目次
▼6日(金)の為替相場
(1):日本株下げ幅拡大の中、円買い優勢
(2):欧州株下げ幅拡大とともに米長期金利急低下
(3):米雇用統計好結果もドル買いは限定的
(4):米国株 引けにかけて急速に下げ幅収縮
6日(金)の為替相場
(1):日本株下げ幅拡大の中、円買い優勢
新型コロナウイルスの感染拡大を巡る懸念から日本株が下げ幅を拡大する中、円買いが優勢となった。豪1月小売売上高は前月比-0.3%と予想(±0.0%)を下回った上に、前回分が-0.5%から-0.7%に下方修正された事も豪ドル/円の重しとなった。
(2):欧州株下げ幅拡大とともに米長期金利急低下
欧州株が下げ幅を拡大するとともに米10年債利回りが0.70%を割り込むなど米長期金利が急低下するリスク回避の動きの中でドル/円やクロス円に一段の下落圧力がかかった。
(3):米雇用統計好結果もドル買いは限定的
米2月雇用統計は、非農業部門雇用者数が27.3万人増と予想(17.5万人増)を上回り、失業率も3.5%に改善して予想(3.6%)を下回った。平均時給は前月比+0.3%、前年比+3.0%と予想通りの伸びとなった。ただ、新型コロナウイルスの感染拡大を巡る懸念が強い中、良好な米雇用統計を受けたドル買いの動きは限定的だった。
(4):米国株 引けにかけて急速に下げ幅収縮
860ドル前後まで値下がりしていたNYダウ平均が250ドル安でクローズするなど、米国株が引けにかけて急速に下げ幅を縮小。ただ、ドル/円やクロス円を買い戻す動きは控えめだった。
6日(金)の株・債権・商品市場&外為注文情報
ドル/円の見通し:
神経質な相場展開となる公算大
ドル/円は売りの動きが活発化しており、今朝方には一時103.50円台まで下落して2016年11月以来の安値を付ける場面もあった。新型コロナウイルスの感染が世界で拡大した事や、サウジアラビアの公式販売価格引き下げを受けて原油価格が20%超下落した事から、世界経済の下振れリスクが意識されている。
ドル/円は、下値支持と見られていた104円台半ばを下抜けた事で、断続的に投げ売りが出ている模様。100.00円の心理的節目まで次の強い下値支持候補が見当たらない事も下値不安に繋がっているようだ。下値模索の動きが続きやすいと見るが、売り方にも日銀や財務省などの政策対応への一定の警戒感がくすぶると見られるだけに、神経質な相場展開となる公算が大きい。