目次
▼18日(水)の為替相場
(1):日本株や豪州株下落
(2):欧州株や欧州国債も軒並み下落
(3):基軸通貨のドルに買い殺到
18日(水)の為替相場
(1):日本株や豪州株下落
前日の海外株高を受けて上昇していた日本株が下落に転じた他、豪州株(ASX200)は6%超下落。時間外のNYダウ先物は値幅制限いっぱいの下げとなった。こうした中、リスク回避の円買いでドル/円やクロス円は下落した。
(2):欧州株や欧州国債も軒並み下落
新型コロナウイルスの感染がイタリアやスペインで拡大する中、欧州株が下落。各国の財政拡大懸念も相まって欧州国債も軒並み下落(金利は上昇)した。こうした中、欧州中銀(ECB)は「新型コロナウイルス感染拡大の影響を引き続き注視し、銀行システムの流動性環境を守り、金融政策のユーロ圏全域へのスムーズな伝播を確実にするため、必要なら全ての政策措置を適切に調整する用意がある」との声明を発表した。
(3):基軸通貨のドルに買い殺到
NYダウ平均が19000ドル台を割り込んで下落した他、NY原油(WTI)は約18年ぶりに20.0ドル台へと下落した。米長期債やNY金も売られるパニック商状の中、基軸通貨のドルに買いが殺到。ドル/円が108.60円台に上伸した一方、ユーロ/ドルやポンド/ドルなどの大幅安が重しとなりクロス円は下値を切り下げた。なお、ポンド/ドルは1.145ドル前後まで下値を切り下げて1985年以来約35年ぶりの安値を付けた。
18日(水)の株・債権・商品市場&外為注文情報
ドル/円の見通し:
下値は限られそう
昨日のドル/円は、終値ベースで約0.4%上昇。一時108.65円前後まで上伸して月初来高値を更新した。新型コロナウイルスの感染拡大を巡り市場が大混乱に陥る中、安全資産とされる円よりも基軸通貨のドルが選好されている。
このところ、NY市場でドル高が進むケースが目立っており、米国投資家が海外投資資金の引き上げに動いているようにも見える。米連邦準備制度理事会(FRB)は連日で大量の資金供給オペを実施。日銀や欧州中銀(ECB)など他の中銀もドル資金の無制限供給に動いているが、パニック的なドル買いは収まる気配がない。米NY州で新型コロナウイルス感染者が1日で倍増するなど、感染拡大が加速する中ではドル選好の動きが続きやすいと見られる。3月決算期末に向けた本邦勢のリパトリ(資金還流)などで、東京市場では円買いが優勢となる可能性もあるがドル/円の下値は限られそうだ。