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【見通し】ロンドン為替見通し=ユーロドル、ECB副総裁の講演で金融政策の方向性を見定め

本日のロンドン為替市場でも中東情勢は気にかけながらも、ユーロドルは序盤のブイチッチ欧州中央銀行(ECB)副総裁の講演内容でECBの政策方針を見定めながらの取引となりそうだ。

 昨日公表されたECB理事会議事要旨(6月10-11日分)では、全会一致での利上げ決定の背景として、エネルギーショックによるインフレが「もはや一時的とみなせない段階」に入ったとの認識が示された。コアインフレは見通し期間全体で2%超が続く見込みとなり、上振れリスクが意識されている。一方で「特定の金利経路への事前コミット」は明確に回避され、「データ次第・会合ごと」の姿勢が堅持された。9月利上げはベースラインに織り込まれているものの、確約はない。

 ラガルド総裁は9日のインタビューで「約3年以内にインフレ率を2%に戻すことを目指す」との中期目標を改めて示した。エネルギー価格が将来的に低下する前提と大きなベース効果が、インフレを2027年後半に目標水準へ押し下げるとみている。こうしたシナリオを前提とした政策運営が基本であり、急激な引き締めには前のめりではない姿勢だ。同総裁はフランス大統領選への出馬を否定したものの、任期前退任の可能性は完全には払拭されておらず、ECBの司令塔としての求心力を市場が見定めようとしている側面もある。

 こうした状況のなか、本日の焦点は穏健なタカ派として知られるブイチッチ副総裁の発言だ。同氏は先月、「ユーロ圏の成長は当初の予想よりショックへの耐性が高い」と述べており、景気の底堅さを根拠に追加利上げの余地を示唆していた。本日も同様のスタンスが確認されれば9月利上げ観測を補強しユーロの支えとなりうるが、ラガルド総裁の慎重な枠組みとの温度差が意識されれば方向感は出にくい。

 なお、ドイツ銀行は米国の資金調達構造が国債中心から株式中心に移行しつつあることで、リスクオフ局面での「ドル買い」という従来の相関が変化する可能性を指摘している。中東情勢の緊張が続くなかでも、ドルの方向感が従来ほど一方的にはなりにくいとすれば、ユーロドルの反発余地を探る材料として意識されるかもしれない。

想定レンジ上限
・ユーロドル、6月18日高値1.1528ドル

想定レンジ下限
・ユーロドル、8日安値1.1391ドル


(小針)

・提供 DZHフィナンシャルリサーチ