目次
▼4日(火)の為替相場
(1):上海株 中国当局の姿勢を好感して反発
(2):豪中銀(RBA)政策金利を0.75%に据え置き
(3):ポンド/円 142円台を回復
(4):ユーロ圏12月生産者物価指数前年比 5カ月連続で低下
(5):米国株 中国当局の市場支援姿勢を好感し大幅高
4日(火)の為替相場
(1):上海株 中国当局の姿勢を好感して反発
中国当局は前日に続きリバースレポで市場に4000億元を供給するとともに人民元の対ドル基準値を6.9779元と前日の公式終値より元高方向に設定して市場を支える姿勢を鮮明にした。その後、上海株は寄り付きこそ安かったものの、当局の姿勢を好感して反発した。
(2):豪中銀(RBA)政策金利を0.75%に据え置き
豪中銀(RBA)は予想通りに政策金利を0.75%に据え置いた。一部に利下げ観測がくすぶっていた事や、新型コロナウイルスの影響などが懸念される中でも、声明で成長見通し(2020年2.75%、2021年3.00%)を維持した事から豪ドルが上昇した。
(3):ポンド/円 142円台を回復
英1月建設業PMIは48.4と市場予想(47.1)を上回った。欧州連合(EU)との貿易交渉を巡る不透明感から一時下落していたポンド/円は、これを受けて142円台を回復した。
(4):ユーロ圏12月生産者物価指数前年比 5カ月連続で低下
ユーロ圏12月生産者物価指数は前年比-0.7%と5カ月連続で低下。ただ、低下度合いは前月(-1.4%)から鈍化した。
(5):米国株 中国当局の市場支援姿勢を好感し大幅高
中国当局の市場支援姿勢を好感して米国株が大幅高となった。米国債は売りが強まり長期金利が上昇。また、為替市場では円売りが活発化した。株売り、米債買い、円買いなど、新型ウイルス・リスクの回避に向けたポジションを巻き戻す動きが強まった。そうした中、ドル/円が1月24日以来の109.50円台を回復した他、クロス円も軒並み上昇した。
4日(火)の株・債権・商品市場&外為注文情報
ドル/円の見通し:
一気に楽観ムードに傾く事は考えにくい
昨日のドル/円は、終値ベースで約0.8%上昇した。中国人民銀行による連日の大規模資金供給を受けて上海株が反発するなど、中国市場の落ち着きを受けて円安が進行。NY市場では新型コロナウイルスが米経済に及ぼす影響は小さいとの見方から米国株が大幅高となる中、ドル/円は米債利回りの上昇とともに109.50円台まで上伸した。ただ、短期筋のロスカットオーダーを断続的に巻き込んだ事で上げ幅を拡大したと見られ、上昇の持続性についてはやや割り引いて考えたい。
昨日の米国株や米国債利回りの上昇も、新型ウイルス・リスクを見越した株売りや債券買いのポジションの巻き戻しが主導したものと思われる。新型ウイルスを巡る総悲観の修正は進んだものの、一気に楽観ムードに傾く事は考えにくい。市場のムードがひとまず中立化するとすれば、ドル/円にとって20日移動平均線が通る109円台半ばは「居心地」が良い水準と言えそうだ。