このレポートでは、メキシコペソとアメリカ経済や日本円との為替レートの動き、メキシコペソの見通し、そしてその影響を受ける可能性がある要因について詳しく解説します。
執筆:株式会社外為どっとコム総合研究所 宇栄原宗平
動画でチャートを解説
ペソ円、反発の確認は、前日の高値8.4円後半を上抜けることが条件
メキシコペソは年初来安値を更新し、現在反発しています。この反発基調が強まるのかどうか、現状分析していきましょう。
■足元の動き
昨日のアメリカCPI発表後にドル円が大きく下落したことを受け、ペソ円は8.2円台まで安値を切り下げ、年初来安値を更新しました。このペソ安について、ロドリゲス・メキシコ中銀総裁は「金融市場の適切な運営を確保するための警戒を怠ることはない。ペソ相場が異常な動き、極端な変動を行った場合は行動を起こす用意がある」と述べています。この「行動」が為替介入なのかどうかにも注目が集まっています。
現状としては、昨日の大きな下げの反動で反発しており、一時的に8.4円台まで乗せました。
■反発基調への転換の条件
しかしながら、現在のチャートを見ると、高値を切り下げる動きが続いています。反発基調の動きになっているかどうかを判断するには、この高値切り下げの流れを変える必要があります。具体的には、前日の高値である8.4円後半を上抜けることが条件となります。
週足ベースでも、陰線が続いているため、陽線が出て今週の高値である8.6円を抜けることで、下げ止まりの兆候が見えてくるでしょう。
■サポートラインと今後の見通し
テクニカル的に見ると、8.1円〜8.2円台が強いサポート水準となっています。今回はこの水準まで下げてからの反発となっているため、ここをサポートに切り返す可能性もあります。
まずは今週、このサポートラインから反発するのか、そして来週に今週の高値を抜けてくるのかを見極めることが重要です。そのような展開になれば、大きな下げへの警戒は薄まってくると思われます。
引き続き、中銀総裁やメキシコ大統領の発言など、様々な材料が出てくると思われるため、警戒しながらペソ円相場を見ていく必要があります。
メキシコペソ/円 日足チャート
【キャンペーン】のご紹介
【高金利通貨特集】「メキシコペソ/円」 ページはこちら
【最新チャート】「為替チャート|メキシコペソ/円(MXNJPY)|60分足」はこちら
お知らせ:FX初心者向けに12時からライブ解説を配信
外為どっとコム総合研究所の調査部に所属する外国為替市場の研究員が、FX初心者向けに平日毎日12時ごろからライブ配信を行っています。前日の振り返り、今日の相場ポイントなどをわかりやすく解説しています。YouTubeの「外為どっとコム公式FX初心者ch」でご覧いただけます。

宇栄原 宗平(うえはら・しゅうへい)
国際テクニカルアナリスト連盟 認定テクニカルアナリスト(CFTe) 2015年から金融業界に参入し、顧客サポートなどに従事。また金融セミナーの講師としても活躍する。2022年2月(株)外為どっとコム総合研究所へ入社。これまでの経験や知識を活かしながら、FX個人投資家へ精力的な情報発信を行っている。経済番組専門放送局「ストックボイス」や、ニッポン放送『辛坊治郎 ズーム そこまで言うか!』でのレギュラー解説ほか出演多数。マネー誌『ダイヤモンドZAi(ザイ)』にてドル円・ユーロ円見通しを連載中。
本サイトに掲載する情報には充分に注意を払っていますが、その内容について保証するものではありません。また本サービスは、投資判断の参考となる情報の提供を目的としたものであって、投資勧誘を目的として提供するものではありません。投資方針や時期選択等の最終決定はご自身で判断されますようお願いいたします。なお、本サービスの閲覧によって生じたいかなる損害につきましても、株式会社外為どっとコムは一切の責任を負いかねますことをご了承ください。