メキシコペソや豪ドルなど投資家にとって魅力的な通貨の最新状況について、これまでの動向や注目ポイントについて解説します。
作成日時 ：2024年2月23日9時00分
執筆・監修：株式会社外為どっとコム総合研究所 調査部長 神田卓也
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NZ/円チャート（月足）
※レポート内の為替レート・チャートは外為どっとコム「外貨ネクストネオ」を参照
今週のNZドル/円は9年ぶり高値を更新
NZドル/円は、NZ中銀（RBNZ）の追加利上げ期待を背景に2015年1月以来の93円台に上昇しました。オアRBNZ総裁は先週16日の講演でインフレの鈍化ペースが鈍い点に懸念を表明した上で「まだ取り組みが必要だ」と述べています。
今週20日には中国が住宅ローン金利を引き下げて不動産市場を支援。これを受けて同国の景気不安が和らいだこともNZドルの追い風となりました。
21日の取引終了後に発表された米半導体大手エヌビディアの好決算を受けて、翌22日は日経平均株価が34年ぶりに高値を更新。独DAX、米NYダウ平均、ナスダックなど欧米の株価指数も軒並み史上最高値を更新するなどリスクオンの流れが強まる中、NZドル/円は93.36円前後まで上伸して9年ぶりの高値を付けました。23日のオセアニア市場でも93円台前半の高値圏で推移しています。
NZドル/円の注目ポイントはRBNZ
RBNZは28日に政策金利を発表します。市場の見方は5.50％の据え置きが優勢ですが、地元の大手銀行が5.75％への追加利上げを予想するなど、一部には利上げ観測がくすぶっています。NZ金利先物は25bp（0.25％ポイント）の利上げを3割弱織り込んだ水準です。市場の見方が定まっていないだけに、仮に利上げが決まればNZドルは上昇する公算が大きい一方、大方の予想通りの据え置きであっても下落する可能性があるでしょう。
もっとも、そうした短期的な値動きはともかく、中期的には利上げにしても据え置きにしても、声明で示される今後の政策スタンスが重要になると思われます。前回の声明で用いた「インフレ圧力が予想より強い場合には、さらなる利上げが必要になる可能性が高い」との文言が残るかどうかが焦点のひとつになるでしょう。政策金利と同時に発表されるインフレ見通しや、その1時間後に行われるオア総裁の会見にも注目です。なお、金融政策の決定内容をできるだけ早く知るためにはRBNZのXアカウント（@ReserveBankofNZ）をフォローしておくのも一考です。
当面のNZドル/円見通し
予想レンジ
92.000～94.250円
基調
波乱含み
当面の注目ポイント
☆2/28 RBNZ政策金利
☆2/28 オアRBNZ総裁会見
・3/1 オアRBNZ総裁講演
・主要国株価、国際商品価格
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株式会社外為どっとコム総合研究所 取締役 調査部長 上席研究員神田 卓也（かんだ・たくや）
1991年9月、4年半の証券会社勤務を経て株式会社メイタン・トラディションに入社。 為替(ドル/円スポットデスク)を皮切りに、資金(デポジット)、金利デリバティブ等、各種金融商品の国際取引仲介業務を担当。 その後、2009年7月に外為どっとコム総合研究所の創業に参画し、為替相場・市場の調査に携わる。2011年12月より現職。 現在、個人FX投資家に向けた為替情報の配信を主業務とする傍ら、相場動向などについて、経済番組専門放送局の日経CNBC「朝エクスプレス」や、ストックボイスTV「東京マーケットワイド」、ニッポン放送「飯田浩司のOK! Cozy up!」などレギュラー出演。マスメディアからの取材多数。WEB・新聞・雑誌等にコメントを発信。
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