目次
▼2日(木)の為替相場
(1):米新規失業保険申請件数 過去最多
(2):NY原油急騰 リスク回避の流れ反転
2日(木)の為替相場
(1):米新規失業保険申請件数 過去最多
米新規失業保険申請件数は664.8万件と過去最多だった前週(330.7万件)から倍増(予想376.3万件)。これ以前には米3月チャレンジャー人員削減数が前年比+266.9%と急増した事も発表された。これらを受けて新型コロナウイルスによる景気への影響が改めて懸念されると、リスク回避の円買いが活発化した。ユーロ/円については、スペインの新型コロナウイルスによる死亡者が1日としての過去最多となる950人に上り、累計1万人を突破した事も重しとなった
(2):NY原油急騰 リスク回避の流れ反転
トランプ米大統領は、サウジアラビアのサルマン皇太子と会談したとした上で、「サウジとロシアが原油1000万バレルの減産に踏み切ると予想し期待する」とツイートした。これを受けてNY原油(WTI)が急騰すると米国株も上昇するなど、リスク回避の流れが反転。ドル/円とクロス円は急反発した。
2日(木)の株・債券・商品市場&外為注文情報
ドル/円の見通し:
雇用統計には反応しにくい
昨日のドル/円は、終値ベースで約0.7%上昇。米新規失業保険申請件数が過去最多となった事を受けて107.01円前後まで下落したが、その後は原油の急騰に連れて108.09円前後へと切り返した。トランプ米大統領がロシアとサウジアラビアの減産に言及した事で原油相場が上昇すると欧米株も値を上げるなどリスク選好が回復した。もっとも、原油については、仮に減産で供給を絞っても新型コロナウイルス禍で需要が激減しているため価格の上昇は一時的との見方が多い。リスク選好の動きも一時的なものに留まる可能性があろう。
なお、本日は米3月雇用統計が発表される。市場予想は非農業部門雇用者数が10.0万人減(前回27.3万人増)、失業率は3.8%(前回3.5%)となっている。新型コロナウイルスの感染拡大による雇用の減少が本格化したのは3月後半からとあって、今回の雇用統計(3月8日~14日の週に調査)にはそこまで大きな影響はないかもしれない。とはいえ、来月の4月雇用統計は大幅な悪化が確実なだけに、市場としては今回の雇用統計には反応しにくいだろう。