株式会社外為どっとコムの完全子会社である株式会社外為どっとコム総合研究所(以下、「外為どっとコム総研」、本社:東京都港区、代表取締役社長:竹内 淳)は、個人投資家の外為投資に役立つ外国為替情報の調査・研究を行なっております。今回、FX投資家の実態を調査しましたので、お知らせします。
5月為替相場、複数話題が交錯もトレンドは形成せず FX個人投資家、利益積み上げ 【外為どっとコム総研FX投資家調査2025年5月】
一般社団法人金融先物取引業協会 FX投資家動向まとめ
取引金額は減少
金融先物取引業協会が6月13日に公表した資料によると、2025年5月の店頭FXにおける取引金額は1338兆円と、4月の1469兆円から約8.92%減少した。主要な取引通貨ペアであるUSD/JPY(米ドル/円)の取引額は約3.4%減少、AUD/JPY(豪ドル/円)は約53%減少、EUR/JPY(ユーロ/円)も41%減少と、クロス円の取引額の減少が全体を押し下げる要因になった。一方、月末時点の未決済ポジション合計は約8.4兆円で、前月比0.9%増加した。
取引金額上位の5通貨ペアは、USD/JPY(米ドル/円)・AUD/JPY(豪ドル/円)・EUR/JPY(ユーロ/円)・GBP/JPY(ポンド/円)・EUR/USD(ユーロ/米ドル)の順だった。
図1.取引金額とポジション計
(出所)金融先物取引業協会の「店頭FX月次速報」をもとに、当社が作成
左軸-取引金額、右軸-ポジション計
グラフ中のデータ単位は百万円
株式会社外為どっとコムFX投資家動向2025年5月
TRY(トルコリラ)が取引割合を拡大
FX口座数が59万件を超える株式会社外為どっとコムの協力の下、2025年5月のFX投資家動向を調査した。
【調査概要】
調査対象:株式会社外為どっとコムのFXサービス「外貨ネクストネオ」利用者(約59万口座)
調査機関:株式会社外為どっとコム総合研究所
調査対象:調査期間中にFXサービス「外貨ネクストネオ」の新規口座開設およびFX取引をした顧客
調査期間:2025年5月1日6:00 ~ 2025年5月31日6:00
調査方法:対象期間中の取引データより抽出
(特定の個人を識別できないよう個人情報を匿名化した上で行っております。)
FX取引における実現損益
5月のFX取引において実現益を出した投資家の割合は55.2%と、4月の48.1%から大きく上昇した。一方で、実現損を出した投資家の割合は44.8%と、4月の51.9%から低下した。各通貨の値幅が比較的広がったものの、結局は方向性なく往来相場となったため、相場の流れと反対のポジションを持ったFX個人投資家も、十分な資金を確保しておけば、利益確定の機会に恵まれたとみられる。こうした点が、実現益を得た投資家の割合が増加した要因と考えられる。
図2.取引参加者の損益
通貨ペア別取引者数
通貨ペア別取引者数のトップ10は、USD/JPY(米ドル/円)・AUD/JPY(豪ドル/円)・TRY/JPY(トルコリラ/円)・GBP/JPY(ポンド/円)・EUR/JPY(ユーロ/円)・MXN/JPY(メキシコペソ/円)・EUR/USD(ユーロ/米ドル)・NZD/JPY(NZドル/円)・ZAR/JPY(南アフリカランド/円)・GBP/USD(ポンド/米ドル)の順。
相変わらずUSD/JPY(米ドル/円)がシェア1位を維持している。また、割安感からTRY/JPY(トルコリラ/円)の押し目買いの動きが見られ、TRY/JPY(トルコリラ/円)を取引する参加者の割合が増加した。一方で、MXN/JPY(メキシコペソ/円)を取引する投資家は減少した。
※現在の取引保証金額はコチラで参照いただけます。
図3.通貨ペア別取引者数
平均取引数量
FX投資家の1注文あたりの平均取引数量は4.1万通貨(41 lots)と変わらなかった。前月と同様に不確実性の高い相場環境が続き、個人投資家も慎重姿勢を崩しておらず、平均取引量は1-3月の平均である47.3 lotsから減少している。
USD/JPY(米ドル/円)は、1 lotあたり5,800円の必要保証金(6/13時点、法人口座除く)がかかるため、1注文あたりの必要保証金額は約23万7,800円となる。TRY/JPY(トルコリラ/円)は、1 lotあたり200円の必要保証金(6/13時点、法人口座除く)がかかるため、1注文あたりの必要保証金額は8,200円となる。
※現在の取引保証金額はコチラで参照いただけます。
図4.平均取引数量
口座の開設期間
取引をしたFX投資家の口座開設後の期間は、平均117カ月(9年9カ月)と、前月から縮小した。
図5.口座開設期間
FX投資の年齢分布
FX投資家の年代別では50代が31.4%でトップ。次に40代が29.8%で続き、以下、60代の14.5%、30代の12.4%と続いた。ミドルシニア世代の割合は7割を超える状態が続いている。
図6.取引参加者の年齢構成
FX口座開設者動向
新規にFX口座を開設した投資家は、40代が26.9%でトップとなった。続いて、30代の22.2%、50代の20.5%、20代の17.1%となった。
図7.口座開設者の年齢構成
まとめ
2025年5月のUSD/JPY(米ドル/円)相場は、日銀の利上げを巡る慎重姿勢、米中通商協議の進展、米国債の格付け引き下げ、米国の税制・歳出法案(大きくて美しい法案)の審議などが影響し、142.096円~148.652円の範囲で変動した。値幅は前月の10円50銭から縮小し約6円50銭と相場環境が落ち着きを取り戻しつつある様子も垣間見られるが、依然として見通しへの不確実性が高い中、USD(米ドル)売り、USD(米ドル)買い両方向の材料が交錯したため、大きなトレンドは出なかった。このような市場の変動に対応しながら、個人投資家は利益を積み上げた。明確なトレンドが出ず、元のレベルへ回帰するような相場展開は、FX個人投資家が利益を得やすい市場環境と考えられる。
※過去の調査結果は、マネ育ch( https://www.gaitame.com/media/ )よりご参照ください。
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