目次
▼12日(木)の為替相場
(1):トランプ米大統領 欧州からの入国停止
(2):安倍首相と黒田日銀総裁が緊急会談
(3):ECB 量的緩和規模を年末まで拡大
(4):米株や原油の他、金や米債も売り込まれる
(5):FRB 1.5兆ドル規模の追加資金供給を発表
12日(木)の為替相場
(1):トランプ米大統領 欧州からの入国停止
トランプ米大統領が演説を行い、新型コロナウイルスの感染拡大防止策として、欧州(除く英国)からの入国を30日間停止すると発表。市場はこの演説に具体的な経済対策を期待していただけに失望が大きく、米国株先物や日本株が下落するとともにリスク回避の円買いが活発化した。
(2):安倍首相と黒田日銀総裁が緊急会談
安倍首相と黒田日銀総裁が首相官邸で緊急会談を開催。黒田総裁は会談後に「市場の状況を十分注視しつつ、必要に応じて適切な手段をタイムリーに躊躇なくやっていく」と述べた。日銀の追加緩和への期待で円買いはひとまず収束した。
(3):ECB 量的緩和規模を年末まで拡大
欧州中銀(ECB)は、新型ウイルスのパンデミック(世界的流行)による域内経済への悪影響に対応するため、量的緩和の規模を年末まで1200億ユーロ拡大すると発表。一方で、一部の予想に反してマイナス金利の深堀りは見送った。その後、ラガルドECB総裁は会見で「新型ウイルス感染拡大は成長見通しに対する深刻なショック」とした上で、「野心的かつ協調的な財政出動が求められる」などと述べた。
(4):米株や原油の他、金や米債も売り込まれる
米国株や原油価格が大幅安となる中、安全資産とされる金や米国債も売り込まれた。為替市場ではドル買いの動きが強まりドル/円が上昇した一方、クロス円はストレートドル下落の影響で伸び悩んだ。
(5):FRB 1.5兆ドル規模の追加資金供給を発表
米連邦準備制度理事会(FRB)は、短期金融市場に2日間で1.5兆ドル規模という巨額の追加資金供給を発表。これまで短期債に限っていた国債買い入れも対象を拡大すると決めた。これを受けて、NYダウ平均が2200ドル安前後から700ドル安前後まで下げ幅を縮小すると円売りが優勢となった。しかし、米国株買い戻しの動きは一時的で引けにかけて再び下げ幅を拡大(2350ドル安でクローズ)するとクロス円をメインに円買いも再燃した。
12日(木)の株・債権・商品市場&外為注文情報
ドル/円の見通し:
振幅大も方向感出にくい展開継続か
昨日のドル/円は荒い値動きが続き、103.08円前後から106.09円前後のレンジで乱高下。新型コロナウイルスの感染拡大を巡る不透明感から株式や原油などのリスク資産が急落する中、安全資産に位置付けられる金や米国債も一時売られるなど、投資家は「現金化」の動きを強めた模様。為替市場ではユーロ売りが強まる中で円買いとドル買いが交錯したため、ドル/円相場には方向感が出にくかった。
週末を控えた本日も同様の展開が続く可能性があろう。ドル/円は足元の乱高下でポジションの偏りは小さいと推測される事から、振幅こそ大きいものの方向感が出にくい相場展開が続きそうだ。