(1)
米連邦準備制度理事会(FRB)のパウエル議長は講演で、「経済を巡る今後の情報が当局の見通しにおおむね合致した状況が続く限り、現行の金融政策スタンスは依然として適切である可能性が高いとわれわれは考える」などと述べた。
(2)
中国は、米国との通商協議で閣僚級の電話会談を行い、「第1段階」の貿易協議を巡る対話の継続で合意したと発表。これを受けて円売りが強まる場面があった。
(3)
ロウ豪中銀(RBA)総裁は、「豪州が量的緩和(QE)を必要とする可能性は低い」「マイナス金利となる可能性は極めて低い」「QEは政策金利が0.25%に達した場合のみ考慮される」などと発言した。
(4)
米11月消費者信頼感指数は125.5と予想(127.0)を下回り、7月をピークに4カ月連続の低下となった。一方、米10月新築住宅販売件数は年率換算73.3万件と予想(70.5万件)を上回った。
(5)
トランプ米大統領は「習中国国家主席と話している」とした上で「米中は『第1段階』の合意に近付いている」との認識を示した。これを受けて米国株が続伸するとともに対豪ドルや対ドルで円安が進行。なお、米国株は主要3指数が揃って連日の史上最高値更新となった。
ドル/円の見通し
昨日のドル/円は、終値ベースで約0.1%の小幅高。米中通商協議を巡る楽観報道を受けて2週間ぶり高値となる109.20円台まで上昇する場面もあった。中国メディアは、米中が閣僚レベルで電話会談を行った事を明らかにし、第1段階の貿易合意に向けて対話を継続する事で合意したと報じた。また、トランプ米大統領は、中国の習国家主席と話をしたとした上で、「第1段階の合意が近い」との見方を示した。
こうした米中通商合意への期待に支えられてドル/円は本日も堅調推移が見込まれる。ただ、月初来高値(109.49円前後)や大規模なオプションの行使価格である109.50円を前に戻り売り圧力も強そうだ。109円台前半では本邦輸出企業のドル売りニーズも観測されている。米中通商協議で実際の合意があれば上抜ける可能性はあるが、「合意期待」だけで109.50円を突破するのは難しいだろう。