ドル/円、145円を視野に円売り加速…日銀の早期マイナス金利解除観測が後退
東京市場のドル/円は、143円台後半へ急伸。日銀が金融緩和政策の現状維持を決定すると円売りが強まり一時143.77円前後まで上伸しました。また、日銀が発表した声明文からは、マイナス金利の解除など出口戦略に関する手がかりは皆無でした。
15時30分からの植田日銀総裁による記者会見では、「先行き賃金と物価の好循環が強まっていくか、なお見極めていく必要がある」などと発言。先日の「年末から来年にかけて一段とチャレンジングな状況になる」との発言については、「後の仕事の取り組み姿勢一般について問われたので、2年目にかかるところなので一段と気を引き締めてというつもりで発言した」と述べました。そうしたことから市場の早期マイナス金利解除観測が後退したと見られ、円売りがさらに加速しました。
NY市場では、日銀会合の結果を受けた円売りから145円を視野に入れた展開が考えられます。ただし、145.00円付近は上値抵抗と意識される水準のため伸び悩む可能性もあります。なお、米連邦準備制度理事会(FRB)による早期利下げの思惑が浮上する中で、バーキン米リッチモンド連銀総裁、ボスティック米アトランタ連銀総裁の講演に注目しましょう。
ドル/円をテクニカル分析で見ると、前日に上向きの200日移動平均線を突破した後、反発の流れを強めて144円台へ持ち直しました。足元では11月高値から12月安値への下落幅に対する38.2%戻し水準145.00円付近を視野に入れた展開となっていますので注目です。
ドル円 日足チャート
この後の経済イベント
12/19(火)
22:00 スナク英首相議会証言
22:00 ブリーデンBOE副総裁講演
22:30 カナダ11月消費者物価指数
22:30 米11月住宅着工件数
22:30 米11月建設許可件数
23:30 バーキン米リッチモンド連銀総裁講演
26:30 ボスティック米アトランタ連銀総裁講演
30:00 米10月証券投資
12/20(水)
08:50 日本11月貿易収支
※☆は特に注目の材料
経済指標・イベントの結果について
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宇栄原 宗平(うえはら・しゅうへい)
国際テクニカルアナリスト連盟 認定テクニカルアナリスト(CFTe) 2015年から金融業界に参入し、顧客サポートなどに従事。また金融セミナーの講師としても活躍する。2022年2月(株)外為どっとコム総合研究所へ入社。これまでの経験や知識を活かしながら、FX個人投資家へ精力的な情報発信を行っている。経済番組専門放送局「ストックボイス」や、ニッポン放送『辛坊治郎 ズーム そこまで言うか!』でのレギュラー解説ほか出演多数。マネー誌『ダイヤモンドZAi(ザイ)』にてドル円・ユーロ円見通しを連載中。
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