このレポートでは、トルコリラと日本円との為替レートの動き、トルコリラの見通し、そしてその影響を受ける可能性がある要因について詳しく解説します。
執筆:株式会社外為どっとコム総合研究所 宇栄原宗平
X(Twitter): https://twitter.com/gaitamesk_ueha
動画でチャートを解説
直近の下落は、円売り介入や介入警戒感が背景にあり、リラ自体に大きな売り材料はない
■トルコリラ/円の現状
- 4.986円まで上昇後、5円手前で反落
- 移動平均線は全て下向きで上値が重い状況
- ただし、明確な安値切り下げは見られず、短期的な上昇トレンドは維持
■テクニカル分析(一目均衡表)
- 現在、雲の下限でサポートされて反発する動きが続いている
- 雲の下限が切り上がっており、安値を切り上げる可能性も
- 雲の下限を下抜けた場合、4.70円付近まで調整の可能性
- 先行スパン1と2のクロスに注目(何らかの変化の兆候)
■今後の展望
- 基本的に横ばいか、じりじりと上値を目指す展開を想定
- 直近の下落は、円買い介入や介入警戒感が背景にあり、リラ自体に大きな売り材料はない
■投資戦略
- 中長期目線でのスワップ重視の取引が有効
- ドルコスト平均法での継続的な買い付けや、押し目での買い増しを検討
■まとめ
- 現状は押し目買いのポイントである可能性
- 一目均衡表の雲の動きに注目し、トレンド変化の兆候を見極める
- 中長期的な視点での投資戦略が望ましい
- 政府・日銀の介入や為替政策の動向にも注意が必要
トルコリラ/円 日足チャート
ドル/トルコリラ 日足チャート
ユーロ/トルコリラ 日足チャート
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外為どっとコム総合研究所の調査部に所属する外国為替市場の研究員が、FX初心者向けに平日毎日12時ごろからライブ配信を行っています。前日の振り返り、今日の相場ポイントなどをわかりやすく解説しています。YouTubeの「外為どっとコム公式FX初心者ch」でご覧いただけます。
当社取扱通貨のうち、いわゆる新興国通貨に分類されるトルコリラ・南アフリカランドおよびメキシコペソ(MXN)はインターバンク(銀行間為替市場)における流動性が主要国通貨に比べ相対的に低く、経済指標発表のみならず金融政策変更やその他政治的要因、さらには地政学的リスク等の要因による突発的な相場急変動が起こりやすい環境下にございます。また、こうした急変動時には実勢インターバンクレートのスプレッド(BidとAskの差)も平常時に比べ大幅に拡大する傾向にあり、その場合には当社でもやむなく提示スプレッドを一時的に拡大することがございます。あわせて、相場状況により「ダイレクトカバーの対象となる注文」の基準Lot数(最低数量)を一時的に変更する場合がございますので、あらかじめご承知おきくださいますようお願いいたします。これら新興国通貨のお取引、およびこれらを対象とするキャンペーンへのご参加に際しては、以上につきあらかじめご留意のうえ、ポジション保有時、特に法人会員様の高レバレッジ取引における口座管理には十分ご注意くださいますようお願い申し上げます。以上の新興国通貨それぞれのリスク、および直近時点でのリスクレポートにつきましては、こちらのページをご参照願います。
新興国通貨が高金利である理由について
新興国に分類される国々は概して政治リスクや財政リスクが先進国よりも高く、したがってその経済的信用度は相対的に低い水準にあります。こうした条件下では海外投資家の資金を呼び寄せられず、経済発展の支障となるため、金利を上げたり税金を安くしたりすることで、信用度の低さを補いうる投資環境を構築しようとします。そのため新興国通貨は一般に先進国通貨よりも高金利となる傾向にありますが、前述したように各種リスクが高い水準にあることから、長期的には先進国通貨に比べて価値が下がる(=通貨が下落する)条件を備えているともいえます。

宇栄原 宗平(うえはら・しゅうへい)
国際テクニカルアナリスト連盟 認定テクニカルアナリスト(CFTe) 2015年から金融業界に参入し、顧客サポートなどに従事。また金融セミナーの講師としても活躍する。2022年2月(株)外為どっとコム総合研究所へ入社。これまでの経験や知識を活かしながら、FX個人投資家へ精力的な情報発信を行っている。経済番組専門放送局「ストックボイス」や、ニッポン放送『辛坊治郎 ズーム そこまで言うか!』でのレギュラー解説ほか出演多数。マネー誌『ダイヤモンドZAi(ザイ)』にてドル円・ユーロ円見通しを連載中。
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