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「ドル/円、サポート下抜けで上値重い」 外為トゥデイ 2019年11月15日号

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(1)
日本7-9月期国内総生産(GDP)・一次速報は前期比年率+0.2%と予想(+0.9%)を大きく下回る伸びに留まった。外需の落ち込みで輸出が0.7%減少した事が重しとなった。ただ、4-6月期GDPは+1.3%から+1.8%に上方修正された。

(2)
豪10月雇用統計が新規雇用者数1.90万人減、失業率5.3%といずれも予想(1.50万人増、5.2%)より弱い内容となった事を受けて豪ドル売りが強まった。その後、中国10月鉱工業生産が前年比4.7%に留まり予想(+5.4%)を下回ると下げが加速。なお、中国10月小売売上高も前年比+7.2%と予想を下回った。

(3)
独7-9月期GDP・速報値は前期比+0.1%と予想(-0.1%)に反して増加。2四半期連続でのマイナス成長は回避した。なお、その後に発表されたユーロ圏7-9月期GDP・改定値は速報値と変わらず前期比+0.2%のままだった。

(4)
米10月生産者物価指数は前月比+0.4%、前年比+1.1%といずれも予想(+0.3%、+0.9%)を上回る伸びとなった。一方、同時に発表された米新規失業保険申請件数は22.5万件と予想(21.5万件)を上回って前週(21.1万件)から悪化した。

(5)
米国株が下げて始まり、米長期金利が低下幅を拡大すると、108.50円前後のストップロスを巻き込んでドル/円の下落が加速。クロス円もこれに連れて下落した。

(6)
英FT紙が、米中は「第1段階」の通商合意の取りまとめに難航しており、米国が対中関税を発動する12月15日までに合意できない可能性があると報じた事を受けてドル/円は一段安となった。

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ドル/円の見通し

 昨日のドル/円は終値ベースで約0.4%下落。NY市場では米中通商協議が「第一段階」の合意取りまとめで難航しているとの英紙報道を受けて108.24円前後まで下値を拡げる場面もあった。英紙によると、協議進展の遅れは中国が原因で、数日中に合意が成立する可能性は低下したとの事。なお、中国はこれより前に「既存の関税を撤廃する事がいかなる合意にとっても重要な条件だ」と表明していた。

 ドル/円は昨日の下落で108.60円台の短期サポートを下方ブレイクしており、下値余地は心理的節目の108.00円や月初来安値の107.89円前後まで拡大したと考えられる。本日も、米中通商協議や香港情勢の不透明感がくすぶる中、週末を控えて上値の重い展開となりそうだ。もっとも、米中通商協議の進展が伝われば急反発するリスクがあるだけに、108円割れを試す機運が一気に高まる事も考えにくいだろう。

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