目次
▼30日(木)の為替相場
(1):武漢から帰国した邦人 感染確認
(2):独経済指標 概ね予想通りの結果に
(3):BOE 政策金利(0.75%)を据え置き
(4):米10-12月期GDP 個人消費大幅に減速
(5):WHO 「緊急事態」を宣言
30日(木)の為替相場
(1):武漢から帰国した邦人 感染確認
中国は、新型コロナウイルスの感染者が7711人となり、死亡者が170人になったと発表。その後、日本では前日に武漢からのチャーター便で帰国した邦人のうち3人がウイルスに感染した事が確認された。
(2):独経済指標 概ね予想通りの結果に
独1月失業者数は0.2万人減少(予想0.5万人増)、独1月失業率は予想通りの5.0%であった。その後に発表された独1月消費者物価指数は前月比-0.6%、前年比+1.7%といずれも予想通りの伸びとなった。
(3):BOE 政策金利(0.75%)を据え置き
英中銀(BOE)は金融政策委員会(MPC)を開き、政策金利(0.75%)と資産買取りプログラムの規模(4350億ポンド)の据え置きを発表。英政策金利先物が5割弱の利下げを織り込むなど、見方が割れていたため、据え置きを受けてポンドは急伸した。議事録も同時に公表され、据え置きの決定が7対2であった事が明らかになった。こちらも、直近の発言から利下げ支持(据え置き反対)が少なくとも3-4人になるとの見方があったため、ポンド買い材料となった。
(4):米10-12月期GDP 個人消費大幅に減速
米10-12月期国内総生産(GDP)は前期比年率+2.1%と市場予想(+2.0%)を上回る伸びを示した。ただ、GDPの7割前後を占める個人消費は+1.8%と予想(+2.0%)を下回り前期(+3.2%)から大幅に減速した。
(5):WHO「緊急事態」を宣言
世界保健機関(WHO)は中国の新型コロナウイルスの感染拡大について、国際的な「緊急事態」を宣言。ただ、「中国との取引や旅行の制限は提言しない」とした上で、テドロス事務局長が「この宣言は中国への不信任投票ではない。WHOはむしろ感染拡大を制御する中国の能力を引き続き信頼している」などと述べた事で過度な警戒感が緩み米国株が反発。円には売戻しが入り、ドル/円やクロス円は反発した。
30日(木)の株・債権・商品市場&外為注文情報
ドル/円の見通し:
市場ムードの大きな好転は考え難い
昨日のドル/円は、約3週間ぶり安値を更新したものの持ち直した。新型コロナウイルスの感染拡大が懸念される中、一時は今月8日以来の安値となる108.58円前後まで下落した。しかし、NY市場終盤には買戻しが優勢となり109.00円付近まで値を戻した。新型ウイルスは中国本土の感染者が7700人を超え、米国でも初めてヒトからヒトへの感染を確認。
こうした中、世界保健機関(WHO)は、前回見送った「緊急事態」を宣言した。ただ、WHOのテドロス事務局長が「中国との取引や旅行の制限は提言しない」と述べた事などから過度な懸念が後退し、米国株は反発して取引を終えた。WHOの「緊急事態」宣言により、各国が感染拡大防止に向けた協調を強めるとの期待も浮上する中、本日のアジア市場の動向が注目される。特に、昨日大きく下落した台湾株や香港株の動きに注目したい。市場心理の悪化に歯止めがかかれば、ドル/円の反発も見込めそうだ。とはいえ、週末を控えて市場のムードが大きく好転する事は考えにくく、109円台前半では上値が重くなりそうだ。