<第146回調査>2021年7月31日
外為どっとコムの口座開設者のお客様を対象とした投資動向等に関するアンケート調査です。
調査実施期間
2021年7月23日(金)13:00~2021年7月27日(火)24:00
調査対象
外為どっとコムの『外貨ネクストネオ』に口座を開設のお客様層。
調査方法
外為どっとコムの口座開設者にメールでアンケート回答URLを送付。
今回の有効回答数は946件。
※必要項目を全て入力して回答して頂いたお客様を「有効回答数」としました。
問1:今後1カ月間の米ドル /円相場の見通しについてお答えください
問2:今後1カ月間の米ドル /円相場の予想レートについてお答えください
問3:今後1カ月間のユーロ/円相場の見通しについてお答えください
問4:今後1カ月間の豪ドル/円相場の見通しについてお答えください
問5:今後、注目の通貨ペアについてお答えください
問6:2021年下半期であなたが最も注目しているテーマは何ですか
問7:大きな損失になり、普段より心が乱れたときに、どのような事をしていますか
今後の調査実施計画及び公表方針
問1:今後1カ月間の米ドル/円相場の見通しについてお答えください
「今後1カ月間の米ドル/円相場の見通し」については、「米ドル高・円安方向」と答えた割合が43.7%であったのに対し「円高・米ドル安方向」と答えた割合は25.5%であった。この結果「米ドル/円予想DI」は△18.2%ポイントとなり、前月(△34.3%ポイント)に続き強気見通しを維持したもののプラス幅は縮小した。調査期間前後の米ドル/円相場は、110円ちょうどを挟んでもみ合う展開となり、方向感に乏しかった。米連邦準備制度理事会(FRB)による早期引き締め期待がやや後退する中、米長期金利の上昇が止まった事から、個人投資家のドル強気・円弱気見通しもいくぶん後退したようだ。
問2:今後1カ月間の米ドル/円相場の予想レートについてお答えください
「今後1カ月間の米ドル/円相場の予想レート」については、「±1円で推移」が40.7%と最も多く、次いで「1円~3円の米ドル高・円安」が35.4%、「1円~3円の円高・米ドル安」が16.3%と続き、「3円以上の米ドル高・円安(5.2%)」、「3円以上の円高・米ドル安(2.4%)」の順になった。ヒストグラムの形状は米ドル高・円安方向に傾いており、問1の結果と整合的と言える。それでも「±1円で推移」が最多となった事を踏まえると、米ドル/円相場が大幅に上昇するとの見方は多くないようだ。なお、前回調査では「1円~3円の米ドル高・円安」が43.3%を占めて最多だった。
問3:今後 1カ月間のユーロ/円相場の見通しについてお答えください
「今後1カ月間のユーロ/円相場の見通し」については、「ユーロ高・円安方向」と答えた割合が24.9%であったのに対し、「円高・ユーロ安方向」と答えた割合は36.2%であった。この結果、「ユーロ/円予想DI」は▼11.3%ポイントと、前月(▼4.5%ポイント)から弱気見通しを示すマイナス幅がやや拡大した。調査期間前後のユーロ/円相場は、130円ちょうどを挟んでもみ合う展開であった。ただ、欧州中銀(ECB)が7月理事会で金融緩和の長期化を示唆した事などからユーロの上値は重かった。こうした中、個人投資家の見通しもユーロ弱気に傾きやすかったと考えられる。
問4:今後 1カ月間の豪ドル/円相場の見通しについてお答えください
「今後1カ月間の豪ドル/円相場の見通し」については、「豪ドル高・円安方向」と答えた割合が30.3%であったのに対し、「円高・豪ドル安方向」と答えた割合は31.0%であった。この結果豪ドル/円予想DI」は▼0.7%ポイントと、前回(▼3.1%ポイント)に続き小幅なマイナスとなった。調査期間前後の豪ドル/円相場は、81円ちょうどを挟んでもみ合っており、米ドル/円やユーロ/円と同じく方向感を欠く展開であった。中国当局の規制強化などで同国の株価が下落する場面もあっただけに、個人投資家の豪ドル買い意欲は高まらなかったようだ。
問5:今後、注目の通貨ペアについてお答えください
「今後注目している通貨ペア」について尋ねたところ、「買い」で注目の通貨ペアは、米ドル/円が43.9%の回答割合を集めて1位となった。続く2位には豪ドル/円(9.7%)、3位英ポンド円(7.2%)、4位トルコリラ/円(6.1%)、5位ユーロ/ドル(6.0%)と続いた。なお、米ドル/円は回答割合が前回の51.8%からやや低下したものの、106カ月連続の1位となった。一方、2位以下の通貨ペアの多くは前回から回答割合が上昇したが、中でもトルコリラ/円は順位も前回からひとつ上げて4位に浮上した。トルコリラ相場はこのところ底堅く推移しており、そうした中で一部の投資家の間で底入れ感が浮上しているのかもしれない。
一方、「売り」で注目の通貨ペアでも、米ドル/円が22.9%の回答割合で首位をキープした。以下、2位ユーロ/米ドル(16.0%)、3位ユーロ/円(14.2%)、4位英ポンド/円(9.9%)、5位豪ドル/円(7.9%)と続いた。「買い」で5位(6.0%)のユーロ/米ドルが2位、同じく「買い」で6位(4.4%)のユーロ/円が3位となっており、ユーロに対する個人投資家の弱気姿勢が窺える結果になった。
問6:2021年下半期であなたが最も注目しているテーマは何ですか?
今回の特別質問として、「2021年下半期であなたが最も注目しているテーマは何ですか?(ひとつだけ)」と尋ねたところ、「新型コロナ感染の再拡大」が40.1%で最も多かった。日本国内で感染第5回波が広がる中での調査だっただけに、当然の結果と言えるかもしれない。次いで「FRBによるテーパリング議論(23.4%)」、「日米欧の金融政策(14.6%)」と続き、金融政策に対する関心の高さが窺えた。以下、「米中対立の激化(6.8%)」、「日本の政局(6.1%)」、「トルコなどの新興国リスク(4.5%)」などと続き、金融市場のリスク要因への警戒感も滲んだ。なお、「その他(1.5%)」とした向きからは、「アメリカの財政」、「五輪後の日本経済衰退」などの他、「仮想通貨の動向」との指摘もあった。
問7:トレードとメンタルについてお聞きします。大きな損失になり、普段より心が乱れたときに、どのような事をしていますか
さらにもうひとつの特別質問として、「トレードとメンタルについてお聞きします。大きな損失になり、普段より心が乱れたときに、どのような事をしていますか(いくつでも)」と尋ねたところ、「トレードの振り返りをする」が33.3%で最も多く、損失発生の原因を究明に没頭する事で冷静さを取り戻そうと試みる向きが多い事がわかった。次いで「何もしない(30.9%)」、「すぐに新たなトレードを行う(21.0%)」、「挽回策を考える(20.7%)」と続き、「寝る(10.0%)」、「運動をする(8.8%)」、「趣味に集中する(8.1%)」など、トレード以外にメンタルの回復を求める向きも一定数に上った。一方、「他人に話しを聞いてもらう(1.4%)」事や「SNSに投稿する(1.3%)」事などで気を紛らわす向きは少数だった。大きな損失を出した事で心が乱れた時のリカバリー策は人それぞれのようだ。なお、「その他(1.3%)」の回答の中には、「チャートを見て次のチャンスが来るまで待つ」、「常にチャートを見る」などの声があった。
今後の調査実施計画及び公表方針
本調査も第146回目となりました。調査開始から12年以上が経過し、データの蓄積が進んできました。今後については、毎月定点観測で実施する調査結果を基に、予想DIの時系列比較から見出せるFX投資家の相場観の変化やその傾向などのほか、中長期的な視点に基づいたFX投資家の投資スタイルの変化などの考察も進めて行きたいと考えています。
なお、毎月の本調査においては、公表扱いとしている質問項目及び回答結果の他に、「投資家の属性」、「取引頻度」、「取引規模」、「取引時間帯」、「投資選好」など、投資家実態を把握するために必要な各種の質問項目も設けて集計しています。それらの回答結果を用いた投資家の実態報告や属性別のクロス・セクション分析等については、当研究所が1年に1回公表する「外為白書」で紹介する予定です。
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