(1)
仏10月製造業PMIが50.5、同サービス業PMIが52.9といずれも予想(50.2、51.6)を上回った事を受けてユーロ買いが強まった。しかし、独10月製造業PMIが41.9、同サービス業PMIが51.2と、揃って予想(42.0、52.0)を下回ると一転してユーロ売りに傾いた。
(2)
欧州中銀(ECB)は、予想通りに主要政策金利を0.00%に据え置き、預金ファシリティ金利も-0.50%に据え置いた。声明では「インフレが、目標にしっかりと近づくまで政策金利を現行かさらに低い水準に維持」「来月1日から毎月200億ユーロの債券買入れを開始」「必要な限り債券買入れを継続」と表明した。
(3)
ドラギECB総裁は退任前の最後の定例会見を行い「ユーロ圏経済の弱さは長期化している」「下振れリスクは顕著でインフレは低い」「経済見通しのリスクは下方向のまま」などと、暗い見方を強調。自身へ評価を問われると「できる限り最善の方法で職務を全うしようとしてきた」と述べた。
(4)
米9月耐久財受注は前月比-1.1%と予想(-0.7%)以上に落ち込んだ。輸送用機器を除いた受注も前月比-0.3%と予想(-0.2%)を下回った。一方、米新規失業保険申請件数は21.2万件と、予想(21.5万件)より少なかった。
(5)
ジョンソン英首相は総選挙の前倒し実施を求める動議を28日に下院で採決すると発表。その後、労働党のコービン党首は「合意なき離脱の可能性が排除されるなら総選挙を支持する」と述べた。
(6)
ペンス米副大統領が対中関係についてスピーチを行い「中国が不公平な貿易取引を止めれば米国は新たな未来を用意」「香港における中国の行動は自由や権利を抑圧」「トランプ政権は中国からの分離を求めていない」などと述べた。
ドル/円の見通し
昨日のドル/円は終値ベースで0.1%未満の小幅安。ペンス米副大統領による対中関係に関するスピーチにも大きなサプライズはなく、108.50-70円台を中心に小幅な値動きとなった。本日も決定打に乏しく108円台半ば付近でもみ合う展開が続きそうだ。5日移動平均線(執筆時:108.60円前後)付近で推移している点から見ても、週末を控えた短期筋のポジション調整が相場の方向性に強く影響する公算は小さいだろう。
来週は今週と打って変わって、米連邦公開市場委員会(FOMC)、日銀金融政策決定会合、米10月雇用統計など重要イベントが続く事も様子見ムードに拍車をかけそうだ。
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