このレポートでは、メキシコペソとアメリカ経済や日本円との為替レートの動き、メキシコペソの見通し、そしてその影響を受ける可能性がある要因について詳しく解説します。
執筆:株式会社外為どっとコム総合研究所 調査部長 神田卓也
X(Twitter): https://twitter.com/KandaTakuya
中東リスクでストップ巻き込み一時急落 ショックへの脆弱性を再認識
前週末19日、メキシコペソが一時急落した。イスラエルがイランを攻撃したと伝わり中東情勢の緊迫化を懸念したリスク回避の動きが強まると対円でおよそ2カ月半ぶりに8.50円付近まで下落。対ドルでは昨年10月以来の安値となる18.20ペソ台へと急落した。良好なメキシコ経済や米企業によるニアショアリングの動きを好感したペソ買いが膨らんでいたため、ロスカットのペソ売りを巻き込んで下げ足を速めたと見られる。売り一巡後は、イスラエルによる攻撃は抑制的でイラン側も反撃の計画はないと示唆したこともあって急速に値を戻し、対円では9.0円台を回復した(対ドルでも17.0~17.10ペソ台へ持ち直した)。ただし、流動性が高いとは言えない新興国通貨は「予期せぬショック」に脆弱であるという点をあらためて認識せざるを得ない動きであろう。中期的な視点からはペソの堅調地合いに変化はないものと見られるが、投資に際しては教訓を生かして厳格なリスク管理が必要となりそうだ。
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神田 卓也(かんだ・たくや)
1991年9月、4年半の証券会社勤務を経て株式会社メイタン・トラディションに入社。 為替(ドル/円スポットデスク)を皮切りに、資金(デポジット)、金利デリバティブ等、各種金融商品の国際取引仲介業務を担当。 その後、2009年7月に外為どっとコム総合研究所の創業に参画し、為替相場・市場の調査に携わる。2011年12月より現職。 現在、個人FX投資家に向けた為替情報の配信を主業務とする傍ら、相場動向などについて、経済番組専門放送局の日経CNBC「朝エクスプレス」や、ストックボイスTV「東京マーケットワイド」、ニッポン放送「飯田浩司のOK! Cozy up!」などレギュラー出演。マスメディアからの取材多数。WEB・新聞・雑誌等にコメントを発信。
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