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ドル円予想:3月下旬はドル高と見る|動き出す日銀、春闘相場|FX・米株など解説 3月13日(水)野村雅道

配信期間が終了しました。
最新動画は【外為マーケットビュー】で公開しています。

動画配信期間:2024/3/13~2024/3/27

外為市場に長年携わってきたコメンテータが、その日の相場見通しや今後のマーケット展望を解説します。

目次

00:00 動き出す日銀・春闘相場
03:20 ドル円の見通し
03:59 米CPI結果・米利下げの行方
04:43 日本・円の動向
06:20 足元の相場動向
06:52 米国・ドルの動向
08:29 欧州・ユーロの動向
09:47 英国・ポンドの動向
10:39 オーストラリア・豪ドルの動向
11:25 メキシコ・ペソの動向
14:02 南アフリカ・ランドの動向
15:40 株価の動向(CFD)
17:05 資源価格の動向(CFD)
17:56 まとめ
18:54 【PR】口座開設特別キャンペーン

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動画の内容抜粋

3月13日の水曜日です。ここにきて相場が動き始めました。日本のマイナス金利政策がゼロ金利に転換されることとなり、一方でアメリカではパウエル議長が利下げに踏み切りました。ゴルフで言えば、バーディーとボギーのようなものです。アメリカが利下げを実施し、日本が利上げに動いたということになります。その結果、為替相場が少し荒れ振れる展開となっています。

日本が行うのは、わずか0.1%のマイナス金利を解除するだけの動きです。しかし、たった0.1%の変更でさえ、大騒ぎとなっているのが現状です。冷静に考えれば、0.1%程度の金利変更で、景気が大きく動くことはないでしょう。また、日本が高インフレ経済になるわけでもありません。中国は、物価が大幅に下落する一方で、世界的にもデフレ傾向が強まっています。先日発表された米国の消費者物価指数(CPI)データも、平時に向かっていく様子を示しています。したがって、それほど大きな相場の変動は起こらないと思われます。

長年続いてきたマイナス金利政策が転換されるということで、市場がやや緊張感を持っている状況です。しかし、この動きが終わればアメリカと日本の金利差が逆転するわけではありません。従来通り、日本の貿易収支に基づいた為替レートに戻っていくことでしょう。

本日は、春闘の回答集中日となります。そして、15日にその結果が発表される予定です。為替相場と春闘が関係するというのは、珍しい出来事だと思います。また、黒田日銀総裁も「今週はさまざまな材料が出るため」と述べており、春闘の結果を気にかけているようです。春闘は主に大企業を中心としたベースアップと賃上げが焦点となりますが、日本の雇用の9割以上を占める中小企業がどう対応するかが、総裁の関心事になるでしょう。

今回が初めての政策転換となるため、一時的な騒ぎとなっていますが、一度落ち着けば通常の動きに戻るものと思われます。アメリカが利下げを行うのと同様のことが言えます。徐々に平時に近づいてきているということは、コロナ禍やロシア・ウクライナ情勢といった有事が収束に向かっている証しでもあります。サプライチェーンの混乱も落ち着きを取り戻しつつあり、インフレ懸念も薄れています。さらに、不安定な中国から、メキシコへと工場を移転する動きも進行中です。ロシアがさらなる暴挙に走らない限り、この平時のトレンドが続くと考えられます。

平時が継続すれば、ドル高は終焉を迎えることになるでしょう。かつては円が買われる存在でしたが、近年は円の貿易黒字基調が続いていないため、ドル安となれば真っ先に円高になるとは限りません。むしろ、トピックごとに異なる通貨が買われる可能性があります。今月の展開を見ると、メキシコペソやランドが買われているようです。

一方、ユーロなどの主要通貨が大幅に下落するシナリオはないだろうと考えられます。ドル円は、2月半ばから3月初めにかけて、いわゆる「団子天井」のチャートパターンを形成していました。方向感がなく、上値と下値の動きが限定的でした。ようやく雲の手前で2日連続で下落が見られ、昨日の安値まで下げてきました。今後は、雲の下に入るか、そこを下抜けるかが注目されます。

サポートラインを上抜けるのが難しい状況でしたが、ようやく雲の手前で2日連続の下落が見られ、昨日の安値にまで下げてきました。今後は、雲の下に入るか、それを下抜けるかが注目されます。日本の利上げ観測が高まったのは、東京の消費者物価指数が1.8%から2月は2.5%に上昇したことも一因でしょう。

また、昨日は米国の消費者物価指数(CPI)が市場予想を0.1%上回る結果となりました。たった0.1%の差に過ぎませんが、ヘッドラインCPIとコアCPIの両方で予想を上回りました。その結果、ドル買いが優勢になりました。しかし、落ち着いて見れば、コアCPIは前月比で0.1%低下しているのです。つまり、大した変化はないと言えるでしょう。

今月と5月の利下げはないとされていますが、6月については依然として69%の0.25%利下げ確率が示されています。CPIデータ発表前は72%でしたから、若干低下しただけです。市場ではなお、6月の利下げシナリオが有力視されているようです。

日本の株価については、これまで業績が良好で政府から自社株買いやNISAなどが奨励されていたため、高い期待が寄せられていました。しかし、円安と金利上昇が進めば、企業業績への影響が懸念されます。業績が改善しなければ、株価も上値が重くなり、日銀の金融政策運営にも影響を及ぼすかもしれません。

根本的には、貿易収支が重要でしょう。原油価格が80ドル前後では、なかなか貿易黒字に転換できそうにありません。輸入額を減らし、貿易収支が改善に向かうには、原油価格が50ドルを下回る必要があるでしょう。31年間にわたる貿易赤字が一転して黒字になったのは、東日本大震災で原発を停止し原油輸入が増えた時以降のことです。その状況が続いているため、日本の貿易収支を黒字に転換するのは相当難しい課題と言えます。自動車産業の勢いも低下しており、台湾のTSMCなどに輸出を促進するのも容易ではありません。

データでは3月の月間トレンドはレンジ相場となっていますが、下旬はドル高となる公算が大きいようです。なぜなら、3月にはリパトリエーション(国内還流)の動きがあり、月末に大口の送金や買収案件などが集中する傾向があるからです。

CPIデータの結果そのものが悪かったわけではなく、市場予想が甘かっただけです。CPIは0.1%低下しているのですから、大した変化はありません。状況はそれほど変わっていないと言えるでしょう。

3月のFOMC(連邦公開市場委員会)会合でのドットチャートが注目されます。反対派の人々は「利下げできる状況ではない」と主張していますが、大方の見方は、FRBをはじめECB、BOEなども、徐々に年内に何回か利下げを実施したいというスタンスです。

昨日のCPIデータは、クリーブランド連銀地区のものでほぼ予想通りでした。しかし、3月のCPIは3.3%と若干上昇する公算が大きくなっています。一方で、コアCPIは再び低下すると見られています。つまり、コアCPIを重視すれば利下げ観測は変わらないと考えられています。

フェドウォッチによれば、3月と5月は現状維持で、6月に69%程度の利下げ確率があるとされています。ただし、4月と5月にもCPIが発表されるため、その結果次第では見通しも変わってくるでしょう。平時に戻れば、ドル高はやや収まってくると予想されます。

ECBの最高議決者であるラガルド総裁も、夏休み前には利下げできる環境になってくるのではないかと示唆しています。フランスのビルロワドガロー総裁も春ごろには利下げできるかもしれないと言っています。つまり、景気が悪化する中で利下げに傾いていくということです。

日本も同様で、景気が良くない状況では利上げに踏み切れば批判を浴びかねません。プラザ合意以降、日本が利上げに成功したことは一度もありません。みな失敗に終わっているのが実情です。景気が持ち直したり、インフレが落ち着いたからと言って利上げすれば、すぐに方針転換を余儀なくされ、再び緩和に動くことになります。これが三重、白川、福井の各総裁時代の経験則でした。

今回はGDPが改定値でプラス成長となったものの、個人消費は依然として弱含みです。賃金を上げても、なかなか消費に回らず貯蓄に回れば景気は良くなりません。アジアは物価が上がる地域でもなく、節約志向が強いためです。欧米がインフレ低下と利下げに動めば、日本もその流れに従っていくことでしょう。

イギリスはECBに比べてインフレが高かったため、利下げが遅れると見られていました。しかし昨日、賃金上昇率が6%と極めて低い伸びにとどまったことから、利下げ観測が高まりました。私もツイッターで、イギリスが利下げ方向に向かうと指摘しましたが、実際、昨日はイギリスの金利が低下する展開となりました。ただし、ECBやFRBに比べると若干遅れ、8月ごろの利下げになるのではないかとの見方が強まっています。その結果、ポンド売りが優勢となった一方、円は上昇しました。

 

 
野村雅道 氏
FX湘南投資グループ代表 1979年東京大学教養学部を卒業後、東京銀行(現三菱UFJ銀行)入行。82年ニューヨーク支店にて国際投資業務(主に中南米融資)、外貨資金業務に従事。85年プラザ合意時には本店為替資金部でチーフディーラーを務める。 87年米系銀行へ転出。外資系銀行を経て欧州系銀行外国為替部市場部長。外国為替トレーディング業務ヴァイスプレジデントチーフディーラーとして活躍。 財務省、日銀および日銀政策委員会などの金融当局との関係が深く、テレビ・ラジオ・新聞などの国際経済のコメンテイターとして活躍中。為替を中心とした国際経済、日本経済の実践的な捉え方の講演会を全国的に行っている。現在、FX湘南投資グループ代表。
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