「ドル/円」をデイトレードする上でFX個人投資家が事前にインプットしておきたいトレードシナリオなどを、ギュッとまとめました。
執筆:外為どっとコム総合研究所 宇栄原 宗平
X(Twitter) : https://twitter.com/gaitamesk_ueha
最新のマーケット情報まとめ
現状分析
- ドル円相場は日銀会合がきっかけに一時150円台へ上昇
- 金融政策は現状維持で大きな動きはなかったが、植田総裁の記者会見発言で円安が加速
- 特に「基調的な物価の上昇率は徐々に高まっているが、なお2%を下回っている」発言が円売りの要因に
- その後、トルコの政治リスク(イスタンブール市長の拘束)を受けたリスク回避の動きで伸び悩み
日銀会合の総括
- 総合的な印象としては「利上げを急いでいない」
- 5月の利上げ可能性は低く、6月の可能性は幾分残る
- 今後のデータ次第という基本姿勢は変わらず
- 今週発表される日本のCPI結果も重要
本日のFOMC注目ポイント
1. ドットチャート(金利見通し)
- 前回(12月)は2025年内に2回の利下げを予測
- 市場は年内3回の利下げを3〜4割程度織り込み
- 年内2回の利下げ見通しならドル買い要因、3回への修正ならドル売り要因
- 利下げ回数が1回に減少する可能性も(インフレ再加速懸念)
2. パウエル議長の記者会見
- 次の利下げ時期(市場は早くて6月と予想)
- トランプ政権の関税政策によるインフレ見通しへの影響
- 景気減速懸念とインフレ高止まりのジレンマ(スタグフレーション懸念)
- 前回は「経済は底堅い」という見解だった
今後の見通し
- 当面はドル売りの方向には行きづらい状況
- 一時的なドル安があっても、押し目買いの好機になる可能性
- 市場のメインシナリオ:政策金利据え置き、ドットチャートは2回のまま
テクニカル分析
- 日足チャートでは10・20日線を突破して上値を試す展開
- 10日線が上向きに転換し、反発基調が強まる
- 10日線を下抜けない限り、どこかで反発する可能性が高い
- 150円を明確に突破した後の上値ターゲットは戻り高値の151.30円
- 151.30円突破で高値を切り上げ、下落トレンドが解消される可能性
結論
本日のFOMCがドル円相場の方向性を左右する重要な局面。テクニカル的には上昇基調が強まっており、150円の明確な突破で151.30円目指す展開となる可能性が高い。FOMCでのドットチャートとパウエル議長の発言内容が鍵となる。
お知らせ
「UsUP(ユーズアップ)リスト」では、FXトレードの考え方などをお伝えしています。無料でダウンロードすることができます。FX口座ログイン後に「マイページ」に入っていただき、会員限定コンテンツ集からダウンロードが可能です。ぜひご活用ください。
『最新のドル/円相場を解説』
経済指標・イベントの結果について
主要な経済指標・重要イベントの結果について、最新情報は外為どっとコムサイトの「経済指標カレンダー」で確認できます。
お知らせ:FX初心者向けに12時からライブ解説を配信
外為どっとコム総合研究所の調査部に所属する外国為替市場の研究員が、FX初心者向けに平日毎日12時ごろからライブ配信を行っています。前日の振り返り、今日の相場ポイントなどをわかりやすく解説しています。YouTubeの「外為どっとコム公式FX初心者ch」でご覧いただけます。

宇栄原 宗平(うえはら・しゅうへい)
国際テクニカルアナリスト連盟 認定テクニカルアナリスト(CFTe) 2015年から金融業界に参入し、顧客サポートなどに従事。また金融セミナーの講師としても活躍する。2022年2月(株)外為どっとコム総合研究所へ入社。これまでの経験や知識を活かしながら、FX個人投資家へ精力的な情報発信を行っている。経済番組専門放送局「ストックボイス」や、ニッポン放送『辛坊治郎 ズーム そこまで言うか!』でのレギュラー解説ほか出演多数。マネー誌『ダイヤモンドZAi(ザイ)』にてドル円・ユーロ円見通しを連載中。
本サイトに掲載する情報には充分に注意を払っていますが、その内容について保証するものではありません。また本サービスは、投資判断の参考となる情報の提供を目的としたものであって、投資勧誘を目的として提供するものではありません。投資方針や時期選択等の最終決定はご自身で判断されますようお願いいたします。なお、本サービスの閲覧によって生じたいかなる損害につきましても、株式会社外為どっとコムは一切の責任を負いかねますことをご了承ください。