※ライブ配信終了後は、録画動画に切り替わります。
<概況(7/10)>
・ドル円は午前中に急落。162円40銭台から一時161円29銭前後まで1円超下落し、現在は161円40銭台で推移
・きっかけは片山さつき財務大臣の発言。介入ではなく発言主導の下落で、東京時間としては久々の大相場となった
<前営業日(7/9)の振り返り>
・ トランプ大統領:「イランとの戦争が再び始まることはないと思う」と発言。6月の停戦合意破綻への警戒がやや後退し、過度なリスク回避が和らいでドル円も下落
・中国物価:6月CPIは前年比+1.0%(予想+1.1%・前月+1.2%を下回る)。PPIは+4.1%で予想通り、前月3.9%から加速し2022年7月以来の高水準。ただ原油高要因が大きく、豪ドルへの影響は限定的
・ECB議事要旨:6月理事会(約3年ぶり利上げ)分を公表。「連続利上げか一度限りかを示唆せず中立的発信を維持すべき」と強調。当面据え置き予想は変わらず
・米新規失業保険申請:21.5万件(予想・前週21.7万件を下回る)。4週平均も21.9万件へ減少。労働市場は底堅いが、市場の関心はイラン情勢中心で反応薄
<今日の下落要因:片山財務大臣発言(9時半過ぎ)>
・金融政策の具体的手法は日銀に委ねられるべき/金利の具体的水準には言及しない
・財政の持続可能性を確保し、債券市場の信認を得ていく。債務対GDP比の引き下げを実現
・積極財政の下では「巡航的に金利が上がる」ことを想定
・最大の材料 → 「GPIFなど年金基金による日本の金融資産投資を後押しする」
<GPIF論点>
・2026年3月末時点で運用資産残高約293兆円、直近実績は+41兆円
・基本方針は国内外の債券・株式に25%ずつ。3月末実績は国内債券26.91%・外国債券24.5%前後・国内株式約23.8%・外国株式約24.8%
・国内債券への配分増観測 → 債券利回り低下 → 悪い金利上昇が止まり円が買い戻された、との市場解釈
・比率を1%動かすだけで約3兆円規模が動く計算(介入1発が約12兆円弱だったのと比べても大きい)。急落で高をくくっていた短期筋の慌てた損切りも下落を加速
・注意点:2025年9月の日米財務相共同声明で「海外投資はリターン・分散化目的であり、為替レートを目標としない」と申し合わせ済み。GPIF側も発言を承知しつつコメントは差し控え。現時点は噂ベースの反応で、一時的にとどまり値を戻す可能性も。ただし東京時間で大きく下げた分、ロンドン勢参入時に再反応する余地はある
<結論>
・今日のドル円急落は介入ではなく片山財務大臣のGPIF関連発言が主因。国内資産への投資後押し=円安要因後退との連想と、膨らんでいた円売りポジションの巻き戻しが重なって1円超下げた
・ただし具体策は不明で現状は噂ベースの反応。GPIF側もコメントを控えており、東京時間では下げ渋りも見られるため、一時的な下落で戻す可能性と、ロンドン勢での再反応の両にらみ
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外為どっとコム総合研究所 情報企画部 為替アナリスト中村 勉(なかむら・つとむ)
米国の大学で学び、帰国後に上田ハーロー(株)へ入社。 8年間カバーディーラーに従事し、顧客サービス開発にも携わる。 2021年10月から(株)外為どっとコム総合研究所へ入社。 優れた英語力とカバーディーラー時代の経験を活かし、レポート、X(Twitter)を通してFX個人投資家向けの情報発信を担当している。
経済番組専門放送局ストックボイスTV『東京マーケットワイド』、ニッポン放送『飯田浩司のOK! Cozy up!』などレギュラー出演。マスメディアからの取材多数。
