<第138回調査>2020年11月27日
外為どっとコムの口座開設者のお客様を対象とした投資動向等に関するアンケート調査です。
調査実施期間
2020年11月20日(金)13:00~2020年11月24日(火)24:00
調査対象
外為どっとコムの『外貨ネクストネオ』に口座を開設のお客様層。
調査方法
外為どっとコムの口座開設者にメールでアンケート回答URLを送付。
今回の有効回答数は825件。
※必要項目を全て入力して回答して頂いたお客様を「有効回答数」としました。
問1:今後1カ月間の米ドル /円相場の見通しについてお答えください
問2:今後1カ月間の米ドル /円相場の予想レートについてお答えください
問3:今後 1カ月間のユーロ/円相場の見通しについてお答えください
問4:今後 1カ月間の豪ドル/円相場の見通しについてお答えください
問5:今後、注目の通貨ペアについてお答えください
問6:あなた個人の「景況感」はいかがですか?
問7:本当に安全通貨だと思うものはどれですか?
問8:安全通貨としての円の信頼度を%で表すと?
今後の調査実施計画及び公表方針
問1:今後1カ月間の米ドル/円相場の見通しについてお答えください
「今後1カ月間の米ドル/円相場の見通し」については、「米ドル高・円安方向」と答えた割合が 31.5%であったのに対し「円高・米ドル安方向」と答えた割合は45.7%であった。この結果「米ドル/ 円予想DI」は▼14.2%ポイントと、8カ月連続のマイナス(弱気見通し)となり、マイナス幅は前回 (▼6.2%ポイント)からやや拡大した。調査期間前後の米ドル/円相場は、103円台後半から104円 台後半へと持ち直したが、節目の105.00円を超えられずに伸び悩んだ。こうした上値の重さが個 人投資家の間で意識されている模様。
問2:今後1カ月間の米ドル/円相場の予想レートについてお答えください
「今後1カ月間の米ドル/円相場の予想レート」については、「1円~3円の円高・米ドル安」が32.7% と最も多く、次いで「1円~3円の米ドル高・円安(30.1%)」、「±1円で推移(28.7%)」と続き、以下、 「3円以上の米ドル高・円安(6.2%)」、「3円以上の円高・米ドル安(2.3%)」の順になった。ヒストグラ ムの形状は円高・米ドル安側にやや傾いており問1の結果と整合的と言える。また、問1で「おおむ ね横ばい」の回答が少ないのと同様に、「±1円で推移」と答えた割合が比較的少ないのが印象的 だ。相場の方向性はともかく、年末に向けて変動率が大きくなるとの見方が少なくない事が分かる。
問3:今後 1カ月間のユーロ/円相場の見通しについてお答えください
「今後1カ月間のユーロ/円相場の見通し」については、「ユーロ高・円安方向」と答えた割合が 24.5%であったのに対し、「円高・ユーロ安方向」と答えた割合は40.8%であった。この結果、「ユー ロ/円予想DI」は▼16.3%ポイントと前月(▼28.4%ポイント)からマイナス幅は縮小したが、3カ月 連続で弱気見通しとなった。調査期間前後のユーロ/円相場は、123円割れから反発して124円台 に持ち直したが、個人投資家の見通しが強気化するには至らなかった。欧州全土で新型コロナウ イルスの感染が再拡大しており、一部の都市ではロックダウンも再開される中、景気の先行きに 不透明感が広がりつつある。こうした点がユーロに対する弱気見通しに繋がっているようだ。
問4:今後 1カ月間の豪ドル/円相場の見通しについてお答えください
「今後1カ月間の豪ドル/円相場の見通し」については、「豪ドル高・円安方向」と答えた割合が 28.8%であったのに対し、「円高・豪ドル安方向」と答えた割合は31.9%であった。この結果豪ドル/ 円予想DI」は▼3.1%ポイントと、前回(▼20.8%ポイント)からマイナス幅が縮小した。調査期間前 後の豪ドル/円相場は、75.40円台で底を打って77.00円付近まで反発しており、世界的に株価が堅 調に推移する中、月初来高値に迫る動きとなった。そうした中、「円高・豪ドル安」の予想割合が前 回の43.4%から10%ポイント超低下したのが印象的だ。
問5:今後、注目の通貨ペアについてお答えください
「今後注目している通貨ペア」について尋ねたところ、「買い」で注目の通貨ペアは、米ドル/円が 36.4%の回答割合を集めて1位となった。続く2位には豪ドル/円(9.0%)、3位ユーロ/米ドル(8.5% %)、4位トルコリラ/円(7.6%)、5位英ポンド/円(7.4%)と続いた。なお、米ドル/円は98カ月連続で 1位の座を維持した。2位以下との回答割合の差も拡大しており、独走状態ではあるが、裏を返せ ば米ドル/円以外に「買いたい通貨が見当たらない」状況でもあるのだろう。そうした中、トルコリ ラ/円が前回の9位から4位に急上昇したのが目立つ。トルコ中銀が大幅な利上げを行い通貨安を 抑制する姿勢を示した事が好感されたようだ。
一方、「売り」で注目の通貨ペアでも、米ドル/円が39.0%の回答割合で首位をキープ。2位ユー ロ/米ドル(12.2%)、3位ユーロ/円(12.1%)、4位英ポンド/円(8.5%)、5位豪ドル/円(6.9%)と続 いた。「売り」で注目の通貨ペアでも米ドル/円が2位以下との差を広げており、トップを独走してい るのが特徴的だ。「買うにせよ、売るにせよ米ドル/円で」という向きが増えている事が分かる。
問6:あなた個人の「景況感」はいかがですか?
今回の特別質問として、「あなた個人の景況感はいかがですか」と尋ねたところ、「良くなってい る」が12.4%、「悪くなっている」が42.1%、「あまり変化なし」が45.6%という結果になった。3カ月前 の調査では「良くなっている」が11.0%、「悪くなっている」が47.9%、「あまり変化なし」は41.1%で あった。「悪くなっている」の回答割合が高い点は今回も変わらなかったが、僅かづつとはいえ「良 くなっている」の割合が増加して「悪くなっている」の割合が低下した格好だ。コロナ禍による景況感 の悪化はひとまず底入れしたと言えるかもしれない。
問7:本当に安全通貨だと思うものはどれですか?
今回の特別質問として、「本当に安全通貨だと思うものはどれですか?」と尋ねたところ、「日本 円」との回答が45.7%と最も多く、次いで「米ドル(41.1%)」、大きく離れて「スイスフラン(5.5%)」と なり、「豪ドル(2.3%)」、「ユーロ(1.9%)」、「中国人民元(1.5%)」、「NZドル(1.1%)」、「英ポンド (0.5%)」、「カナダドル(0.5%)」と続いた。米ドル/円は、世界のFX取引において2番目に取引量が 多い通貨ペアだが、その割に値動きが比較的小さい事はよく知られている。今回の調査結果から も窺えるように、米ドルと日本円に対する投資家の評価が似かよっている事が穏健な値動きの一 因であろう。
問8:安全通貨としての円の信頼度を%で表すと?
問7を踏まえ、今回のもうひとつの特別質問として、「安全通貨としての円の信頼度を%で表す と?」と尋ねたところ「70%」が最多の22.3%となり、僅差で「80%(20.6%)」と続き、以下「50% (17.2%)」、「60%(12.0%)」、「90%(9.9%)」と比較的高い信頼度を示す回答が多かった。なお、 「100%」との回答も6.2%あった。個人投資家の「安全通貨としての円の信頼度」の中央値は70%、 平均値は66.1%であった。リスク許容度が上昇する局面で円を売り、リスク回避局面で円を買う個 人投資家が多い事が改めて確認できる結果となった。
今後の調査実施計画及び公表方針
本調査も第138回目となりました。調査開始から11年が経過し、データの蓄積が進んできました。今後については、毎月定点観測で実施する調査結果を基に、予想DIの時系列比較から見出せるFX投資家の相場観の変化やその傾向などのほか、中長期的な視点に基づいたFX投資家の投資スタイルの変化などの考察も進めて行きたいと考えています。
なお、毎月の本調査においては、公表扱いとしている質問項目及び回答結果の他に、「投資家の属性」、「取引頻度」、「取引規模」、「取引時間帯」、「投資選好」など、投資家実態を把握するために必要な各種の質問項目も設けて集計しています。それらの回答結果を用いた投資家の実態報告や属性別のクロス・セクション分析等については、当研究所が1年に1回、毎年年央以降に公表する「外為白書」で紹介する予定です。