個人投資家として活躍するひろぴー氏が、独自の最新マーケット分析を毎週公開します。現在のFXマーケットを取り巻く情報の整理をする際、また短期間の FXトレード戦略を考える際に、お役立てください。
作成日時:2023年12月6日15時
執筆:CXRエンジニアリング株式会社 代表取締役 ひろぴー
先日から各国の経済指標が減速傾向です。
特に欧州の指標は悪化傾向にあり、インフレ率も順調に低迷しています。
欧州HICPは前年同月比で+2.4%と目標の+2.0%にかなり近づいてきました。
フランスもドイツも先日発表されたCPIも市場予想を下回りました。
特にフランスは前月比ベースでマイナス推移となっており、ここからインフレ低下が加速しそうです。
原油価格もOPECプラスで度重なる減産合意を発表していますが、WTI原油は直近の安値を更新しつつあります。
債券市場も金利が低下しており、すっかりリセッションを意識したポジション取りが進んでいるように思えます。世界的にも製造業類の経済指標が悪化しているので無理もないでしょう。
半年以上前から悪化傾向にあるため、そろそろ実体経済にも影響が出てきそうです。
目次
▼ユーロの利下げのほうが早い?
▼ユーロ/円の第1ターゲットはここだ!
▼ドル/円も下落目線継続
ユーロの利下げのほうが早い?
出所:TradingView
ユーロ/円日足です。
トレンドラインに差し掛かってきており、10月からの上昇分を半分ほど帳消ししました。
夏頃までは欧州のCPIは米国を上回っており、利下げは米国よりも後だろうという市場の見方から一転、欧州から先に利下げするだろうという見方に変更してきているように思えます。
ユーロ/円は大きく下落の余地がありそうです。
目先、10月の安値である154円台を意識したトレードを実行していくべきと、今週から本格的にユーロ/円の売りポジションを積み増ししていこうと考えました。4時間足で目先のターゲットを決めていきます。
ユーロ/円の第1ターゲットはここだ!
出所:TradingView
4時間足に時間軸を落とします。日足を頭に入れて、戻り売りを狙います。
4時間足での目先ターゲットですが、フィボナッチエクステンションを引いてみますと、261.8%延伸で157.25円とサポートラインがピッタリ重なるポイントが存在しました。まだここから175pips下です。
目先、ここを第1ターゲットにトレードしていきたいと考えました。
ストップは-100~-120pips程度とし、損小利大トレードを狙うと良さそうです。
参考程度に、欧州の経済指標を掲載しておきます。PPIもしっかりとマイナスで推移をはじめております。生産者側の物価がこれほどマイナスになるならば、来年前半にはCPIがマイナスになるかもしれません。
各国経済指標
https://www.gaitame.com/markets/indicator.html#
ドル/円も下落目線継続
出所:TradingView
続いて、ドル/円日足チャートです。
先日のコラム更新通り、下落トレンド継続目線は変わらずです。
トレンドラインを右側に抜けつつあります。
ここを明確に割れるのは、金曜日の米雇用統計がきっかけとなるのでしょうか?
金曜日に向けたポジション調整もいくつか入っていると思われます、よって、ここ数日は底堅く推移しているのかもしれません。
しかしながら、それも間もなく終了すると予想します。
テクニカル的にはRCI52(橙)が0.00ラインを昨日から割り込んできました。これはトレンド加速の合図です。
またRCI26(水色)は、-80ラインを割り込みつつあります。こちらも下落トレンド加速の合図です。
二つの指標が同タイミングで訪れた場合、過去に何度も大きな下落トレンドとしてマーケットが動きました。テクニカル的にも地合い良し、です。
目先は144.70円のサポートラインを意識してショートトレードを継続していこうと考えております。
昨晩発表された米10月JOLTSは市場予想930万件のところ、873万件となりました。
11月の雇用統計に大きく影響が出ている可能性があります。
徐々に利上げの効果が出てきている反面、ここからは景気悪化が加速しないか、各国中央銀行総裁の手腕に期待がかかります。
しかしながら、歴史的にこれをうまくやってのけたケースは稀です。
いつの時代も大体手遅れになることが多いので、それが起こらなくともマーケットはそれを織り込みに行きたがります。
よって、ドル/円、ユーロ/円ショートに強気姿勢で臨んでいるわけです。
週後半も目が離せません。僕はポジションを持ったまま雇用統計、来週のCPI、FOMCと臨む予定です。今週も下落目線の強気姿勢は変わらずです。
【ひろぴー氏出演動画】
FX&Cryptoトレーダー、業界ニックネームは「ひろぴー」。ラジオ日経パーソナリティ、FX会社や仮想通貨取引所のコラムニストとして活動の場は多岐に渡る。自らのトレーディングノウハウから、ユーザビリティの高いインターフェース総監督を担う。FX会社や金融プラットフォーム開発エンジニアリング企業、仮想通貨取引所へのコンサルティング業が主。 2019年7月より TradingView Japan の Marketing Director に就任。
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