選挙結果と円安トレンド:減税志向と実質金利マイナスの影響
【明快!テクニカルレビュー】
収録日:7月20日
動画配信期間:公開日から3カ月間
動画解説
相場分析ポイント解説・通貨ペア分析
与党大敗と円安圧力の高まり
選挙結果は予想通り与党が大敗となった。減税を訴える政党が多く、国民の大勢がそちらに傾いたが、減税や給付には財源が必要で将来の増税につながることは否定できない。こうした状況では日銀の金利引き上げは困難で、実質政策金利は大幅なマイナスとなっており、放っておけば円安に動く構造となっている。
ファンダメンタルズ的にはインフレ進行の可能性が高く、対円通貨ペア全般で円安方向への動きが見られる。
対円ペアの上昇トレンド確立
ドル円: 先週水曜日の下押し後、木金の陽線で全て埋めて終値ベースで高値引け。3本の移動平均線が扇形に開き、長期移動平均線も右肩上がりに転換しており、上昇トレンド入りと判断される。
ユーロ円: ドル円以上に堅調で、金曜日の陽線で戻り高値を超えた。MACDが高位で横ばいながら、適度な調整を入れて再び買われる展開で過熱感は出ていない。チャート的には買いとしか言いようがない状況。
ポンド円・豪ドル円: 両者とも高値を更新して高く引け、移動平均線は上昇傾向。豪ドル円は対円ペアの中で最も勢いが弱いが、それでも売りに転じるには陰線が何本か連続する必要がある。
対ドルペアの方向転換兆候
当初想定していたアメリカ経済減速によるドル売りシナリオからは遠ざかった印象だ。
ユーロドル: 先週水曜日の上髭で跳ね返され、中期移動平均線とのデッドクロス後も実体線が上昇を続けている。1.15台中盤で中期移動平均線が右下がりに転じてからの売りタイミングを待つべき状況。
ポンドドル: 3連続陰線でMACDも0ライン割れ。売り買いどちらかと言えば売りを持ちたい状況。
豪ドル米ドル: 上値下値とも切り下げ、短期・中期移動平均線がデッドクロス。ドル買いを織り込む動きと見れば納得感がある。
市場の方向性
対ドルではなく対円で円安方向に動きかけている。これが日本の将来インフレ織り込みか、実質政策金利の大幅マイナスによるポテンシャル的円安かは判断が難しいが、チャート的には円安方向への動きが鮮明になっている。
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井上義教 氏株式会社チャートリーディング 代表取締役 昭和39年東京都生まれ。 昭和63年大阪大学経済学部卒業、同年大和銀行入行、平成3年よりロンドンの証券現法にてディーリング業務に従事。 平成15年に退社するまで為替・債券・スワップ市場を歴任、チーフディーラーとしてチームを統括。 平成28年 株式会社チャートリーディング設立とともに代表取締役に就任。
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