英議会の選挙問題で短期的には調整か?
ジョンソン首相がEUと取りまとめた離脱案に対して、英下院は19日に関連法案が成立するまで採決を保留する決定をしました。これに対してジョソン首相は早期に成立させるための議事進行動議を提出しましたが議会は22日に否決。ジョンソン首相はEUに31日の離脱延期を申請し、それに対してEUは延期を認めた上で新しい期限に関してはこれから数日かけて決定する模様です。
ジョンソン首相は離脱案成立が期限内の離脱が難しくなったとして12月12日の総選挙を行う動議を英下院に提出しました。総選挙のためには英下院での3分の2の賛成が必要ですが、労働党の賛成を得ることは難しく動議の通過は難しい状況です。
相変わらず英国議会では不安定な要素が出てきていますが、マーケットしては合意なき離脱が無ければポンドは売られないという状況が続いています。ポンド/ドルは8月12日に1.2015、9月3日に1.1960、10月8日は1.2195と3度1.2割れを試しに行きましたがサポートされ1.3台に反発しました。
IMMの通貨先物のポンドのポジションは8月6日の週に差し引き102,000枚のショートまで増加し、その後10月22日の週は52,000枚まで減少しています。2017年のときも10万枚越えでポンドの下落は一服し反発しました。
今回の上昇でマーケットのショートもだいぶ解消された可能性があります。
短期的にはポンドは高値からの調整で押し目を探るうごきになると思われます。
ポンド/ドルは1.3まで上昇していったん調整となり、短期的には1.27がサポートとして機能していますが、ここを下抜けすると1.25付近への下落と思われます。
ポンド/円は141.60円付近まで上昇しましたが、このレベルは2018年1月の高値156.60~2019年8月の安値126.50の50%戻しにあたりそこが高値となりました。
250日線が138.40付近、そこを下抜けすると136円付近がつぎのサポートと思われます。
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株式会社ADVANCE代表取締役 米系のシティバンク、英系のスタンダード・チャータード銀行で、20年以上にわたり、為替ディーラーとして活躍。現在は投資情報配信を主業務とする株式会社ADVANCE代表取締役。ドル、ユーロなどメジャー通貨のみならず、アジア通貨をはじめとするエマージング通貨でのディーリングについても造詣が深い。また、海外のトレーダー、ファンド関係者との親交も深い。YouTubeなどで個人投資家に対して為替に関する情報を発信しており、人気を博している。