目次
▼1日(水)の為替相場
(1):日銀短観 前回から悪化
(2):大手欧州銀行 配当停止多数
(3):米ADP ISM予想ほど悪化せず
(4):ロンドン・フィキシング目前で豪ドル急伸
▼ドル/円の見通し:
106円台半ばまでは下落余地がありそう
1日(水)の為替相場
(1):日銀短観 前回から悪化
日銀短観は大企業製造業DIが-8となり、前回(0)から悪化したものの、市場予想(-10)は上回った。なお、企業の事業計画の前提となる2020年度の想定為替レートは、ドル/円が107.98円、ユーロ/円が120.29円であった。
(2):大手欧州銀行 配当停止多数
大手欧州銀行の多くが配当停止に動いた事などから欧州株が軒並み大幅安となる中、ユーロが下落。ユーロ圏3月製造業PMI・改定値が44.5に下方修正(速報値44.8)事も重しとなった。
(3):米ADP ISM予想ほど悪化せず
米3月ADP全国雇用者数は2.7万人減と市場予想(15.0万人減)を上回った。ただ、新型コロナウイルスの感染拡大が深刻化する前の3月中旬までの統計だけにドルは目立った反応を示さなかった。その後発表された米3月ISM製造業景況指数も同様で、結果は49.1と予想(44.5)ほどには悪化しなかったが反応は薄かった。なお、米3月ISM製造業景況指数の構成指数である新規受注指数は42.2、雇用指数は43.8と、いずれも2009年以来の水準に低下した。
(4):ロンドン・フィキシング目前で豪ドル急伸
ロンドン・フィキシング(24時)目前で一時豪ドルが急伸。明確な理由は見当たらず、誤発注ではないかとの見方も出ていた。その後は、米国株が下げ幅を拡大する中で上昇分をほぼ吐き出した。
1日(水)の株・債券・商品市場&外為注文情報
ドル/円の見通し:
106円台半ばまでは下落余地がありそう
昨日のドル/円は、終値ベースで約0.3%下落。新型コロナウイルス・パンデミックによる経済活動の落ち込みが懸念され世界的に株価が下落する中、2週間ぶりに107円台を割り込む場面もあった。通常、4月は新規投資が活発化しやすい時期とされるが、その初日に世界の株価が大幅安となった事は足元の深刻さを物語っていよう。
そうした中、ドル/円の流れはやはり下向きと考えられる。リスク回避局面では円だけでなくドルも強含む傾向にあるため、ドル/円が一方的に下落する展開にはなりにくいと見るが、目先的に106円台半ばまでは下落余地がありそうだ。なお、106.45円前後は3月9日から24日までの上昇幅の半値押し水準に当たる。