目次
▼7日(金)の為替相場
(1):ロウRBA総裁 利下げに距離を置く
(2):横浜港に停泊中のクルーズ船で新たに41人の感染者確認
(3):ユーロ圏経済指標 予想以上の落ち込み
(4):米雇用統計 概ね良好もドル買いの反応は一時的
(5):米国株下げ幅拡大、ドル/円やクロス円再び軟化
7日(金)の為替相場
(1)ロウRBA総裁 利下げに距離を置く
豪中銀(RBA)のロウ総裁は議会証言で「追加利下げに伴うリスクは現時点でメリットを上回る」と述べて利下げに距離を置いたが、「ただ、失業率が悪化すれば状況が変わるかもしれない」として、雇用情勢を注視する姿勢を表明した。その後発表したRBA金融政策報告でも、「2020年末の失業率は現行水準の5.1%、21年末は4.9%、22年年央は4.8%と予想」とした上で「失業率が著しく上昇し、インフレ目標達成で進展がなければ、一段の金融緩和の方向に議論は傾く」とした。
(2):横浜港に停泊中のクルーズ船で新たに41人の感染者確認
横浜港に停泊中のクルーズ船ダイヤモンド・プリンセス号の船内で、新たに41人の新型コロナウイルス感染が確認されたと伝わり、一時円買いが優勢となった。
(3):ユーロ圏経済指標 予想以上の落ち込み
独12月鉱工業生産は前月比-3.5%と予想(-0.2%)を大幅に下回った。仏12月鉱工業生産も前月比-2.8%と予想(-0.3%)以上の落ち込みとなり、ユーロ売りが強まった。
(4):米雇用統計 概ね良好もドル買いの反応は一時的
米1月雇用統計は、非農業部門雇用者数が22.5万人増と予想(16.5万人増)を上回る伸びとなった。一方で失業率は3.6%と前月から0.1%ポイント悪化して予想(+3.5%)を上回ったが、労働参加率は63.4%に上昇(予想、前回ともに63.2%)して、2013年6月以来の高水準を記録した。平均時給は前月比+0.2%、前年比+3.1%(予想:+0.3%、+3.0%)であった。概ね良好な米1月雇用統計に対するドル買いの反応は一時的で、米国株が安く始まるとドル/円も下落に転じた。
(5):米国株下げ幅拡大、ドル/円やクロス円再び軟化
週末を控えたポジション調整などから米国株が下げ幅を拡大するとともに米長期金利が低下。米1月雇用統計後の下げからやや値を戻していたドル/円やクロス円は再び軟化した。米連邦準備制度理事会(FRB)が議会に向けた半期に一度の金融政策報告で「新型コロナウイルスの流行は米経済見通しへの新たなリスク」との見解を示した事も市場心理の重しになった模様。
7日(金)の株・債権・商品市場&外為注文情報
ドル/円の見通し:
やや動きづらい展開となりそう
7日のドル/円は、終値ベースで約0.2%下落。朝方には一時110.01円前後まで上昇したものの、新型コロナウイルス感染拡大への懸念がくすぶる中で上値は重かった。米1月雇用統計は非農業部門雇用者数が予想以上に増加するなど比較的良好な内容だったが、発表後のドル/円はむしろ売りが優勢となり109.53円前後まで下落する場面もあった。米連邦準備制度理事会(FRB)が議会向けの金融政策報告で、新型コロナウイルスの流行は米経済見通しへの「新たなリスク」との見解を示した事を受けて米長期金利が低下しており、利下げ期待が再燃した事も重しになったようだ。
そうした中、明日米下院で行われるパウエルFRB議長の議会証言に注目が集まっており、本日のドル/円はやや動きづらい展開となりそうだ。大口の戻り売りオーダーが並ぶとされる110.00円から上は引き続き重い一方、109円台前半では押し目買いで下げ渋ると見られる。