昨日、ユーロ中心に欧州通貨が上昇しました。
理由は、今週のECB理事会にて、コロナパンデミックによる債権緊急購入プログラム(通称:PEPP)の増額が大きく予想されたことです。
従来の購入額7500億ユーロからさらに5000億ユーロの増額ではないか、といった投資銀行からの発信は多いです。
市場予想は5000億ユーロが最も多く、控えめのところでも2500億ユーロとなっております。
サプライズは7500億ユーロ以上でしょう。
いきなり2倍にするとは思えませんが、もしサプライズが出た場合は、さらにユーロ上昇となる可能性があります。
また欧州株式市場も大きく上昇するでしょう。
先月末、日本も財政出動の裏付けとなる追加歳出を31兆円と増額しました。
欧州は5000億ユーロの増額になりますから、およそ60兆円です。
これらが確定的になりますと、今年の世界金融緩和の規模は9兆ドルに達します。
米国もまた一段と大きな金融緩和を実施してくる可能性も高く、世界の金融緩和の規模は、近々10兆ドルを超えてくるのではないでしょうか。
グローバル・スタグフレーションの可能性さえ出てきているように思えます。
みなさんもぜひ、資産はキャッシュよりも不動産や株式、ゴールドを含めたポートフォリオを組んでいただければと思います。
もちろん、為替取引もです(笑)
さて、大きく上昇したユーロを今週も分析していきましょう。
目次
▼ユーロ円はまさかの121円を突破!
▼ユーロドルは1.1500に回帰か?
ユーロ円はまさかの121円を突破!
ユーロ円が121円を超えて122円にすら間も無く迫る勢いです。
先週、先々週のコラムではユーロ円の買いトレードをご紹介し、下限チャネルレンジ上限ライン付近をターゲットにした119円手前を想定しておりましたが、 そのレジスタンスラインも大きく突破し、上昇を演じました。
120円を突破してから一気に1円以上の伸びを記録し、尚もその勢いは衰えておりません。
今回のECB理事会にて、さらなるサプライズがあれば、125円方向が意識されるでしょう。
RCIは3本とも天井圏に張り付き、勢いが付いている状態です。
飛びつき買いはしたくありませんが、下落したところはまだまだ買われるでしょう。
押し目のイメージは119円-121円ゾーンで幅広く、ターゲットを125円に変更したいと考えを改めはじめました。
125円周りに大型のオプションも増えてくる可能性があります。
続いてユーロドルにも注目してみます。
ユーロドルは1.1500に回帰か?
ユーロドル日足チャートです。7日連続で陽線をつけております。
1.1150のレジスタンスラインを抜けましたので、ターゲットは今年の最高値である1.1500付近でしょう。
米国もこのユーロドル上昇は歓迎でしょうし、一度、この水準までトライする可能性が出てきていると感じます。
今回、EU全域での緩和は通貨安ネタでもあるのですが、そもそも経済落ち込みから来る懸念からのユーロ売りだったため、大きく買い戻しがされている流れです。
米国がまた別途で金融緩和した際には、ドル安、株高で動く可能性が高いです。
世界のキャッシュはドルからユーロに何割かが動き始めるのではないでしょうか。
その場合、1.20も意識される展開が今年あるかもしれません。
ひとまずECB待ちですが、1.1150手前まで押すタイミングがあれば、ぜひ買いたいところです。ただ、ここまで押す意味もないので1.1200手前からエントリーでも十分だと思われます。
ストップは1.11割れに。ターゲットを1.1500手前でイメージし、スイングトレードを狙いたいと思います。もちろんユーロ円の買いトレードも視野に入れて再びロングエントリーも狙う予定です。
引き続き、ユーロ上昇に注目ではないでしょうか。
【レベルアップセッション】
【先週のコラム】
【インタビュー】
FX&Cryptoトレーダー、業界ニックネームは「ひろぴー」。ラジオ日経パーソナリティ、FX会社や仮想通貨取引所のコラムニストとして活動の場は多岐に渡る。自らのトレーディングノウハウから、ユーザビリティの高いインターフェース総監督を担う。FX会社や金融プラットフォーム開発エンジニアリング企業、仮想通貨取引所へのコンサルティング業が主。 2019年7月より TradingView Japan の Marketing Director に就任。