(1)
中国と米国は第1段階の貿易合意に『非常に近い』と中国メディアが報じた事を受けて円売りが優勢となった。香港区議会選挙での民主派圧勝を好感して香港株が大幅高となった事も円売りに繋がった。なお、中国政府は前週末に(米中通商協議の争点のひとつである)知的財産権の侵害に対する罰則を強化する方針を表明した。
(2)
独11月Ifo景況感指数(期待指数)は92.1と予想(92.5)には届かなかったが、4カ月ぶりの水準に上昇した。
(3)
英総選挙に絡む政党支持率に関する世論調査で、ジョンソン首相率いる与党・保守党のリードが縮小した事を受けてポンドが下落する場面があった。調査会社ICMとロイターが実施した世論調査で、保守党の支持率が1ポイント低下して41%となった一方、最大野党・労働党の支持率は2ポイント上昇して34%となった。
(4)
米国株主要3指数(NYダウ平均、S&P500、ナスダック)は、米中通商合意への期待などを背景に揃って終値ベースでの史上最高値を更新した。
ドル/円の見通し
昨日のドル/円は終値ベースで約0.3%上昇。NY市場では、米主要株価指数が史上最高値を更新する中、1週間ぶりに108.98円前後まで上値を伸ばした。中国が知的財産権侵害の罰則を強化する意向を表明した事などから米中通商協議の進展期待が高まり株高・円安の動きを後押しした。
アジア株の上昇が見込まれる中、まずは109円台を回復できるかが本日の見どころとなろう。ただ、月初来高値の109.49円を前に109円台前半では戻り売り意欲が強そうだ。本邦輸出企業も、想定レート(日銀短観:2019年度下期108.50円)を上回る水準ではドル売りニーズがある模様。米中通商問題を巡る一段の好材料がなければ109円台前半の壁を突破するのは難しいかもしれない。