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来週の為替予想(豪ドル/円 NZドル/円 )「豪州のCPIと小売次第ではRBAは利上げ?」ハロンズ FX 2024/2/23

 

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執筆:外為どっとコム総合研究所 中村 勉
X(Twitter):@gaitamesk_naka
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今週の振り返り

今週の豪ドル/円は97.96円前後、NZドル/円は91.84円前後で週初を迎えました。20日に中国人民銀行(PBOC)が銀行貸出金利の指標となる最優遇貸出金利(ローンプライムレート、LPR)の5年物を4.20%から3.95%へ引き下げたことが中国と交易関係の強い豪ドルやNZドルを支える一因となりました。また、豪ドルは21日に発表された豪10-12月期賃金指数(WPI)が前年比+4.2%と市場予想や前月(+4.1%、+4.0%)を上回ったことでインフレ高止まりの警戒感が出たことも支援材料となりました。他方でNZドルは、21日にニュージーランド(NZ)10-12月期生産者物価指数(PPI)が発表されました。結果は前期比+0.7%で前回(+0.8%)からNZのインフレ圧力が若干低下していましたが、NZ準備銀行(RBNZ)の追加利上げ観測を打ち消すには至りませんでした。22日には日経平均株価が一時史上最高値を記録したことも支えとなり、豪ドル/円は98.87円前後、NZドル/円は93.28円前後まで上値を伸ばしました(執筆時)。

豪賃金指数は上振れた CPIと小売売上高に注目!

来週は28日(水)に豪1月消費者物価指数(CPI)が発表されます。市場予想は前年比+3.5%で、前月(+3.4%)から上昇となっていますが、まだ回答数が少ないため直前になれば予想が変わってくるでしょう。豪州の月次インフレはRBAの目標レンジ(2~3%)に向けてかなり良いペースで鈍化してきました(表1参照)。今回発表される1月分が目標レンジ内に入らなくても、前月からさらに鈍化を示すことが出来れば、市場ではRBAに対する利下げ期待が膨らむことになりそうです。

【表1 豪州の月次CPIの推移】


29日には豪1月小売売上高の発表もあります。21日に発表された豪10-12月期WPIの結果、四半期ベースの賃金上昇率がインフレ率を上回りました(表2参照)。賃金上昇率からインフレ率を差し引いたものを実質賃金と言います。豪州では実質賃金が前四半期にプラスに転じたため、計算上は家計が支出に回せるお金の余裕が増えたことになります。家計支出が増えると物(サービス)が売れることになるので、インフレ鈍化にとってはマイナスの材料となります。表2を見てもわかる通り、豪州の実質賃金は2021年1-3月期以降2年間マイナスで推移していました。そのため、最新の実質賃金がプラスに転じたからと言って、すぐに消費者が財布の紐を緩めて小売売上高などが大きく伸びるのかと言うと疑問が残るところですが、消費意欲が高まりやすい状況になったことは事実です。28日の豪1月CPI、29日の豪1月小売売上高の結果を受けて、RBAがタカ派的なスタンスを継続させるとの見方が広がることも考えられますので注意しておきましょう。

【表2 豪四半期WPIと豪四半期CPIの推移】 

RBNZの次の一手は?

来週は28日にRBNZが理事会を開催し、金融政策を発表します。前回11月の会合でRBNZは「インフレ圧力が予想よりも強ければ、政策金利をさらに引き上げる必要がある可能性が高い」と示しました。その後発表されたNZ10-12月期CPIは前年比+4.7%へと前回の+5.6%から鈍化をしています。それでもRBNZの目標とする1~3%には程遠い状態です。こういった状況で発表されたNZ10-12月期雇用統計では失業率は前期から0.1%悪化して4.0%となりましたが、雇用者数が前年比+2.4%と市場予想(+2.1%)を上回るなど、NZの労働市場は堅調さを維持しています。12日の議会証言でオアRBNZ総裁は現在のインフレ率はまだ高いと指摘したほか、今回の政策会合でタカ派的な政策スタンスを検討すると述べています。RBNZの利上げはあるのかないのか?そして今後の政策へのヒントは?など、28日のRBNZ理事会への注目が高まっています。

豪ドル/円のテクニカル分析

豪ドル/円は昨年11月後半から続いている95円台半ば~98円半ばでのレンジを上抜けて来ました。ここから一段と上昇し99円台に乗せることが出来れば、100.00円への道も見えてきそうです。ただ、現在の98円台後半という水準は2022年(9/13 98.79円前後)、23年(11/15 98.58円前後)と2年連続で上値を抑えられていましたので、99円台に乗せられずにいると今後も強い抵抗として意識されるでしょう。下値は日足一目均衡表の転換線が目先の目途、その下は一目均衡表の雲下限となりそうです。

【豪ドル/円 日足・一目均衡表と200MA】

出所:外為どっとコム「外貨ネクストネオ」

予想レンジ:AUD/JPY:96.50-100.00、NZD/JPY:91.50-95.00

2/26 週のイベント:

02/28 (水) 09:30 豪 1月消費者物価指数(CPI)
02/28 (水) 10:00 NZ ニュージーランド準備銀行(RBNZ)政策金利
02/29 (木) 09:00 NZ 2月ANZ企業信頼感
02/29 (木) 09:30 豪 1月小売売上高
02/29 (木) 09:30 豪 10-12月期四半期民間設備投資
02/29 (木) 10:30 中国 2月製造業購買担当者景気指数(PMI)
03/01 (金) 06:45 NZ 1月住宅建設許可件数
03/01 (金) 10:45 中国 2月財新製造業購買担当者景気指数(PMI)

一言コメント:

2月も後半に入ってきました。今週の東京は20℃を超える日もありましたが、週央から天候は崩れて気温も一桁台に逆戻り。体調を崩さないように注意をしないといけませんね。

nakamura.jpg 外為どっとコム総合研究所 調査部 研究員
中村 勉(なかむら・つとむ)
米国の大学で学び、帰国後に上田ハーロー(株)へ入社。 8年間カバーディーラーに従事し、顧客サービス開発にも携わる。 2021年10月から(株)外為どっとコム総合研究所へ入社。 優れた英語力とカバーディーラー時代の経験を活かし、レポート、X(Twitter)を通してFX個人投資家向けの情報発信を担当している。
経済番組専門放送局ストックボイスTV『東京マーケットワイド』、ニッポン放送『飯田浩司のOK! Cozy up!』などレギュラー出演。マスメディアからの取材多数。
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