
主要通貨ペア(ドル/円、ユーロ/円、豪ドル/円、ポンド/円)について前営業日の値動きをわかりやすく解説し、今後の見通しをお届けします。
作成日時 :2026年7月3日8時30分
執筆・監修:株式会社外為どっとコム総合研究所 為替アナリスト 中村勉
目次
▼2日(木)の為替相場
(1):豪2カ月ぶりの貿易赤字
(2):不意打ちの円買い介入への警戒感が高まる
(3):ドル/円 下げ足を速める
(4):三村財務官「一切コメントは控える」
(5):弱い米雇用統計
▼外為注文情報/ ▼本日の予想レンジ/ ▼ドル/円の見通し:方向感を模索する展開/ ▼注目の経済指標・イベント
2日(木)の為替相場

期間:2日(木)午前6時10分~3日(金)午前5時55分 ※チャートは30分足(日本時間表示) 出所:外為どっとコム
(1):豪2カ月ぶりの貿易赤字
豪5月貿易収支は30.18億豪ドルの赤字となり、市場予想(21.75億豪ドルの黒字)に反して 2カ月ぶりに赤字を記録した。金や鉄鉱石の輸出が急減した一方、航空機や自動車などの輸入が急増したことで赤字幅は2015年12月以来の大きさとなった。
(2):不意打ちの円買い介入への警戒感が高まる
ロイター通信は、事情に詳しい複数の関係者の話として、「日本政府は投機的な為替円安への介入姿勢そのものは崩していない。約40年ぶりの円安進行に対するけん制発言(口先介入)は手控え気味だが、円売りを仕掛ける投機筋に痛手を負わせる狙いも透ける」と報じた。また、別の関係者が「今後介入が行われる場合には、4月30日に行われたような強い警告は発出されない可能性がある」との見解を示したと伝えた。なお、4月30日に政府・日銀が行った円買い介入の直前には、三村財務官が「最後の退避勧告」だと強調して、事実上介入を予告していた。ロイターの報道を受けて不意打ちの円買い介入への警戒感が高まった。
(3):ドル/円 下げ足を速める
韓国財政経済省の許章次官が記者会見で、為替の安定に向けた日本との連携の可能性について問われた際、「われわれは常に日本やその他の関係国と緊密に連携し、情報を綿密に交換している」と回答したことが伝わった。直後にドル/円は162円台を下抜けて下げ足を速めた。日韓協調ドル売り介入の可能性が意識されたとの見方や、日銀が「レートチェック」を実施したとの観測が出ていた。
(4):三村財務官「一切コメントは控える」
財務省の三村財務官は、ドル/円相場が一時160円台に急落したことについて「何も申し上げるつもりはない。一切コメントは控える」と記者団に向けて発言。足元の円相場の水準については「評論めいたことを言うつもりはない」と話した。
(5):弱い米雇用統計
米6月雇用統計で、非農業部門雇用者数は前月比5.7万人増にとどまり市場予想(11.3万人増)を下回った。4月及び5月分が合計で7.4万人下方修正されたことを受け、3カ月平均の増加幅は11.1万人となり、前月時点の16.4万人から減少した。一方、失業率は市場予想および前月の4.3%より低い4.2%に低下。労働参加率が61.5%と2021年3月以来の水準に低下しており、労働市場からの退出者が増加したことが失業率を押し下げた。6月の平均時給は前月比+0.3%、前年比+3.5%と予想通りの伸びだった。同時に発表された米新規失業保険申請件数は21.5万件と市場予想(21.8万件)より少なく、前週(21.6万件)からわずかに減少した。4週平均の申請件数は22.2万件に減少した(前週時点:22.5万件)。
2日(木)の株・債券・商品市場
日経平均: 68733.15 ▼1,741.81
豪ASX: 8724.493 △1.586
上海総合: 4028.904 ▼83.541
英FT: 10652.87 △174.53
独DAX: 25580.88 △540.60
NYダウ: 52900.07 △594.83
日10年債: 2.785 △0.074
豪10年債: 4.8211 △0.0346
英10年債: 4.776 △0.020
独10年債: 2.904 △0.026
米2年債: 4.1371 ▼0.0373
米10年債: 4.4832 △0.0041
NY原油: 68.69 △0.11
NY金: 4125.70 △43.30
ドル/円 外為注文情報(FX板情報・オーダー状況)

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人気通貨ペア 本日の予想レンジ
ドル/円: 160.600 ~ 161.800
ユーロ/円: 183.600 ~ 184.800
ポンド/円: 214.300 ~ 215.900
豪ドル/円: 111.100 ~ 111.900
ドル/円の見通し:方向感を模索する展開
昨日のドル/円は約0.9%下落。「今後為替介入が行われる場合には、4月30日に行われたような強い警告は発出されない可能性がある」と一部通信社が報じたことで、本邦政府・日銀による円買い介入への警戒感が急速に高まった。NY時間に発表された米6月雇用統計で、非農業部門雇用者数が市場予想を大幅に下回りドルが売られたことも相まって、ドル/円は一時160.63円前後まで急落した。 円買い介入への警戒感が引き続き円売りの勢いを抑制するほか、弱い米6月雇用統計の結果を受けて米連邦準備制度理事会(FRB)の早期利上げ観測が後退したことで、ドルを積極的に買い進める材料もない。一方で、介入警戒感以外に円を買う材料もない。加えて、本日は米国が独立記念日(7月4日)の振り替え休日で、米株式・債券市場が休場となるため、NY時間は市場参加者が減少する。本日のドル/円は新たな材料待ちとなり、方向感を模索する展開となる公算が大きい。
注目の経済指標・イベント
07/03 (金)
10:45 (中) 6月RatingDogサービス業PMI
17:00 ◎ (ユーロ圏) ラガルドECB総裁講演
24:00 ◎ (ユーロ圏) ナーゲル独連銀総裁、ベイリーBOE総裁講演
07/04 (土)
17:00 (ユーロ圏) ブイチッチECB副総裁講演
18:00 (ユーロ圏) ムーラン仏中銀総裁講演
外為どっとコム総合研究所 情報企画部 為替アナリスト中村 勉(なかむら・つとむ)
米国の大学で学び、帰国後に上田ハーロー(株)へ入社。 8年間カバーディーラーに従事し、顧客サービス開発にも携わる。 2021年10月から(株)外為どっとコム総合研究所へ入社。 優れた英語力とカバーディーラー時代の経験を活かし、レポート、X(Twitter)を通してFX個人投資家向けの情報発信を担当している。
経済番組専門放送局ストックボイスTV『東京マーケットワイド』、ニッポン放送『飯田浩司のOK! Cozy up!』などレギュラー出演。マスメディアからの取材多数。
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