メキシコペソや豪ドルなど投資家にとって魅力的な通貨の最新状況について、これまでの動向や注目ポイントについて解説します。
作成日時 :2025年4月18日14時00分
執筆・監修:株式会社外為どっとコム総合研究所 調査部長 神田卓也
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執筆:外為どっとコム総合研究所 神田 卓也
南アフリカランド/円(4時間足)
※レポート内の為替レート・チャートは外為どっとコム「外貨ネクストネオ」を参照
先週の南アフリカランド/円は7.5円台を中心にもみ合う展開
14日、7.494円前後で取引が始まったランド/円は7.614円前後まで反発。トランプ米大統領が関税措置に「ある程度の柔軟性」を持たせる考えを示したことで市場心理が改善する中、ランド買い・円売りが優勢となりました。ただ、7.6円台の上値は重く、終値は7.567円前後でした。翌15日も7.634円前後まで上昇する場面はありましたが、クローズは7.529円前後。一方、16日には7.458円前後まで下落しましたが、7.4円台に入ると下値は堅くNYダウ平均が700ドル近く下落したにもかかわらず7.5円台に持ち直しました。17日も7.5円台を割り込む場面があったものの、日米関税交渉で為替が議題にならなかったことを受けて円売りに傾いたため7.583円前後まで反発。18日の東京市場では多くの国がイースター休暇で祝日となる中、7.532-7.571円前後の狭いレンジで取引されています。
今週の南アフリカランド/円の注目ポイントはCPI
23日に南ア3月消費者物価指数(CPI)が発表されます。市場予想は前年比+3.0%となっており、中銀のインフレ目標である3-6%の下限に達すると見られています。仮にCPIが予想を下回れば5月の利下げ観測が強まりやすいでしょう。もっとも、中銀は前回3月会合で政策金利を7.50%に据え置き、「インフレは抑制されているものの、米政権の関税措置や、南アの予算を巡るこう着状況などに起因するリスクを見極める必要がある」と表明。追加利下げに慎重な姿勢を示しました。米政権の関税措置は次々と打ち出されていますが、現在交渉中の国が多く全貌はまだ明らかになっていません。また、南アフリカの予算案は成立しましたが、5月1日からの付加価値税(VAT)引き上げを含むためインフレを押し上げる公算が大きいと見られています。市場としては5月の利下げを南アのCPIだけで判断する訳にはいかないでしょう。
今週の南アフリカランド/円の見通し
予想レンジ
7.400-7.650円
基調
方向感模索
今週の注目ポイント
☆4/23 南ア3月CPI
・主要国株価、国際商品価格
南アフリカランド/円(ZAR/JPY) FX為替レート・チャート

神田 卓也(かんだ・たくや)
1991年9月、4年半の証券会社勤務を経て株式会社メイタン・トラディションに入社。 為替(ドル/円スポットデスク)を皮切りに、資金(デポジット)、金利デリバティブ等、各種金融商品の国際取引仲介業務を担当。 その後、2009年7月に外為どっとコム総合研究所の創業に参画し、為替相場・市場の調査に携わる。2011年12月より現職。 現在、個人FX投資家に向けた為替情報の配信を主業務とする傍ら、相場動向などについて、経済番組専門放送局の日経CNBC「朝エクスプレス」や、ストックボイスTV「東京マーケットワイド」、ニッポン放送「飯田浩司のOK! Cozy up!」などレギュラー出演。マスメディアからの取材多数。WEB・新聞・雑誌等にコメントを発信。
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