目次
▼23日(月)の為替相場
(1):日銀 ドル資金供給オペ実施
(2):FRB 無制限QEを発表
(3):独 大規模なコロナ対策
(4):米株大幅安 ドル/円は月初来高値更新
23日(月)の為替相場
(1):日銀 ドル資金供給オペ実施
アジアタイムはドルが軟調に推移。日銀が米連邦準備制度理事会(FRB)との協調行動でドル資金供給オペを実施した事からドル需要が弱まるとの思惑が広がった。また、ソフトバンク・グループが最大4兆5000億円の資産売却計画を発表した事を受けて、海外資産取り崩しに伴う円転ニーズが意識された模様で円高も進行した。
(2):FRB 無制限QEを発表
FRBは、臨時の米連邦公開市場委員会(FOMC)を開催。15日に再開を決めたばかりの資産買い入れ(QE)について、7000億ドルとしていた買い入れ上限を撤廃し「必要なだけ購入する」「終了期限を設けず」と、無制限・無期限のQEとする事を発表した。これを受けてドル売りが強まるとドル/円は再び110円台を割り込んだ。一方、クロス円はストレートドル(ユーロ/ドルなど)の上昇に連れる形で強含んだ。
(3):独 大規模なコロナ対策
ドイツ政府は新型コロナウイルス対策として総額7500億ユーロ規模の財政パッケージを承認。また自宅隔離となっていたメルケル独首相はウイルス検査の結果が陰性であった事も明らかになった。これらを受けてユーロが上昇した。
(4):米株大幅安 ドル/円は月初来高値更新
FRBの無制限QE発表にもかかわらず米国株が大幅安となり、NYダウ平均の下げ幅は一時1000ドルに迫った。これを受けてドル買いが再開するとドル/円は111.587円前後まで上伸して月初来高値を更新した。クロス円はユーロ/円が高止まりした一方、豪ドル/円やポンド/円は小幅に反落するなどマチマチの動きとなった。
23日(月)の株・債権・商品市場&外為注文情報
ドル/円の見通し:
109円台前半では下げ渋りそう
昨日のドル/円は終値ベースで約0.4%上昇。109.60円台まで弱含む場面もあったが、新型コロナウイルスの感染拡大を巡る懸念からドルを買う動きは根強く、NY市場では111.59円前後まで反発して月初来高値を更新した。米連邦準備制度理事会(FRB)は、15日に再開を決めたばかりの資産買い入れ(QE)の上限を取り払い事実上の無制限QEを発表したが、米株安・ドル高の流れは変わらなかった。
ただ、ドル/円は年初来高値の112.22円前後が近付くに連れて上昇ピッチが鈍ってきた。一方、ユーロ/ドルは1.06ドル台で下げ渋る動きとなっており、各通貨に対するドル買いの勢いは先週に比べると弱まっている。もっとも、ただでさえドル資金需要が逼迫しやすい3月末が接近しており、せっかく確保したドルを手離す動きにはなりにくいだろう。ドル/円は調整的な反落があっても109円台前半では下げ渋りそうだ。