執筆:外為どっとコム総合研究所 中村 勉
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今週の振り返り
今週の豪ドル/円は90.50円前後で、ニュージーランド(NZ)ドル/円は83.79円前後で週初を迎えました。前週に米中貿易戦争激化への懸念でリスク回避姿勢が急速に高まりましたが、今週は米中が部分的な追加措置を発表したものの、歩み寄りの姿勢を見せるなどしたことで過度のリスク警戒感が後退。リスクセンチメントに敏感な豪ドルやNZドルが買われました。 一連の関税政策をめぐる混乱が米国の信認を低下させ、米ドルが売られやすい地合いの中、NZドル/米ドルは昨年11月8日以来となる0.60ドル手前まで上値を伸ばし、豪ドル/米ドルは約2カ月ぶりとなる水準まで上昇しました(執筆時)。
米製造業の景況感に注目
来週は21日がイースター・マンデー(復活祭翌日の月曜日)、25日はアンザックデー(第一次世界大戦や第二次世界大戦などに参加した兵士の追悼日)のため、オーストラリア、NZともに祝日となります。また、経済指標の発表は22日のNZ3月貿易収支以外にめぼしいものはないため、豪ドルやNZドルは外部要因による値動きが中心となりそうです。米国の経済指標では4月の製造業購買担当者景気指数(PMI)・速報値が注目です。相互関税は一部延期となりましたが、すでに発効されている中国への大幅な関税もあることから、米製造業の景況感は4カ月ぶりに好不況の分岐点となる50.0を下回ると現時点で市場は予想しています。予想以上に悪化していた場合には、鉱物資源を多く輸出している豪ドルにはマイナスの材料となるでしょう。
その他では、来週も引き続きトランプ米大統領の関税政策に関する発言に注意です。このところの動きを見ると、トランプ政権が朝令暮改を繰り返す関税政策を受けて、市場では米国への信認が低下しています。米関税政策に新たな進展があった際は米ドル中心で動きますので、豪ドルやNZドルは対米ドルの値動きもしっかり見ておくと良いでしょう。
豪ドル/円のテクニカル分析
今週の豪ドル/円は89円台半ば~91円台半ばと比較的狭いレンジ内での動きとなりました。目先の下値目途は今週14日安値の89.57円前後になります。ここを下抜けた場合には、日足一目均衡表の転換線や11日安値の88.29円前後が意識されそうです。一方上値は15日高値の91.40円前後が目先の上値目途となります。ここを上抜けると4日高値の92.65円前後が意識されそうです。
【豪ドル/円 日足・一目均衡表】
予想レンジ:AUD/JPY:88.00-92.00、NZD/JPY:82.50-86.50
4/21週のイベント:
04/21 (月) 10:00 中国 1年物/5年物ローンプライムレート公表
04/22 (火) 07:45 NZ 3月貿易収支
一言コメント:
先日、少し時間があったので30分ほど散歩しました(約3キロ)。その影響もあったのか、ここ数日足のしびれや腰痛が和らいでいます。因果関係は不明ですが、気分的にも適度な運動は必要ですね。
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中村 勉(なかむら・つとむ)
米国の大学で学び、帰国後に上田ハーロー(株)へ入社。 8年間カバーディーラーに従事し、顧客サービス開発にも携わる。 2021年10月から(株)外為どっとコム総合研究所へ入社。 優れた英語力とカバーディーラー時代の経験を活かし、レポート、X(Twitter)を通してFX個人投資家向けの情報発信を担当している。
経済番組専門放送局ストックボイスTV『東京マーケットワイド』、ニッポン放送『飯田浩司のOK! Cozy up!』などレギュラー出演。マスメディアからの取材多数。
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