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FX「FOMCのタカ派スタンス顕在か!」 週間為替レポート ハロンズ-ドル-2021年9月17日

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FOMCのタカ派スタンス顕在か

ドル円、1カ月半ぶりの安値更新。

米法人税の引き上げ観測、中国の大手不動産開発企業の信用不安から株価が下げたほか、米金融当局のタカ派ムード緩和でドル円は110.151円を高値に109.09円付近までレンジ上限を切り下げました。ただ、下値を拾う投資家も多かったようで、大台割れを回避すると109円後半まで持ち直しました。先週8日に1カ月ぶりの高水準となる110.43円レベルまで上昇したかと思えば、今週は1か月半ぶりの低水準へ押し戻され方向性が定まっていない様子です。もっとも、この間の値幅が1.5円程度だった点を踏まえれば、7月以降のレンジ取引を象徴する値動きとも言えそうです。

米FOMCは粛々と緩和離脱へ。

来週はFOMC(米連邦公開市場委員会)が開催されます。テーパリングに対しさらに踏み込んだ議論が行われるとみられ、投資家は金融政策の次のステップへのヒントや為替相場の次の流れを探ろうと注目しています。今会合では、テーパリングの開始時期、さらに減額ペースがどうなるかなど運用面での詳細がどの程度明確になるかがポイントとみられます。市場には、足もとの雇用指標やインフレ指標を受けて資産購入ペース縮小のアナウンスが見送られるのではとの観測も流れていますが、個人的にはこうした見方に少し違和感を覚えます。先週の本稿でも指摘しましたが、数字だけを比較すれば米求人件数は失業者数を上回っていますし、エネルギー価格を筆頭にコモディティの上昇も続いています。加えて米インフレに対しても高止まりを警戒する声もあります。8月の消費者物価指数は伸びが緩みましたが、前年比で5.3%上昇とインフレ傾向は変わっていません。また、NY連銀の調査でも、今後1年は所得が改善するなかでインフレは5%付近に留まる可能性が示されています。こうした状況は、パウエル議長の言う「インフレは一時的」との見通しから少し乖離しているように見受けられ、FOMC内はタカ派ムードが根強いように感じています。

米消費者物価動向

図表1.米消費者物価動向 出所;労働統計局、NYFed

中国の介入がドル円の頭を抑える危険も。

米当局が次回FOMCで、テーパリングの正式なアナウンスに加え11月からの減額決定の判断を下しても不思議はありません。直近の市場センチメントがハト派寄りに傾斜している反動もあって、市場の思惑が外れればドルの買い戻しが誘発されるでしょう。ただ、金利正常化は株価の重しとなるため、ドル高・円高の様相からドル円が111円の大台を突破して上昇を続けるかは微妙です。逆に、市場の見通しが正しくテーパリングが先送りとなれば、ドルには調整売りが集まりやすくなりますが、この場合は株式市場への安堵感からドル安・円安となって、ドル円は一気に下落幅を広げる展開にもならないでしょう。ドル円のレンジブレイクには時間が必要かもしれません。また、中国金融市場の動きは気に掛けたいです。中国不動産デベロッパーのデフォルトを引き金に世界経済の回復ペースが鈍化するようなら、リスク回避の円高が一層意識されるかもしれません。また、人民元防衛で中国当局がドル売り・人民元買い介入を強め、ドルの上値を重くさせる危険もあります。

ドル円の109円台は買い場探し。

日足一目均衡表・雲上限(110.18-19円)より上のレベルを見据えた動きを想定しますが、同レベルの下側にある21日移動平均線(109.82円)を先ずは上抜けできるかどうかが上への通行許可証となります。もっとも、すんなりと上抜けしても110円半ばからは戻り売りが被さり上昇は一筋縄ではいかないでしょう。逆に109.80円レベルでもたつくようなら、一時的に109.00円を割り込む場面もあるかもしれません。しかし、108.04-05円付近の200日移動平均線のサポートもあって、108円台では押し目買いにサポートされ潜水時間は短いと考えています。細目にロスカット注文を入れながら押し目買いスタンスを継続したいところです。

予想レンジ:
USD/JPY:108.80-110.80

ドル/円 日足チャート



図表2.ドル円-日足、出所;外為どっとコム

9/20 週のイベント:

9/20(月) 00:00 中国 中秋節で休場
9/20(月) 00:00 日本 敬老の日で休場
9/21(火)-27(月) 00:00 米国 第76回国連総会
9/21(火) 00:00 中国 中秋節で休場
9/21(火) 00:00 日本 日銀・金融政策決定会合(1日目)
9/21(火) 00:00 米国 米連邦公開市場委員会(FOMC)1日目
9/21(火) 21:30 米国 4-6月期 四半期経常収支
9/21(火) 21:30 米国 8月 住宅着工件数 年率換算件数
9/21(火) 21:30 米国 8月 建設許可件数
9/22(水) 00:00 日本 日銀金融政策決定会合、終了後政策金利発表
9/22(水) 15:30 日本 黒田東彦日銀総裁、定例記者会見
9/22(水) 23:00 米国 8月 中古住宅販売件数
9/23(木) 00:00 日本 秋分の日で休場
9/23(木) 03:00 米国 米連邦公開市場委員会(FOMC)、終了後政策金利発表
9/23(木) 03:30 米国 パウエル米連邦準備理事会(FRB)議長、定例記者会見
9/23(木) 21:30 米国 新規失業保険申請件数
9/23(木) 22:45 米国 9月 製造業購買担当者景気指数(PMI、速報値)
9/23(木) 22:45 米国 9月 サービス部門購買担当者景気指数(PMI、速報値)
9/23(木) 22:45 米国 9月 総合購買担当者景気指数(PMI、速報値)
9/23(木) 23:00 米国 8月 景気先行指標総合指数
9/24(金) 08:30 日本 8月 全国消費者物価指数(CPI)
9/24(金) 23:00 米国 8月 新築住宅販売件数
9/26(日) 00:00 ドイツ 総選挙


(執筆:小野 直人)

一言コメント:

今年の中秋の名月は9月21日。8年ぶりに満月と重なりまさに十五夜と呼ぶにふさわしい日です。全国的に快晴とは言えませんが、秋は空気が澄み月の光がいっそう冴えてくる季節なので今から楽しみです。皆様も街中、郊外でちょっと空を見上げてみてはいかがでしょうか。そういえば、満月から新月に向けて「相場は円安に向かう」といったアノマリーもありましたね。こちらも忘れずにお願いします。

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