高騰はつづく

先週に続き、今週もロシアのプーチン大統領が欧州向け天然ガスの安定供給についてポジティブな発言をしましたが、天然ガス価格の上昇が止まりません。一方で中国でも今週に入っての豪雨の影響から国内鉱山を閉鎖させざるえず、石炭が足りない(どちらにしろ、中国産の石炭は質が劣るため費用対効果が低い)。原油に関しても国際エネルギー機構(IEA)が2021、2022年の世界需要見通しを上方修正した一方で、サウジアラビアのエネルギー相が増産に応じない姿勢を示しています。これから北半球で暖房エネルギーの増加が見込まれる冬が近づく中でのこの状況は、エネルギー価格を一層と持ち上げる可能性があります。エネルギー価格の上昇は豪ドルにとってプラスですので、今週同様に豪ドル相場を支えることとなりそうです。

NZは?

18日にはNZの7—9月期四半期消費者物価指数(CPI)が発表されます。ロックダウンによる足踏みはありましたが、力強い国内経済の回復やエネルギー価格の上昇を受けてCPIも堅調に伸びていることが予想されます。10月6日のNZ準備銀行(RBNZ)理事会で0.25%の利上げを行いましたが、状況次第では来月以降も利上げを継続する可能性も示唆しているため、結果次第ではRBNZの追加利上げ観測によりNZ買いが加速する可能性もあります。

テクニカル的にも

豪ドル円は連騰で週足でも雲を上抜けました。日足を見ると11日に200日移動平均線(桃色線)を上抜けて上昇が加速。12日、13日安値が83.00円手前にありますので、その水準が目先の下値目途となりそうです。上値は5月10日高値の85.80円上抜けることが出来れば年初来高値を更新となります。目先の上値目途は同水準。上抜けることが出来れば、2018年2月5日高値の87.50円を目指す動きとなりそうです。一方で、オシレーター系のストキャスティクスやRSIでは買われすぎのサインも出ていますので、短期的な調整が入る可能性もあるので要注意です。

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予想レンジ:
AUD/JPY:83.00-87.50、NZD/JPY:78.50-82.50

10/18 週のイベント:

10/18 (月) 06:45 NZ 7-9月期四半期消費者物価(CPI)(前期比)
10/18 (月) 11:00 中国 7-9月期四半期国内総生産(GDP)(前期比)
10/18 (月) 11:00 中国 9月小売売上高(前年同月比)
10/18 (月) 11:00 中国 9月鉱工業生産(前年同月比)
10/19 (火) 09:30 豪 豪準備銀行(中央銀行)、金融政策会合議事要旨公表


(執筆:中村 勉)

一言コメント:

久々に渋谷に行きました(というか、電車乗り継ぎで降りただけ)。渋谷駅周辺は再開発の真っ只中。電車の改札口の場所も変わっていたり、あるはずの階段が通れなくなっていたりで軽い迷子になりました。。。調べてみると、2027年まで再開発プロジェクトが続くようです。どのように変わるのか?街が大きく変わるのを見る機会もあまりないと思いますので、ちょくちょく(半年に1回くらい?)通って変化を楽しみたいと思います。

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