「ドル/円」をデイトレードする上でFX個人投資家が事前にインプットしておきたいトレードシナリオなどを、ギュッとまとめました。
執筆:外為どっとコム総合研究所 宇栄原 宗平
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最新のマーケット情報まとめ
「ドル円148円からの戻しで底堅さを確認!」の要点まとめ
## 最近の相場状況
- ドル円相場は昨日長い下ヒゲの陽線で終え、下値の底堅さを示した
- 一時148.00円付近まで下落する場面があったが、その後切り返した
## 下落した要因
- トランプ政権がメキシコ・カナダに25%、中国に10%の関税上乗せを発表
- これに対し中国が10日から報復関税を実施することを発表
- カナダも対抗措置を取ると明言し、貿易戦争への懸念が高まった
## 持ち直した要因
- トランプ政権がメキシコ・カナダへの関税軽減に向けた道筋を3月5日に発表する可能性が報じられた
- テクニカル的に安値を抜けたことでの達成感から買い戻しが入りやすかった
## 注目されるポイント
1. 日銀内田副総裁発言
- 経済・物価見通しが実現していれば政策金利を引き上げる方針を改めて表明
2. トランプ大統領の議会演説
- ウクライナ停戦に関する話が印象的
- ゼレンスキー大統領からの手紙に言及、和平交渉への姿勢を示唆
- 相場に大きな影響を与える内容はなかった
3. 今日(3/5)の注目イベント
- 24時のISM非製造業景況指数(特に注目度が高い)
- 先月のサービス業PMIが経済活動の拡大・縮小の分岐点50を割り込んでおり懸念がある
- 大幅に低下すれば景気減速懸念が強まりドル売りが強まる可能性
- 予想上回りなら150円台を試す展開も
- 21時15分のADP雇用統計(週末の雇用統計の前哨戦)
## テクニカル分析
- 移動平均線3本が下向きで短期的には下落基調
- 現在はレンジ相場の様相(148.00円から151.30円の約3円幅)
- 上値は150.18円が重要、これを抜ければ151円台を視野に
- 下値は149円台中盤がサポート、これを割れば149円の割れを試す動き
## 結論
トランプ政権の関税政策に振り回される展開が続いているが、ドル円相場は148円台で下値の底堅さを確認。今後は本日の米ISM非製造業景況指数の結果が重要なポイントとなる。ドル円は149.80円〜150.18円のレンジを上下どちらに抜けるかで方向性が決まる可能性が高い。経済指標次第では値動きが大きくなりやすい状況にある。
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宇栄原 宗平(うえはら・しゅうへい)
国際テクニカルアナリスト連盟 認定テクニカルアナリスト(CFTe) 2015年から金融業界に参入し、顧客サポートなどに従事。また金融セミナーの講師としても活躍する。2022年2月(株)外為どっとコム総合研究所へ入社。これまでの経験や知識を活かしながら、FX個人投資家へ精力的な情報発信を行っている。経済番組専門放送局「ストックボイス」や、ニッポン放送『辛坊治郎 ズーム そこまで言うか!』でのレギュラー解説ほか出演多数。マネー誌『ダイヤモンドZAi(ザイ)』にてドル円・ユーロ円見通しを連載中。
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