主要通貨ペア(ドル/円、ユーロ/円、豪ドル/円、ポンド/円)について前営業日の値動きをわかりやすく解説し、今後の見通しをお届けします。
作成日時 :2024年9月27日8時30分
執筆・監修:株式会社外為どっとコム総合研究所 調査部長 神田卓也
目次
▼26日(木)の為替相場
(1):日銀、利上げを決めた7月会合の議事要旨を公開
(2):中国、大手国有銀に最大1兆元の資本注入を検討
(3):米新規失業保険申請件数は前週から減少
▼外為注文情報/ ▼本日の見通し/ ▼ドル/円の見通し:上下双方向にリスク/ ▼注目の経済指標/ ▼注目のイベント
26日(木)の為替相場
期間:26日(木)午前6時10分~27日(金)午前5時55分 ※チャートは30分足(日本時間表示) 出所:外為どっとコム
(1):日銀、利上げを決めた7月会合の議事要旨を公開
日銀は追加利上げを決めた7月30-31日の金融政策決定会合の議事要旨を公表。複数の政策委員が「物価の上振れリスクが、政策判断において、より重要になる」と主張。「極めて低い金利水準を少しずつ調整していくことが適切だ」などと利上げが妥当との意見が相次いだ。一方で、「30年続いた縮み志向の経済が一気に変わるとは考えにくく、経済の持続的成長を裏付けるデータが少ない」として、利上げに慎重な見解も示された。
(2):中国、大手国有銀に最大1兆元の資本注入を検討
中国政府は大手国有銀行に対し、最大1兆元の資本注入を行うことを検討しているとの報道が伝わった。これを好感して上海総合指数などの中国株が続伸する中、豪ドル/円にも買いが入った。
(3):米新規失業保険申請件数は前週から減少
米新規失業保険申請件数は21.8万件と市場予想(22.3万件)に反して前週(22.2万件)から減少。米雇用市場は依然として健全との見方から米長期金利が上昇に転じるとドル/円も切り返した。なお、米4-6月期国内総生産(GDP)・確定値は前期比年率+3.0%と改定値から変わらず。米8月耐久財受注は前月比±0.0%、輸送用機器を除いた受注は前月比+0.5%だった(予想-2.6%、+0.1%)。
26日(木)の株・債券・商品市場
ドル/円 外為注文情報(FX板情報・オーダー状況)
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人気通貨ペア 本日の予想レンジ
ドル/円の見通し:上下双方向にリスク 自民総裁選次第
昨日のドル/円は終値ベースで0.1%弱の小幅高。144.10円台に下落する場面もあったが、米新規失業保険申請件数の減少を受けて米長期金利が持ち直すと145.20円前後まで上昇した。ただ、145円台は維持できず144円台後半で取引を終えた。
本日の東京市場は、自民党総裁選挙に注目が集まりそうだ。中でも、石破氏なら株安・円高、高市氏なら株高・円安と真逆の反応が見込まれていることから、この二人の決選投票になった場合は市場の緊張が高まるだろう。投票は13時から行われる予定で、過半数票の獲得者がいない場合には上位二人による決選投票に進むことになる。なお、前回2021年の総裁選(候補者4人)は13時に投票開始、第1回投票の結果判明が14時過ぎ、決選投票の結果は15時過ぎに伝わった。自民党総裁選を消化した後は、NY市場で発表される米8月個人消費支出物価指数(PCEデフレーター)に関心が向かうだろう。もっとも、米連邦準備制度理事会(FRB)は金融政策運営の軸足をすでにインフレから雇用に移していることから、米8月PCEデフレーターについては市場予想(前年比+2.3%、コア前年比+2.7%)から大きく乖離した結果にならなければ、ドルと米長期金利の反応は限られると見る。
注目の経済指標:PCEデフレーター
注目のイベント:自民党総裁選挙投開票
※時間は日本時間での表示になります。
※「注目の経済指標」「注目のイベント」は注目度が高い順に「◎」「○」「無印」で表示しております。
※発表時刻は予告なく変更される場合があります。また、予定一覧は信憑性の高いと思われる情報を元にまとめておりますが、内容の正確性を保証するものではございませんので、事前にご留意くださいますようお願いいたします。
神田 卓也(かんだ・たくや)
1991年9月、4年半の証券会社勤務を経て株式会社メイタン・トラディションに入社。 為替(ドル/円スポットデスク)を皮切りに、資金(デポジット)、金利デリバティブ等、各種金融商品の国際取引仲介業務を担当。 その後、2009年7月に外為どっとコム総合研究所の創業に参画し、為替相場・市場の調査に携わる。2011年12月より現職。 現在、個人FX投資家に向けた為替情報の配信を主業務とする傍ら、相場動向などについて、経済番組専門放送局の日経CNBC「朝エクスプレス」や、ストックボイスTV「東京マーケットワイド」、ニッポン放送「飯田浩司のOK! Cozy up!」などレギュラー出演。マスメディアからの取材多数。WEB・新聞・雑誌等にコメントを発信。
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