目次
▼5日(水)の為替相場
(1):RBAロウ総裁 追加利下げに前向きではない
(2):新型肺炎 治療薬発見との報道
(3):米1月ADP全国雇用者数 2015年5月以来の大幅増
(4):EU当局者 MiFID2で英に譲歩した部分の修正を検討
(5):米1月ISM非製造業景況指数 予想を小幅に上回る
5日(水)の為替相場
(1):RBAロウ総裁 追加利下げに前向きではない
豪中銀(RBA)のロウ総裁は講演で「経済は依然として改善に向けた緩やかな転換点を通過している」「最近のインフレや失業率は正しい方向に向かっていることを表している」「金利はすでに非常に低い」「さらなる緩和の根拠はみられるが、低金利のリスクもある」などと発言した。追加利下げに前向きではないと受け止められ、豪ドルは小幅に上昇した。
(2):新型肺炎 治療薬発見との報道
中国メディアが「浙江大学の研究チームが新型肺炎の効果的治療薬を発見」と伝えた事を受けて新型コロナウイルスを巡る懸念が和らぎ円売りが優勢となった。なお、英メディアは同国の科学者による新型ウイルスのワクチン開発に大きな進展があったと報じ、「通常の開発期間の一部を『2-3年からわずか14日に』短縮することが可能になった」と伝えた。その後、世界保健機関(WHO)が「実証された有効な治療法はまだない」との見解を示した事で円が買い戻される場面もあったが、欧州株が堅調に推移する中、ドル/円や豪ドル/円は再び上昇した。
(3):米1月ADP全国雇用者数 2015年5月以来の大幅増
米1月ADP全国雇用者数は29.1万人増と、市場予想(15.7万人増)を大幅に上回り、2015年5月以来の大幅増を記録。これを受けてドル/円は109.80円台に続伸した。
(4):EU当局者 MiFD2で英に譲歩した部分の修正を検討
「欧州連合(EU)の当局者は金融危機後に成立させた第2次金融商品市場指令(MiFID2)のうち、英国に譲歩した部分の修正を検討している」との報道を受けてポンドが下落。議論をリードする欧州議会の議員は「欧州最大の金融市場がいまやEUの外(英国・ロンドン)にあるという事実は、金融サービスの規則全般の同等性を変える」と主張したとされる。
(5):米1月ISM非製造業景況指数 予想を小幅に上回る
米1月ISM非製造業景況指数は55.5となり、市場予想(55.1)を小幅に上回った。構成指数では新規受注が上昇した一方、雇用は低下した。
5日(水)の株・債権・商品市場&外為注文情報
ドル/円の見通し:
堅調を維持する公算が大きい
昨日のドル/円は、終値ベースで約0.3%上昇。新型コロナウイルスの治療薬開発を巡る報道を受けて市場心理が改善する中、109.84円前後まで続伸した。米1月ADP全国雇用者数や米1月ISM非製造業景況指数などの好結果で米経済の強さを再確認した事もドル高を後押しした。
新型ウイルス治療薬については世界保健機関(WHO)が「実証された有効な治療法はまだない」との見解を改めて表明しており過信はできないが、米経済の底堅さについては疑いの余地はなさそうだ。昨日の米1月ADP全国雇用者数は2015年5月以来の大幅な伸びを記録。明日の米1月雇用統計にも好結果が期待される中、ドルは本日も堅調を維持する公算が大きい。世界的な株高の流れが続くようなら、ドル/円は110円台前半にかけて並ぶ戻り売りオーダーをこなして上伸する可能性もあろう。