このレポートでは、メキシコペソとアメリカ経済や日本円との為替レートの動き、メキシコペソの見通し、そしてその影響を受ける可能性がある要因について詳しく解説します。
執筆:株式会社外為どっとコム総合研究所 調査部長 神田卓也
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「出尽くし感」でペソ持ち直しも、くすぶり続ける「政治リスク」
メキシコ議会下院に続き上院が司法制度改革案を可決した11日を境にペソが持ち直している。同法案は最高裁を含む判事の公選制を柱とする内容で、司法の独立性を脅かすとの懸念は根強く、国際社会からの批判が相次いでいる。しかし、法案の成立がほぼ確実になったことで、市場にはむしろ「出尽くし感」や「アク抜け感」が広がったようだ。ペソ/円は11日に付けた1年半ぶり安値の6.990円前後を底値として16日には7.349円前後まで反発。17日の東京市場でも7.3円台を中心に底堅く推移している。
もっとも、司法制度改革は将来的にペソの波乱要因となる可能性がある。メキシコの新大統領として10月に就任するシェインバウム氏も司法制度改革に賛成の立場だが、米国やカナダが強く反対していることから、USMCA(米・墨・加協定)を巡る今後の見直し協議に悪影響が及ぶとの見方が多い。もし、トランプ氏が米大統領に返り咲けば、そうした懸念は一層高まりそうだ。「政治リスク」がペソの重しとしてくすぶり続ける流れはまだ終わっていないと見るべきだろう。
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神田 卓也(かんだ・たくや)
1991年9月、4年半の証券会社勤務を経て株式会社メイタン・トラディションに入社。 為替(ドル/円スポットデスク)を皮切りに、資金(デポジット)、金利デリバティブ等、各種金融商品の国際取引仲介業務を担当。 その後、2009年7月に外為どっとコム総合研究所の創業に参画し、為替相場・市場の調査に携わる。2011年12月より現職。 現在、個人FX投資家に向けた為替情報の配信を主業務とする傍ら、相場動向などについて、経済番組専門放送局の日経CNBC「朝エクスプレス」や、ストックボイスTV「東京マーケットワイド」、ニッポン放送「飯田浩司のOK! Cozy up!」などレギュラー出演。マスメディアからの取材多数。WEB・新聞・雑誌等にコメントを発信。
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