個人投資家として活躍するひろぴー氏が、独自の最新マーケット分析を毎週公開します。現在のFXマーケットを取り巻く情報の整理をする際、また短期間の FXトレード戦略を考える際に、お役立てください。
作成日時:2024年10月23日14時
執筆:CXRエンジニアリング株式会社 代表取締役 ひろぴー
あっという間にドル/円は本日152円まで上値を伸ばしてきました。7月31日ぶりの水準です。
先週から米国債の下落が目立ってきていますが、特に今週に入ってからその傾向が顕著になりました。
月曜日は米国の地銀株も大幅安が目立ち、急な金利上昇を株式市場も歓迎していないようです。日経平均も下落しており、ドル/円は上昇、日本の金利も上昇(債券売り)、ということで日本はトリプル安状態です。まだ市場はこの件について静かですが、少々不味い展開を予想します。思わぬ通貨安を招くきっかけとなりそうです。
債券金利比較
出所:TradingView
米国2年、5年、10年金利のチャートです。
2年金利と10年金利は9月以降、はっきりと順イールドに戻りました。5年金利だけがまだ2年金利を下回っており、逆イールド状態です。
しかしながら、これが順イールドに戻ると、中長期金利は近い将来さらに上昇することをはっきりと示唆することになります。
つまりFOMCの利下げを織り込まず、利上げになる可能性が高くなると踏んだ投資家が増えてきていることになります。
ドラッケンミラー氏も米国債ショートをポートフォリオの20%以上締めていると発言をしておりましたし、ビッグプレイヤーは米金利上昇に賭けている人が多そうです。
出所:https://x.com/FinanceLancelot/status/1848399607254171827
このタイミングで金利が上昇すれば、米地銀の業績悪化が再び起こります。
さらに米国の債務問題も再燃し、インフレ率が低迷しつつあるのに金利が真逆方向に動くとなるとFRBも舵取りが非常に難しくなってくるでしょう。 株式市場にも悪影響を及ぼすため、どこかで市場が崩れるかもしれません。
ドル/円は超重要ラインに差し掛かる
出所:TradingView
リスクオフも重なって円売りが顕著です。主要先進国通貨の中で最も売られていますので、今年前半のような通貨安相場が年末にかけて再開するかもしれません。
米金利上昇、日銀は利下げなしと考えれば円キャリートレードは復活しやすいでしょう。また日本の金利引き上げはあと1回がもはや限度ですから、このあたりを加味しますとドル/円は160円方向に向かって動いていくと考えます。
また日本の長期金利も緩やかに上昇しており、1.00%の大台も間も無くです。
債券安、通貨安と今年前半の相場のようになってきました。ドル/円は買いトレードを繰り返していくことになりそうです。
口先介入待ち、ドル/円の押し目はズバリそこか?
出所:TradingView
ドル/円4時間足に時間軸を落とします。目先サポートラインは150.30円台でしょうか?
152円を超えればそろそろ口先介入にも警戒しながらの対応になりますから、それらを待ってからの買いトレードを狙っていくと良いかもしれません。
口先介入後から買い下がり、150.00-150.30円台をバックに買い仕込みをする予定です。
152円をはっきりとブレイクすると、そこからは意外にも早いと考えます。
7月の160円から152円までが早かったように、売り注文が薄い中をこなしていくはずですので上昇速度は早くなると予想します。
また解散総選挙が間も無くですが、自民党が単独過半数割れとなれば、日本の政治の不透明さに嫌気して、さらに円が下落するかもしれません。
日曜日の選挙結果も幾分か織り込んで動いているようにも思えますので、目先材料は円安材料が多いように考えます。
【ひろぴー氏出演動画】
FX&Cryptoトレーダー、業界ニックネームは「ひろぴー」。ラジオ日経パーソナリティ、FX会社や仮想通貨取引所のコラムニストとして活動の場は多岐に渡る。自らのトレーディングノウハウから、ユーザビリティの高いインターフェース総監督を担う。FX会社や金融プラットフォーム開発エンジニアリング企業、仮想通貨取引所へのコンサルティング業が主。 2019年7月より TradingView Japan の Marketing Director に就任。
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